「SINGULAR SOUND Aeros Loop Studio」製品レビュー:最大6tr×6パートを録音できるタッチ・パネル搭載ペダル型ルーパー

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 最大6trの録音/再生が可能なパートを6つ備える、4イン/4アウトのペダル型ルーパー、Aeros Loop Studioが登場しました。4.3インチのタッチ・スクリーンにカラフルなマーカーや波形を表示することで視認性を高め、操作性抜群のフット・スイッチとボリューム・ホイールを装備。その使い心地を試していきましょう。

 

6×6パートと2tr×2パートが選べる
内蔵メモリーで最長3時間録音可能

 

 まずコンパクトな本体を手に取ると、とても軽いことに驚きました。入出力はメインL/R(TRSフォーン)とAUX(ステレオ・フォーン)を1系統ずつ搭載。さらにエクスプレッション・ペダル入力を備え、MIDI IN、OUTも用意されています。

 

 Aeros Loops Studioの基本的な仕様について説明します。一番大きなデータの単位がソングです。ソングの中にソング・パートと呼ばれるパターンを複数構成でき、ソング・パート内のトラックにループを録音します。各トラックは無制限でオーバー・ダビングが可能。ループを録音したソング・パートは、好きな順番で再生できます。またミキサーを内蔵しており、ミュートの有無や音量バランスなどをタッチ・パネルおよびホイールでコントロール可能です

 

 ソング・パートとトラックの数は、2×2モードか6×6モードから選択可能。2×2モードでは2つのソング・パートにそれぞれ2tr、6×6モードでは6つのソング・パートに6trずつトラックが用意されています。6×6モードではトラックをぜいたくに使えるので、気負わず録音して後で使うトラックを選別するといった使い方もできますね。2×2モードは各トラックにフット・スイッチが割り当てられているので、ソング・パートおよびトラックの選択を必要とする6×6モードより操作の手順が少ないのが長所。アコギ一本でサクサクと演奏を重ねる場合などは、2×2モードの方が使いやすそうです。

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6×6モードのミキサー画面。各トラックは音量とミュート、マスターは音量の調節が可能となっている

 ループは内蔵メモリーに保存されます。最長録音時間はモノラルだと3時間で、ステレオだと1.5時間。別売りのSDカード(対応予定)を使えば、最長で48時間録音できます。作成したループ・トラックはSDカードかUSB経由でコンピューターへ移せるので、作曲のメモとしても役立ちそうですね。

 

 ルーパーを使ったライブ・パフォーマンスは、最初のトラックのリズムがズレると致命的なので最も緊張する瞬間ですよね。操作しているうちに、ループのどの地点が再生されているのか分からなくなってしまうアクシデントもよくあります。Aeros Loops Studioは録音前のカウント数を自分で決められる上に、録音および再生時に文字で分かりやすく表示されるので、ベーシックなトラックを録音し始めるときに安心です。 

 

 また、録音中の小節数は数字でカウントされ、プレイバック中のトラックは円状のクロックが表示されるので、ループ全体の長さと現在の再生位置が一目りょう然。左上のPLAY ALL/STOP ALLスイッチはホールドすることで全トラック削除できるので、ライブ中に万が一の事態が起きた場合でも瞬時にリセットして対応できます。

 

作曲とライブを同時にやるような使用感
本体フット・スイッチの機能も画面に表示

 

 使ってみて思ったのは、作曲とライブ・パフォーマンスを同時進行しているような感覚を味わえるマシンだということ。手前の3つのフット・スイッチの役割は画面に文字で表示されるので、シンセの音作りをしながら落ち着いて操作できました。

 

 ここからは、シンセを使ったセッティング例を紹介。まずはフレーズ用にメイン入力へシンセを2台モノラルで接続し、AUX入力にパッドやコード向けのシンセをつなぎます。メイン入力の片方には、マイクプリを通したマイクをつないで歌を入れてもいいでしょう。AUX出力にはクリックを送って、ヘッドフォンをつなぎます。ここにはプレイバック音は送らずに、録音中の音のみをルーティングしておけば、ボーカル・コーラスを重ねるのも安心です。

 

 新しいソング・パートへ切り替えるたびに無音からのスタートとなると、ライブではあまり実用的ではありません。せめてドラムだけはそのままループしていてほしいですよね。そこで、リズム・マシンとAreos Loops StudioのテンポをMIDIでシンクさせて、リズム・マシンの再生ボタンを押したタイミングで録音が始まるようにセッティングしてみました。ドラムはキックをミュートしたり、ハイハットのディケイを変化させたりしたいので、リズム・マシンの出力はミキサーへ送ります。曲の終わりでリズム・マシンを先にミュートしたいときにうっかり停止ボタンを押してしまうとAeros Loops Studioも停止するので、リズム・マシンはミュートで終わらせるといった工夫が必要です。

 

 ち密な構成の曲をライブで披露したい場合、あらかじめ録音しておくのも手です。展開の軸となるフレーズだけ先に作っておけば、パートが移動した際に音がさみしくなりません。そのフレーズを最初にリアルタイムで録音してみせれば、ライブ感を損ねる心配もなくなります。

 

 まるで小さなDAWのようなルーパーで、あらゆるソロ・ミュージシャンに触ってみてほしく思いました。Aeros Loop Studioで自分だけのパフォーマンスを楽しんでください。

 

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本体背面。両脇にMIDI IN、OUTを備え、中央にエクスプレッション・ペダル用の入力端子と、メイン入出力L/R(すべてTRSフォーン)を搭載する

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左サイド。USBポート、AUX入出力(それぞれステレオ・フォーン)、SDカード(microSD)スロットが並ぶ


問合せ:フックアップ

製品ページ: https://hookup.co.jp/products/singular-sound/aeros-loop-studio

 

SINGULAR SOUND Aeros Loop Studio

オープン・プライス

(市場予想価格:65,000円前後)

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SPECIFICATIONS トラック数:36tr(6×6モード)、4tr(2×2モード)

ソング・パート数:6(6×6モード)、2(2×2モード) 最長録音時間:48時間(SDカード使用時)、3時間(内部メモリー使用時@モノラル) レコーディング・ビット深度:24ビット 内部処理:32ビット・フロート 外形寸法:198(W)×56(H)×142(D)mm 重量:936g