MACKIE. CR2-X Bar Pro レビュー:3種類の音声入力を瞬時に切り替えられるデスクトップ・サウンド・バー

MACKIE. CR2-X Bar Pro レビュー:3種類の音声入力を瞬時に切り替えられるデスクトップ・サウンド・バー

 MACKIE.の新しいスピーカーCR2-X Bar Proが自宅にやってきました。早速見ていきましょう。

“映え”を演出できるRGBライトを搭載

 箱を開けると、入っていたのはスピーカー本体と電源、そしてケーブルと説明書のみ。あまりのシンプルさに拍子抜けしたのですが、そりゃそうか、スピーカーですもんね。いわゆるデスクトップ・パソコン向けのサウンド・バーで、24インチのディスプレイの下にちょうど収まるコンパクトなサイズです。手狭な作業スペースでの使用を想定したデザインのようですが、作業机だけでなく、テレビの下など、リビングのどこかに置きたくなるようなクールな見た目をしています。

 早速、自分の作業机に置いて電源を入れてみると、スピーカーの4隅が緑色に点灯しました。かっこいい……。RGBライトが搭載されていて、好みの色に光らせて“映え”を演出することができるんですって。なんて今っぽい機能なんでしょう。SNSにスピーカーの写真を投稿したいという衝動に駆られながら本体を眺め回していると、あることに気が付きました。それは、ボタンが圧倒的に少ないことです。上部にあるライトの色を変更するボタン、側面の入力端子切り替えボタン、EQモード切り替えボタンの3つだけ。説明書も必要ないほどシンプルです。

側面には入力ソースの切り替えボタンとEQモードの変更ボタン(Music/Game/Voice)を備える。ライトの色を変更するボタンは本体上部に搭載

側面には入力ソースの切り替えボタンとEQモードの変更ボタン(Music/Game/Voice)を備える。ライトの色を変更するボタンは本体上部に搭載

ボリュームは上部のタッチ・バーで調整可能

 上部のタッチ・バーは、指を置いてスライドするだけでボリュームをコントロールできるので、オーディオ・インターフェースに接続したヘッドフォンで音を再生しながらボーカルの録音をしたいときには、ワンタッチでスピーカーをミュートしてしまえばOK。モニター・コントローラーのような使い方ができるので、作業しながら何か新しいアイディアが思い浮かんだとき、瞬時に対応することができます。

本体上部にはボリュームをコントロールするタッチ・バーとライトの色を変更するボタンを搭載。ボリュームのレベルは本体前面上部のライトで確認することができる

本体上部にはボリュームをコントロールするタッチ・バーとライトの色を変更するボタンを搭載。ボリュームのレベルは本体前面上部のライトで確認することができる

 入力は、デジタル音声入力(USB-C)、アナログAUX入力(ステレオ・ミニ)、Bluetooth入力の3種類を切り替え可能。音楽制作、音楽鑑賞はもちろん、映画やゲームまで、さまざまな用途で手軽に楽しむことができます。コライト作業でスピーカーからDAWの音を出して作業しているときに、ソファでくつろいでいる友達に対して“なんか良いリファレンスになりそうなトラック流してよ”と頼めば、ピッとBluetooth入力に切り替えるだけで、同じスピーカーからスマホの音を聴くことができるということですね。そんな使い方を想像して、勝手にニヤニヤしてしまいました。

背面の端子類。左から電源アダプター用の端子、別売りのサブウーファーCR6S-Xを接続する端子(ステレオ・ミニ)、アナログAUX入力端子(ステレオ・ミニ)、コンピューター接続用のUSB-C端子が並ぶ。本体前面にはヘッドフォン出力(ステレオ・ミニ)も備える

背面の端子類。左から電源アダプター用の端子、別売りのサブウーファーCR6S-Xを接続する端子(ステレオ・ミニ)、アナログAUX入力端子(ステレオ・ミニ)、コンピューター接続用のUSB-C端子が並ぶ。本体前面にはヘッドフォン出力(ステレオ・ミニ)も備える

音楽鑑賞におけるニーズを満たした力強い低域

 続いては肝心の音について。CR2-X Bar Proは、3つのEQモード(Music/Game/Voice)を切り替えることができ、デフォルトではMusicモードになっています。コンパクトなボディにもかかわらず低域の力強さを備え、広がりや奥行きも感じることができるクリアなサウンドという印象です。公式サイトでは“明瞭度の高いサウンドを再生するBMR(Balanced Mode Radiators)ドライバーを採用し、従来のスピーカー・ユニットの無駄なコーンの鳴りや共振を排除しています”と説明されていて、なるほどと思いました。原音に忠実な音を目指しているので、音楽制作に対応できる点が良いですね。一方Gameモードは、デフォルトのMusicモードに比べてドンシャリ感のあるサウンド。気分を上げたいときに使いたくなります。加えて、声にフォーカスして聴けるVoiceモードも用意されていました。

 制作時、トラックの聴こえ方が再生するデバイスによって変わってしまい、“どれを信じたら良いのか分からない”という悩みは多いですよね。CR2-X Bar Proは、上述したように音楽鑑賞におけるニーズを満たした低域の力強さがあるので、このスピーカーで再生してノリノリになれる音ならば、それはすなわち、その音作りを信用してよいということだと思います。シンプルに一つのデバイスで試行錯誤する方が音作りの方向性がブレずに済むので、制作段階ではこのスピーカーだけ使うというのも全然アリです。

 コンパクトなボディ一つで十分な機能とサウンドのクオリティを兼ね備えているので、いろいろな場所に持ち運んで使用できると思います。どんな場所でも簡易的なスタジオ・モニター環境が作れるということです。全世界的にDAW人口が増えている中、パソコン1台で制作を完結する人も多いはず。世界中を飛び回るプロデューサーだって、スーツケースに余裕で入るこのスピーカーを旅先に連れて行きたがるでしょう。好きなときに好きな場所で好きな人と音楽を作る。そういう時代ですよね。価格もお手頃ですし、1台持っておくとよいのではないでしょうか。

 

MONJOE
【Profile】トラック・メイカー/プロデューサー、杉本亘のソロ・プロジェクト。向井太一やFIVE NEWOLD、AAAMYYYなどのアーティストへの楽曲提供やアレンジを手掛けるほか、コラボレーションも行う。

 

MACKIE. CR2-X Bar Pro

オープン・プライス

(市場予想価格:29,260円前後)

MACKIE. CR2-X Bar Pro

SPECIFICATIONS
▪指向角:180°(水平)×180°(垂直) ▪周波数特性:58Hz〜20kHz ▪最大SPL:103dB ▪ダイナミック・レンジ:≧90dB ▪外形寸法:492(W)×124(H)×122(D)mm ▪重量:2.3kg

製品情報

関連記事