iZotopeのオーディオリペアソフト、RXの最新版となるRX 11がリリースされた。機械学習アルゴリズムを強化する最先端のニューラルネットワークを新たに導入。Dialogue Isolateのリアルタイム低レイテンシー処理、ミックスされた曲をステムに分離するMusic Rebalanceのクオリティ向上、Repair Assistantの高精度化、スピード向上を実現している。また、新しいラウドネス最適化ツールとストリーミングプレビューも追加されている。
RX 11は、基本機能を備えたプラグイン版のRX 11 Elements、アプリケーションとしても使用可能な高機能版RX 11 Standard、そして最上位のRX 11 Advancedという3つのグレードが用意されている。
De-Reverbを統合したDialogue Isolate(Standard/Advanced)
Dialogue Isolateには、ダイアログ(セリフなどの声)のDe-Reverb(残響抑制)と最先端の機械学習が追加され、ダイアログやボーカルのノイズ除去と残響成分のコントロールが1つのモジュールで簡単に行えるようになった。さらに、リアルタイム処理にも対応し、トラックにプラグインをインサートして使用できる。また、RX 11からStandardにも本機能が付属。RX 11 Advancedには新しい高音質モードとマルチバンド処理が加わっている。
同一ラウドネス値でも音量が上がるLoudness Optimize(Standard/Advanced)
新しいLoudness Opimizeモジュールは、ラウドネス計測範囲外となる小音量部分も加味して調整。同じラウドネス値でも、従来より大きな音量に仕上げることができる。
配信での音を再現するStreaming Preview(Standard/ Advanced)
新規搭載のStreaming Previewでは、ストリーミングサービスで再生した際の音の変化を再現して試聴可能に。配信時のサウンドを確認しながら作業が行える。
高精度化した分離技術Music Rebalance(Standard/Advanced)
ミックス済の楽曲をボーカル、ドラム、ベース、その他に分割し、音量調整したりそれぞれを書き出すことが行えるMusic Rebalanceが進化。最新のニューラルネットワークを駆使した機械学習によって、精度がさらに向上している。
デザインが一新したRepair Assistant(全グレード)
素材に合わせた処理の組み合わせを提案してくれるRepair Assistantも、デザインの一新と併せて次世代版に。ノイズ除去や音質補正がより柔軟かつ簡単に行えるようになった。
声のつなぎを自然に仕上げるDialogue Contour(Advanced)
声の個性と表現力を調整するDialogue Contourに、新たにフォルマントとバリエーション・コントロールが追加。テイクをつなぎ合わせるダイアログ編集を、よりシームレスに仕上げられる。
ステレオ成分を視覚化して編集するMid/Sideモード(Standard/Advanced)
RX 11のメイン画面表示がMid/Sideモードに対応。Mid/Sideでのステレオイメージを視覚上で確認しながら処理が行えるようになった。
そのほか、スペクトラルエディターのARA対応(現在のところLogic ProのRosettaに対応。今夏他環境へ対応予定)や、オーディオデバイスの変更時に再起動が不要になったなどのアップデートが図られている。
RX 11のグレードと価格
RX 11はMac/Windowsに対応。スタンドアローン(Elementsは除く)のほか、プラグインとしてAAX/AAX Audio Suite、AU、VST3に対応する。
- RX 11 Elements:通常価格16,900円 → 期間限定8,400円(6月13日(木)まで)
- RX 11 Standard:通常価格67,800円 → 期間限定50,800円(6月13日(木)まで)
旧バージョンからのアップグレード、他のiZotope製品からのクロスグレードもあり - RX 11 Advanced:通常価格200,600円 → 期間限定130,300円(6月13日(木)まで)
旧バージョンからのアップグレード、他のiZotope製品からのクロスグレードもあり