HP Z420 Workstation - 音楽制作にマッチするWindowsワークステーションをゆよゆっぺがチェック!

DAWを用いた音楽制作はスタイルの差こそあれど、多くの音源やソフトシンセ、プラグイン・エフェクトを使うほどにコンピューター自体のスペックに依存する。特にWindowsの場合はハイ・スペックなコンピューターを求めて自作したマシンを使うユーザーも多い。しかし、現在ではプロフェッショナル向けのハイ・スペックなマシン="ワークステーション"が数多く存在する。そこでここではHPのデスクトップ型ワークステーションであるZ420 Workstation Workstationを若手クリエーター=ゆよゆっぺにテストしてもらった。生粋のWindowsユーザーでもある彼に、制作時の動作感からWindowsを用いた制作のメリットまで、じっくりと語ってもらった。


パフォーマンスの良さに加えて動作も安定しているのでマシンを自作する時間を音楽制作に当てられる

DAWを用いた音楽制作はスタイルの差こそあれど、多くの音源やソフトシンセ、プラグイン・エフェクトを使うほどにコンピューター自体のスペックに依存する。特にWindowsの場合はハイ・スペックなコンピューターを求めて自作したマシンを使うユーザーも多い。しかし、現在ではプロフェッショナル向けのハイ・スペックなマシン=“ワークステーション”が数多く存在する。そこでここではインテル® Xeon® プロセッサーを搭載した日本ヒューレット・パッカード(以下HP)のデスクトップ型ワークステーションであるZ420 Workstation(以下Z420)を若手クリエーター=ゆよゆっぺにテストしてもらった。生粋のWindowsユーザーでもある彼に、制作時の動作感からWindowsを用いた制作のメリットまで、じっくりと語ってもらった。



音楽制作に必要なスペックを求めて
専用の自作マシンをセレクト


ゆよゆっぺがWindowsマシンを使い始めたのは「自宅にあった両親のお下がり」がきっかけだったと言う。MTRに付属していたバンドル・ソフトSTEINBERG Cubase LEを使って音楽を制作するようになった。

「最初は父親からWindowsのノート・パソコンをゆずってもらい、次第にDAWに興味を持ちました。当時はWindows/Macの区別も分かりませんでしたが、学校の授業で使っていたのもWindowsだったので、音楽制作をWindowsで行うようになったのは自然な流れでした」


音楽制作にのめり込むようになった彼はクアッドコア・タイプのデスクトップ・マシンを導入。その後はコンピューターへの知識を蓄えてマシンを自作するようになるが、その理由についてはこう語る。

「DAWのテクノロジー進化は本当に早いので、最新の音源を使うほどに、すぐにマシンが追いつかなくなってしまいます。僕が最初に購入したデスクトップ・マシンはメモリは最大2GBが限界だったので、普段から愛用しているNATIVE INSTRUMENTSの音源やシンセなどを使うことで、動作が不安定になったりしていました。それもあってよりハイスペックなマシンを求めて自作をするようになりました」


ちなみに彼が自作したマシンは、現在のメイン機を含めて3台目。彼曰く「僕の使い方が悪いのか、すぐに壊れてしまう」とのことだ。マシンを自作する最大の理由は「スペックの高いマシンを“手ごろ”な値段で導入するため」と言う。

重めのソフトを使用した動作チェックでも
キビキビとしたパフォーマンスを発揮


今回、彼がテスト用にセレクトしたモデルはHP Z420。インテル® Xeon® プロセッサーE5-2687W(3.10GHz、8コア、20MB、1,600MHz)を搭載したデスクトップ・タイプのワークステーションで、CPUの冷却には水冷式を採用したモデルだ。また、本機の上位機種Z820がYAMAHAの最新DAWコンソールNuageの推奨コンピューターに選定されるなど、HPのワークステーションは音楽制作の現場でも注目されつつある。ちなみにワークステーションとはWindowsコンピューターの中でもプロフェッショナル仕様のハイスペックなコンピューターのことで、HPのワークステーションは東京・昭島で組み立てを行っている。本機を選択した理由に関してゆよゆっぺは「現在使用している自作マシンに近いスペックで試したかったから」と答えるが、実際に使用してみての第一印象についてはこう語る。

「1年ほど前に組み立てた現在のマシンと比較しても、Z420の方が体感速度も速いので、これなら自作マシンよりも全然Z420の方が良いなと思いました」


ちなみに今回のテストではZ420にはDAWとしてSTEINBERG Cubase、さらに音源にはNATIVE INSTRUMENTS Kompleteなどをはじめとしたソフトウェアを使用したが「ソフトのインストール時間も短くて好印象でした」と語る。動作のチェックに関しては、先述のKompleteのReaktorやRazorなど、比較的マシンに負荷をかけやすいソフトシンセを中心に用いたが、まったく問題なく動作した。

「試しに複数のReaktorを同時に動作させて、ウォブル・ベースのようなサウンドを作って鳴らしてみました。Reaktorは重めのソフトなので自作のマシンで同じことをやると、だいたい動作が鈍くなりますが、Z420はかなりの数を同時に立ち上げて鳴らしてもキビキビと動きました。あと良かった点としては、ReaktorやRazorなどの音源を使用したプロジェクト・ファイルでもスピーディーに立ち上がったところです。ほんの数十秒なのですが、この時間が短縮されることで思い付いたアイディアをより早く試すことができるのはうれしいですね」


ソフトを用いた動作チェックに続き、ギター録りを行ってレイテンシー面の確認をしたが、その結果も良好だったと言う。

「オーディオ・インターフェースには普段使用しているRME Fireface UCを使いましたが、I/O側で設定できる最小のバッファー・サイズでもまったく問題ない印象で、ギターなどの録音もストレスなく行えました」

水冷式による低ノイズで制作環境を向上
音楽に集中できる充実の製品サポート


Z420は水冷方式を採用し冷却効率が大幅に向上している。そのためファンのノイズも大幅に低減され、静粛性が高くなってきているのも音楽制作にとって大きなポイントと言えるようだ。

「本当に静かでビックリしました。自分が今までノイズの多い環境で作業していたんだなと再認識したと言うか。ミキシング時にアナログ機材を通すことで乗ってしまうハムノイズをチェックする場合、従来だとかなり音量を大きくしないと分からなかったのですが、Z420だとそれほど音量を上げなくても判断できました。この点からも水冷式のワークステーションを導入すれば自宅の作業環境などはかなり改善すると思います」


また、HPのワークステーションでは使用するパーツに対して徹底的な動作チェックを行った後に最適化して製造されているため不具合なども起きにくい。彼自身、自作マシンによるトラブルにはこれまで悩まされた経験もあると言う。

「自作のマシンはパーツ同士の相性によってか、うまく動作しないソフトが出てきたりもしました。また、僕の場合はパーツの不具合でショートしてしまったこともありますね……。その点でもZ420は、どんなソフトでも問題なく動きました。この辺りからもマシンの完成度の高さを感じることができました」


さらには充実したサポート面もポイントで、購入後3年間の標準保証のほか、平日・休日を問わない修理の対応を受けられる。この点はもちろん自作マシンでは受けられない“既製品ならではの恩恵”とも言えるが、これらの点についてもゆよゆっぺは「サポートが優れていることで不具合やトラブルを防げれば、より音楽制作に集中できますね」と評価する。これまで音楽制作に関してWindows一筋のスタンスを取ってきた彼だが、Windowsで音楽を制作する魅力について最後にこう語った。

「WindowsはフリーのVSTプラグインがたくさん使えるのも大きな魅力です。音楽制作を始めて間もなくて、まだ多くのソフトを持っていないときは、フリーソフトを使うことで自分の出したい音を理解するきっかけにもなる......僕自身もGlitchみたいに、いまだに重宝しているソフトもあります。そういった意味でもWindowsで音楽制作を始めるというのは、敷居が低くて入りやすいと僕は思いますね」


なお、今回テストしたZ420のシステムは8コアのインテル® Xeon® プロセッサーを搭載したトップエンドの構成であるため参考価格も税込530,250円とやや高額である。コストとパフォーマンスを考慮するのであれば、コア数こそ4コアであるが3.60GHzと高クロックであるインテル® Xeon® プロセッサー E5-1620を搭載したモデル(税込299,250円)もオススメである。

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▲多くのプラグインを立ち上げて動作のチェックを行った。ここではWAVES系のプラグインでテストしたが、問題なく動作した


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▲ギター録りでレイテンシーをチェック。STEINBERG Cubaseのデバイス設定では入力レイテンシーは2.236msで出力が2.517msと、低い数値が表示された


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▲NATIVE INSTRUMENTS ReaktorをCubase上のトラックに複数を立ち上げて同時再生を行った。18トラックを同時に動作させたが問題なく再生した


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ゆよゆっぺ


Vocaloidとラウド・ロックを融合させた "VOCALOUD"を確立したボカロPであり、自身のバンドMy Eggplant Died Yesterdayではフロントマンを務める。それに加えてBABYMETALへの楽曲提供やアレンジ、DJ TEKINA//SOMETHING名義でのDJ活動など、多方面で活躍している

今回テストで使用した
HP Z420 Workstation


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  • OS/Windows 7 Professional (64ビット)

  • CPU/インテル® Xeon® プロセッサー E5-2687W (3.10GHz、8コア、20MB、1600MHz)

  • 冷却方式/水冷式

  • RAM/16GB DDR-3 SDRAM (1,600MHz、ECC、4GB×4)

  • グラフィックボード/NVIDIA Quadro 600 1GB (PCI Express、デュアル・ディスプレイ対応)

  • ハードディスク/2TBハードディスクドライブ(SATA、7,200rpm)

  • ドライブ/最大16倍速DVDスーパーマルチドライブ

  • 外形寸法/177.8(W)×445.2(H)×447.6(D)mm

  • 重量/約13.2kg(標準構成時)

  • ディスプレイ/ZR2440w(24インチ液晶モニター)






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