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RØDE NT1 5th Generation レビュー:32ビット・フロート出力に対応したXLR/USB両接続のコンデンサー・マイク

RØDE NT1 5th Generation レビュー:32ビット・フロート出力に対応したXLR/USB両接続のコンデンサー・マイク

 1991年に発売された、累計600万台以上の販売実績を誇るRØDE初のマイク、NT1。筆者が宅録を始めた高校時代(1997年頃)、父親が買ってきてくれた、生まれて初めて手にしたコンデンサー・マイクがNT1でした。その第5世代となるNT1 5th Generationを、今回試させていただきました。価格帯的にも入門機種として位置付けられるマイクではありますが、自分のレコーディング環境や今の感覚の中で、どのような印象を自分が受けるかを期待しながら、ボーカル、ギター、ドラム(スネア、タム、オーバーベッド)など、さまざまなソースでレコーディングしてみました。

明るさと伸びを感じるカラッとした音。すべてのソースに対してバランスの良い印象

 NT1 5th Generationは、ラージ・ダイアフラムを備えた1インチ・カプセル搭載の単一指向性コンデンサー・マイクです。最大の特徴は、XLR端子出力に加えて、USB-C端子で直接コンピューターと接続可能で、24ビットのほかにラージ・ダイアフラム・コンデンサー・マイクとしては世界初という32ビット・フロートのデジタル出力にも対応している点。

XLR端子とUSB-C端子の両方を搭載したデュアル・コネクト出力。従来のオーディオ・インターフェースやミキサーへのアナログ接続に加え、USBを介して直接コンピューターへの接続も可能

XLR端子とUSB-C端子の両方を搭載したデュアル・コネクト出力。従来のオーディオ・インターフェースやミキサーへのアナログ接続に加え、USBを介して直接コンピューターへの接続も可能

 32ビット・フロート出力では、ゲイン設定を心配することなく“クリップなし”でさまざまな音量のソースを録音できるとのこと。また、1台のコンピューターに最大8本まで接続可能です(32ビット・フロート録音も含めWindowsではRØDEカスタムASIOドライバーが必要)。サンプリング・レートは48/96/192kHzから選択できます。

 さらに、本体にはAPHEX製エフェクトを使用できるDSPと、等価ノイズ・レベルが4dBAという超低ノイズでハイゲインが特徴というRevolution Preampも搭載。本体カラーはブラックとシルバーの2種類が用意され、製品にはショック・マウント、ポップ・フィルター、6mのXLRケーブル、3mのUSB-Cケーブル、収納ポーチが付属しています。

NT1 5th Generationのシルバー・バージョンを背面から見たところ

NT1 5th Generationのシルバー・バージョンを背面から見たところ

 まずはアナログでオーディオI/Oに接続して、ボーカル・レコーディング。第一印象は、明るく少し乾いた高音が伸びている、まさに“RØDE”といった音で、リアリティという表現がぴったりの印象でした。

 次に、アコースティック・ギターを録音したところ、明るく伸びのある音は従来のNT1の印象と変わらず、安心感のある奇麗な音色を収音してくれました。単に演奏しやすいというだけでなく、マイクのキャラクターに相応した、それぞれの個性がより引き立つような楽しさです。この弦を弾くときの明るい印象は、そのままシンバルやタンバリン、シェイカーのような楽器にも応用できました。音に抜け感が出るようで、とにかくオールマイティに使用できるRØDEの看板を背負ったマイクという貫禄を感じます。

 次は同じくアナログ接続で、普段自分が使用しているマイク・プリアンプでテスト。ここまでに感じた明るさと伸び、少しカラッとした印象はそのままに、より高価なコンデンサー・マイクで感じるようなトータル・バランスの良さをすべてのソースに対してさらに感じました。

32ビット・フロート出力では常にゲイン調整不要で録音できる

 次に、今回のマイクの目玉でもあるUSB-C端子で直接コンピューターに接続して、32ビット・フロート出力でテストしました。USB接続でのマイク・レコーディングは個人的に初めてだったのですが、ここでRØDEの本気を感じました。マイクプリを使用したときのトータル・バランスが良いという印象は、USBレコーディングでもさらに感じることができ、Revolution Preampのすごみを覚えました。オーディオI/Oやマイクプリのキャラクターが出るNT1の特性が、RØDEが追求するマイクのクオリティを表現する上で必要不可欠だということを感じざるを得ません。

 ボーカル、ギター、スネアやタムのレコーディングに使用しましたが、一切ゲインをいじることがなく、クリップさせずに録音できました。最大8本のUSB接続が可能なので、バンドでの配信時、またはブロードキャスティングにおいても、かなり有用であると感じます。

 また、筆者自身がドラマーということもあって、特筆させていただきたいのが、タムの収録。タムにコンデンサー・マイクを使用する機会は普段から頻繁にあるのですが、USB接続で録音した際、タムの音色が伸び、まとまりが非常に良く印象深かったです。いつか各タムに本機をセッティングして録音してみたいなと強く思いました。

 本体内蔵のDSPはRØDEのWebサイトから無償ダウンロード可能なRØDE Central、あるいはRØDE Connectというソフトでコントロール可能です(前者はNT1 5th Generationの設定用、後者はポッドキャスティングの設定用)。この内蔵DSPはAPHEX製のオーディオ・プロセッサーを備えており、24ビット/48kHz録音時において、コンプレッサー、ハイパス・フィルター、ノイズ除去などの機能を利用できます。これも初めて使用させていただきましたが、非常に便利です。特に、ボーカル・レコーディングの際にエキサイターのAPHEX Aural Exciterと低域用エンハンサーのBig Bottomを使用すれば大抵のことは賄えるというほど、柔軟な音作りが可能だと感じました。

 NT1 5th Generationは、従来のNT1の良さをさらに推し進めた、価格を超えた素晴らしい製品だということが、USB接続でのレコーディングによってより理解できました。控えめに言って、ちょっと信じられないクオリティです。ボーカル・レコーディングだけではなく、いつか一度でいいので、本機をたくさん並べてドラムをレコーディングしてみたいなと私は思いました。絶対いいと思うのです。

 

神谷洵平
【Profile】ドラマー/作編曲家/プロデューサー。東川亜希子とのユニット=赤い靴での活動や劇伴、CM音楽の制作も行う。大橋トリオ、コトリンゴ、あいみょん、星野源らの作品やライブにも参加。

 

RØDE NT1 5th Generation

46,200円

RØDE NT1 5th Generation

SPECIFICATIONS
▪形式:コンデンサー ▪指向性:カーディオイド ▪出力端子:XLR(3ピン)、USB-C ▪ビット深度:24ビット/32ビット・フロート ▪サンプリング・レート:48/96/192kHz ▪周波数特性:20Hz〜20kHz ▪最大SPL:142dB ▪出力インピーダンス:100Ω ▪等価雑音レベル:4dBA ▪外形寸法:52(W)×189(H)×52(D)mm ▪重量:308g ▪カラー:シルバー、ブラック ▪付属品:ショック・マウント+ポップ・フィルター、XLRケーブル(6m)、USB-Cケーブル(3m)、収納ポーチ

REQUIREMENTS
▪Mac:macOS 10.15以降
▪Windows:Windows 10以降

製品情報

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