適当に打ち込んでもOKな時短テク ~クオンタイズを有効活用

適当に打ち込んでもOKな時短テク ~クオンタイズを有効活用

豊かな音楽表現を可能にするピアノロール。その活用術について、アーバンギャルドのキーボーディストで作編曲家の、おおくぼけい氏が解説します。ここではクオンタイズを活用した時短テクをレクチャーしていただきましょう。

生演奏のタイミング補正をする感覚で

 ピアノロールには“クオンタイズ”という機能があり、MIDIキーボードを演奏して打ち込んだノートのタイミングにバラつきがあるような場合、それらのノートをグリッドにぴったり合わせることができます。僕はこれを逆手に取り、“適当に打ち込んだノートを全選択してグリッドに沿わせる”といった時短技を考えつきました。

 普段の曲作りでは、ノートがグリッドへ吸い付くように入力されるモードを解除し、鉛筆ツールを置いた場所にノートを置けるフリー・タイムの設定を使うことがあります。まずは、その状態で適当に打ち込んでみます(♪4-1)

画面最上段にあるノートが、フリー・タイム設定で適当に打ち込んだもの。当然、このままではガチャガチャして聴こえます

画面最上段にあるノートが、フリー・タイム設定で適当に打ち込んだもの。当然、このままではガチャガチャして聴こえます

 

 次に入力済みのノートを全選択してクオンタイズ(♪4-2)。以上です。16分3連符系のシンバルを打ち込みたかったので、その設定にクオンタイズしました。

適当に入力したノートを全選択し、クオンタイズの設定を選択(画面左)。16分3連符系のフレーズにしたかったので、“1/16 - 3連符(1/24)”という設定を選び、クオンタイズしています

適当に入力したノートを全選択し、クオンタイズの設定を選択(画面左)。16分3連符系のフレーズにしたかったので、“1/16 - 3連符(1/24)”という設定を選び、クオンタイズしています

 

 グリッドを切り替えて一つ一つ打ち込むより楽、と言えばそれまでなのですが(笑)、生演奏のタイミング補正をした経験からきているクオンタイズの使い方だと思います。

 

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※MIDI素材は、トラックのスタンダードMIDIを書き出したものです

 

おおくぼけい

おおくぼけい
【Profile】アーバンギャルドのキーボーディストで、作編曲家としても活動。頭脳警察や戸川純、大槻ケンヂらの音楽にも携わり、映画や演劇のための作編曲も手掛ける。アーバンギャルドは、2023年1月25日にユニバーサルから『URBANGARDE CLASICK ~アーバンギャルド15周年オールタイムベスト~』をリリース。3月31日には、中野サンプラザホールにてライブ『15周年記念公演 アーバンギャルドのディストピア2023 SOTSUGYO SHIKI』を行う。

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