東京神田のレコーディング機器専門店Recording Proshop Miyaji(以下、RPM)が、この4月に移転オープンした。場所は旧店舗から徒歩2分にある神田 宮地ビルの5F。新しく生まれ変わったRPMの魅力について紹介していこう。
あらゆるレコーディング機材がワンフロアで体験可能
RPMの旧店舗は、1階と2階、別館(ドラム・スタジオ)の3つに分かれていたが、新店舗ではすべてワンフロアに集約。各セクションをスムーズに行き来できる。開放的でゆったりとしたスペースに厳選された機材が理路整然と並び、売り場を感じさせないショールームのような雰囲気が印象的だ。
レコーディングスタジオを想定したメインのエリアには、GENELEC製品で構成された7.1.4chのモニタースピーカーが設置。Dolby Atmos環境による空間オーディオが体験できるので、興味があるクリエイターはぜひ体験してほしい。
RPMの主軸製品はマイクとアウトボード。特にアウトボードはプラグインをきっかけにハードウェアに興味を持つ顧客が増えているという。マイクが展示されているショーケースには、スタッフが徹底的にチェックして選定したモデルに加え、めったに実物を見ることがないハイエンドが並ぶ。
ボーカルブースでは、好きなマイクとプリアンプを組み合わせた試聴はもちろん、レコーディングしたデータを持ち帰り、購入の検討にすることもできるという。
メインエリアの下のラックには、複数のマイクプリとAD/DAコンバーターが収められており、パッチベイによって簡単に接続の切り替えが可能。機材固有の音質の違いが瞬時に聴き比べられる。
店内で一聴しただけでは、なかなか購入を踏み切れない場合もあるだろう。そのような場合は、購入を前提とした一時貸し出しも行っているので、詳しくはスタッフに相談してほしい(来店者のみ)。
また、モニタースピーカーはアコースティックエンジニアリングが手掛けたデモスタジオにてじっくり試聴することができる。
あらためてスタッフの澤田玲氏にRPMのコンセプトについて伺ってみた。
体験と経験値を提供する専門店にしたい
新店舗では、これまでどおりの充実したコーディング機器をさらに拡張しながらDolby Atmos対応のモニター環境まで体感できるように展示しています。
今はWebで多くの情報を得ることができますが、自分にとって本当に必要な情報は意外と見つけづらかったり、誰かが良いと言っている製品が自分に合うわけではなかったりします。そのようなWeb情報の答え合わせをするためにも、ぜひ当店にお越しください。
お客様には体感して納得した買い物をしてほしいという想いが常にあります。展示品をお試しいただけるのはもちろんですが、例えばギタリストがアンプを鳴らしながら実際の制作環境に近い状態で機材のチェックができるように、ギターやキーボード、アンプなどの楽器も設置しています。
カタログ的に幅広い製品を取り扱うWebショップとは対照的に、実店舗ではスタッフが自信を持ってオススメできる機材を厳選し、リアルな情報も交えつつ体感しながら買い物をお楽しみいただけます。遠方で来店が難しい場合はお電話でもかまいませんのでまずはスタッフにご相談を! 実店舗が存在する意味を再確認していただけると思います。
今後は、寺子屋みたいな実験教室をやりたいですね。メインのエリアにはDolby Atmos環境を設置しましたが、スピーカーやアウトボードなどは簡単に移動できるようにしてあり、いつでもここにスペースを作ることができます。例えばここに、ドラムセットを置いて、いろんなマイクをスネアに立ててみるというような実験を毎月企画するのもいいかなと思っています。
今の音楽制作は、すべて一人で完結できてしまうので、昔のようにバンド組んで他人との関わりの中で制作するという環境が少なくなっているように感じます。人と人、人と物、人と店をつなぎ、体験と経験値を提供できるお店にしていきたいですね。
RPMスタッフ 澤田玲氏 談
RECORDING PROSHOP MIYAJI(RPM)
住所 :〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-7 神田 宮地ビル5F
電話番号:03-3255-3332
営業時間:11:30〜19:30 12:00~18:00(感染対策期間中)
定休日:正月、日曜日(感染症対策期間中)