国内プロによる PRESONUS Studio One 3 最速勉強会

既報の通り、最新バージョン3が5月21日にリリースされたPRESONUSのDAWソフト、Studio One。ユーザー・グループが主体となってこの最新バージョンに触れる会が行われた。

Studio One Meeting

ユーザーのStudio Oneに関する情報交換を目的としたFacebookグループ“Studio Oneをもっとよく知ろう...の会”(注:プロフェッショナル・ユーザー限定のグループのため初出時のリンクを外しました)が、オンライン以外での初の“総会”として企画したもの。司会・進行を作曲家の田辺恵二氏が務めるとともに、ニコニコ生放送でもネット中継。プロを中心に、既に普段の仕事でStudio Oneを使用しているクリエイターや、本格移行を検討している人が多く集まった。

田辺恵二氏 田辺恵二氏

前半では、Studio One Professionalユーザーが提供したソング・ファイルを試聴。ナカシマヤスヒロ、松熊ケンタ氏(SCRAMBLES)、中土智博の三氏は、前バージョンで作成した楽曲をStudio One Professional 3で展開して持ち込んだが、共通して“音が良くなった”とコメント。ナカシマ氏は「試した範囲では、Studio One 2のファイルを3で読み込んでも、これといった不具合はありませんでした。もともとStudio Oneは音の良いDAWソフトと言われていましたが、さらに音質が向上した印象があります」と語った。松隈氏は「低域の解像度が上がった分、これまで気にならなかった部分が気になるようになったかもしれません」とコメント。中土氏は「自宅でも音質の向上は感じたのですが、一人で聴いていたので“プラシーボかもしれないかな?”(笑)と思っていた」と語り、多くのユーザーがStudio One 3の最大の改善点として、あまたある機能よりも音質向上を挙げていたのが印象的だった。。

一方、田辺氏は、新たにStudio One 3に付属したアナログ・モデリング・シンセのMai Tai、サンプラーのPrecense XTといったソフト音源を使い、エレクトロ・テイストの短い楽曲を作成。Mai Taiのフィルター・キャラクターが豊富でさまざまなサウンドが得られることや、Maitai/Presence XTともに扱いやすいモジュレーション・マトリックスを16系統備えている点を高く評価していた。

ソフト・シンセ、Mai TaiのCHARACTER部。アナログ・モデリングにとどまらず、最新のEDMやエレクトロで多用されるような、キャッチーなサウンドも生み出せる ソフト・シンセ、Mai TaiのCHARACTER部。アナログ・モデリングにとどまらず、最新のEDMやエレクトロで多用されるような、キャッチーなサウンドも生み出せる

後半は田辺氏による新機能紹介が中心。発売当日とはいえ、既にテストを始めたユーザーも多く、さまざまな機能についての質疑も積極的に飛び交っていた。先述のソフト音源に加え、特に田辺氏が解説に時間を割いていたのが“スクラッチパッド”。これはソングの時間軸とは独立して、オーディオやMIDIのレコーディング/編集などが行えるエリアで、アレンジやリミックスの案を練る、楽曲の一部にリバース処理をして戻す、など、さまざまな実験場として使用できるものだ。また曲の構成を直感的に組み立てることができる“アレンジトラック”と組み合わせ、曲のパート単位での試行錯誤もやりやすくなった。

画面の右エリアがスクラッチパッド 画面の右エリアがスクラッチパッド

【5/28更新】新機能紹介部分の動画を追加しました。