第4限 エレキギター録音~その2

[サウンド&レコーディング・マガジン 2011年5月号連動]
"ビギナーでも手に入れやすい安価なマイクだけを武器に、いかに質の高い録音を実現するか"......これをマイキング/レコーディングの実演を通して追求していく本誌連載。試行錯誤や新発見も含め、実作業のプロセスを見せていきます。 第4回は、前回実践したエレキギター・サウンドのオンマイク録音を振り返りつつ、ギター・アンプからマイクをより遠ざけて録音するセッティング"オフマイク"にトライ。"実際に空間で鳴り響いている"という臨場感をも封じ込めるこの方法では、一体どんな録り音が得られるのでしょうか!? さらに、少しひねったマイキングにも挑戦してみました。 それでは、本誌と合わせてそのリアリティのある音質をお楽しみください!

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  • マイク/SHURE SM57、RODE NT-1A
  • ミキサー/MACKIE. 1202-VLZPro(ヘッド・アンプをマイクプリとして使用)
  • DAW/AVID Pro Tools(レコーダーとして使用)
  • ギター/FENDER Stratocaster
  • ギター・アンプ/FENDER Princeton

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A:センター・キャップの縁を狙う位置に、ギター・ アンプからマイクを5~10cm離して設置(オンマイクの基本セッティング)

  • A-1:クリーン・トーンSM57
  • A-2:クリーン・トーンNT-1A
  • A-3:ディストーションSM57
  • A-4:ディストーションNT-1A

 

B:センター・キャップの縁を狙う位置に、ギター・アンプからマイクを1m前後離して設置(オフマイクの基本セッティング)

  • B-1:クリーン・トーンSM57
  • B-2:クリーン・トーンNT-1A
  • B-3:ディストーションSM57
  • B-4:ディストーションNT-1A

 

C:ギター・アンプのスピーカーとの距離=1.5m/地面からの高さ=1mの位置にマイクを設置(ギタリストの耳周辺にセットするマイキング)

  • C-1:クリーン・トーンSM57
  • C-2:クリーン・トーンNT-1A
  • C-3:ディストーションSM57
  • C-4:ディストーションNT-1A

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大島輝之

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独自のミニマル・サウンドで知られるバンド、simで活躍する一方、実に多くのユニットで多彩なアーティストとのセッションを繰り広げるコンポーザー/ギタリスト。4月6日(水)にリリースされるニュー・アルバム『The Sounds Für Klastar Pöint』は5年ぶりのソロ作となり、やくしまるえつこや大谷能生、吉田隆一など、豪華な顔ぶれをゲストに迎えている。楽曲の全体像を把握することなく録音された楽器サウンドを編集によって1つの作品にまとめ上げる、という手法が採られた本作。方法論の斬新さも去ることながら、セリエル音楽などをほうふつさせる数理的な音像には、実験性への探求心と強固な音楽的知識が垣間見える。
http://hello.ap.teacup.com/ohshima-sim/

 

Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガジン) 2011年 04月号 雑誌