BLACK OCTOPUS LAVISH LOFI & HIP HOP レビュー:ローファイの基礎となる部分を完結させられる

BLACK OCTOPUS LAVISH LOFI & HIP HOP レビュー:ローファイの基礎となる部分を完結させられる内容

 『LAVISH LOFI & HIP HOP』は、ローファイ・ヒップホップの制作に適した音を多く含んだサンプル・パック。ドラムについては、ローファイ・ビートを聴かせるポイントの一つである“ビートの温かみ”に特化したループが多く、レトロな質感のものがほとんどだ。試しにビートを組んでみると、ローファイ・ヒップホップ独特の丸みを帯びた雰囲気をすぐに作ることができた。ドラム・ループはすべてのパートが含まれたフルバージョンに加え、キック+スネア、パーカッション、トップという形で分かれたデータも収録されており、オリジナリティのあるビートの再構築がしやすい。絶妙なヨレ感のあるオーガニックなビートから、硬めの金モノの響きを感じるビートまで、幅広いパターンが用意されているのも魅力だ。

 メロディは、形容するならば“ネオンが煌々と光る深夜の雰囲気”。ローファイ・ヒップホップの禅を体現するかのような、和なテイストを感じるものもちらほらと。収録されているダーティなFX、ボーカル・チョップなどと組み合わせれば、独特な質感をすぐに生み出せる。ディープな雰囲気と合うようなプラック・シンセも多く用意されており、楽曲のアクセントとして重宝しそうだ。メロディはMIDIでも収録されており、自分の好みの音色をリアレンジしながら鳴らすことができるのでありがたい。

 ローファイの基礎となる部分がここですべて完結できるような構成になっているので、ローファイ・ヒップホップの制作をこれから始める方に、ぜひお薦めしたい。

 

okkaaa

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【Profile】ミュージシャン/ライター/フォトグラファーなど、さまざまな顔を持つアーティスト。楽曲制作だけなく、ミュージック・ビデオの制作、楽曲のジャケットやwebサイトなどもすべてセルフ・プロデュースしている。 2019年2⽉には「シティーシティー」がSpotifyのバイラル・チャートにランクインし、2019年7⽉にはSpotifyの新人発掘プロジェクト“Early Noise”のカバーを飾る。Enter Tech Lab主催『CHACCA CHALLEGE』で最優秀賞を獲得。シングル「積乱雲」は2019年のベスト・ミュージックとして数多くのキュレーターからピックアップされ、グラミー賞にノミネートされたプロデューサー/DJのstarRoなど、日本のホットなプロデューサーからの支持を得ている。また、ミュージック・マガジン 2020年9月号 特集「日本音楽の新世代 2020」 の10組にも選出されている
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BLACK OCTOPUS
LAVISH LOFI & HIP HOP

4,554円

(為替レートによる価格の変動あり)

BLACK OCTOPUS LAVISH LOFI & HIP HOP

▪メディア:ダウンロード販売 ▪容量:約820MB ▪データ・フォーマット:WAV、MIDI

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