PRODUCER LOOPS WHAT I WANT レビュー：エレクトロ・ファンクやネオソウル向きの内容

レビュー＆テキスト：飛田興一

　PRODUCER LOOPSよりリリースされたサンプル・パック『WHAT I WANT』。フランスのプロデューサー／DJのブレイクボットや、アメリカの音楽ユニット、タキシードなどの音楽性をほうふつさせるような、エレクトロ・ファンクやネオソウルのアプローチに特化したパックになっている。

　主にACID、REXファイルで構成されており、デモ曲とステム・データ（ワンショット／ループ）のほか、MIDIやプラグインのプリセットも収録。ファンクネスなエレキベースとギター、80’s感のあるリズム・マシンやアナログ・シンセ、ロックなボーカル、飛び道具系のFXなど、100を超えるサンプルがあり、8または16小節のループが多く含まれている。これらをそのままDAWのトラックに並べ、簡単に切り張りしたり、抜き差しをするだけでも、展開のある曲を制作可能だ。

　“デモ曲のステム・データ”という構成になっているため、一曲を形成するすべての要素にアクセスしやすいのも魅力なのかもしれない。特にリズム・セクションの各パートは、それぞれの音を組み合わせることを前提とした素材になっているためまとまりが良く、音量バランスや定位を気にせず作曲に集中することができた。

　『WHAT I WANT』は、手軽に音楽制作を始めたい方や、ワンショットをサンプリング・パッドで演奏したい方にはもちろん、ギターのカッティング、ベースのスラップなどの生音も豊富なので、アカデミックなダンス・トラックを作りたい方にもお薦めできるサンプル・パックだ。