

サウンドにクセのあるプラグインで、かなり気に入っています。プラグインの種類は“Delay”ですが、僕はいわゆるディレイとしての使い方ではなく、リバーブの代わりとして使っているんです。これを使うと、サウンドのキャラクターはダークな感じになり、押し付けがましく前に出て来ないですし、ひずみ成分が加わります。だから、良い意味でほかの音となじむんです。普通のデジタル・ディレイを使うと存在感が出てしまうんですけど、アナログの真空管の質感を備えたプラグインですから、ちょうど良いところに音が存在する。そういう意味で、リバーブとして活用するために使っています。
このプラグインはインサートに入れるだけで音が変わるんです。本当にアナログの真空管の質感が加わるイメージで、それだけでも意外と使えるのが好きなポイントなんです。僕がよく使うのは歌とギターで、要所要所でインサートしています。まだ試したことはないですが、ブラス・セクションにも合いそうですね。
Tube Delayは、何かのエミュレーションをしているわけではなく、オリジナリティを追求した振り切ったプラグインだと思います。
製品ページ→https://www.mi7.co.jp/products/softube/td/

デジタル・リバーブには幾つか名機がありますが、それらをまねているわけではなく、独自の設計で作られています。一番気に入っているポイントは、操作が簡単なところ。音の印象は明るい感じで、僕はLEXICON 480Lにも明るいイメージを持っているんですが、それとはちょっとキャラクターが違うんです。太くはないけど薄いわけでもなく、あまり深くかけなくても抜けが良い。タイムでは、デジタル・リバーブによくあるホールやルームといった設定を選ぶのですが、どこにもまねをしていないオリジナリティがあります。1980年代、90年代の“あの感じ”に、明るくツヤを出した印象です。だから、そういった年代のテイストにはとても合うと思いますよ。
僕はドラムの打ち込みものに使うことが多いですね。というのは、生ドラムに使うと、ハイハットなどのかぶりの音にリバーブがかってしまうことがあり、効果的ではありません。なので、しっかりサンプリングされた音源に合います。いろいろなアーティストの楽曲で、明るい感じにしたいときに使うことが多いです。あとはインターフェースがいいですね。架空の実機というか。機材を買うときに、見た目って大事ですから。
製品ページ→https://www.mi7.co.jp/products/softube/tsar1r/
Profile
牧野"Q"英司
Profile:マグネットやツー・ツー・ワンなどのスタジオで務めた後に、1993年からはフリーランスに転身。これまでにCocco、アンジェラ・アキ、BUMP OF CHICKEN、スピッツ、元ちとせ、MONGOL 800など、多数のアーティストの作品を手掛けている(Photo:Hiroki Obara)。
マスタリングに適した3製品のスペシャル・セールを実施
9月1日〜30日の期間限定で、“Mastering month”と題しSOFTUBEプラグイン3製品のスペシャル・セールを実施する。オリジナル・ハードウェアを入念にモデリングしたDrawmer 1973マルチバンド・コンプレッサーやAbbey Road Studiosイコライザー、そしてConsole 1のオプションSSL XL 9000 Kの3製品が最大30%オフのスペシャル・プライスで入手可能。詳細はmi7.co.jp/softube
