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EASTWEST Forbidden Planet レビュー:生楽器と電子音が融合した600種以上の音色を収録するソフト・シンセ

EASTWEST Forbidden Planet レビュー:生楽器と電子音が融合した600種以上の音色を収録するソフト・シンセ

 ハリウッド・サウンドなオーケストラ音源で知られるEASTWESTから、初のソフト・シンセForbidden Planetがリリースされました。Mac/Windowsに対応し、単体ライセンスでの販売のほか、同社のサブスクリプション・サービスComposerCloud Plusでも使用可能です。

同時再生可能な2基のアルペジエイターを搭載

 近年の劇伴、特にスケールの大きな音楽が必要とされる作品の音楽では、生楽器とシンセを融合させたサウンドが主流。このForbidden Planetには、生楽器とシンセの親和性を結集した“使いやすい”ライブラリーが収録されています。アルペジエイター、ベース、ドローン、FX、リード、パッド、ポリシンセを含むモーフィング・シンセが盛りだくさんで、カテゴリー全体で600種を超えます。

 メイン画面中央の青い星はXYパッドになっています。Y軸がフィルター、X軸がX-Fade(クロスフェーダー)で、衛星のような赤い星を動かすとサウンドをモーフィングできます。宇宙をイメージしたインターフェースもいいですね。画面中央の下部にあるタブを切り替えると中央の画面が変化。Filterビューでは、ステップLFOとモジュレーション・エンベロープを操作することで音色に微細な変化を与えることができ、白玉を弾くだけでも雰囲気を出せました。

画面中央はタブで切り替え可能。Filterビューでは、ステップLFO、モジュレーション・エンベロープが設定できる

画面中央はタブで切り替え可能。Filterビューでは、ステップLFO、モジュレーション・エンベロープが設定できる

 Midiビューでは2パターンのアルペジオを同時再生でき、不可思議なパターンが感覚的に作れます。X-Fadeやアルペジエイターによるサウンド変化を取り入れることで、劇伴のアクセントにも、EDMや歌モノのマンネリ脱却にも使えそうです。

Midiビューでは、16ステップのアルペジエイターを2基搭載。これらは同時に再生することができる

Midiビューでは、16ステップのアルペジエイターを2基搭載。これらは同時に再生することができる

 また、画面左右のパネルでも音色の変化を付けることができます。左側のPARAMETERSはCCで操作でき、音色の変化を思いのままにコントロール可能。Glide Timeを長くすると宇宙っぽいサウンドも出せます。WAVEFORMでどんな音の出方か波形で見られるのもいいですね! 画面右のパネルではエフェクター類を操作できます。RINGMODULATORはスペース・サウンドが作りやすいエフェクターなので、いろいろな手法を試してはいかがでしょうか。

生楽器と親和性がありオール・ジャンルに対応

 ここからは個人的に気になった音色を紹介していきます。

【Satelite】アルペジエイターですが、単音だとサイン波のリードとしても使えます。高音に行くと少しデチューンされるような辺りもキャラクターがあっていいですね。

【Descender】アルペジエイターとしても、X-Fadeの操作でパッドとしても使えます。フェーダーの位置を調整すると、アルペジエイターとパッドを混ぜたサウンドも出せます。

【Galaxian02】X-Fadeの操作でオクターブがスムーズに切り替わるのが面白く、緊張感があるシーンで使えそうです。

【Tesla Foil】X-Fadeの操作でオーバードライブのようなひずみを付加。EDM系のエッセンスとして使いたいです。

【Chordal Mood Drone06】重厚感がある低音が良いですね。X-Fadeを上げるとコード・パッドとして暗から明へ変わる印象で、シーンの切り替わりに使えそうです。Dronesカテゴリーは雰囲気系の劇伴、ダークなトーンの映像にかなり合いそうな音色がそろっています。

【Stranger Danger】今、YMOの楽曲で聴けそうなシンセ・サウンドを演奏するなら、この音色で現代的なアプローチを加えると面白そうだと思いました。X-Fade楽しいです。

【Firepower 07】ストリングスの刻みに重ねて重厚で広がりのあるサウンドを作れそうですね。リフを鳴らすにもちょうど良さそうです。

【Irachnopad】X-Fadeの操作で冷たい空気感のある音色になるのが面白いです。Future Analogueのカテゴリーの音色はユニークな音色が多いですね。

【I Am The One】コーラス系のパッドですが、シンセ・パッドのひずみ感もあり、劇伴でも重宝しそうです。

【Juicy Beans】X-Fadeにオートメーションを描いてゲートをかけたようにするなど、遊びがいがありそうな音色です。

 ざっと音色を紹介しましたが、ほんの一部なので気になった方はぜひ導入してみてください。生楽器との親和性を考慮した音色の数々は、劇伴音楽はもちろんバンド・サウンドやダンス・ミュージックなどオール・ジャンルに使えそうなポテンシャルを感じます。プリセットで使える音色が欲しい方にかなりお薦めです(劇伴でたくさん曲を作るときはプリセットでサクサク音色を選ばないと間に合わないので……)。僕は即戦力プリセットの信奉者なので、早速次の作品で使うと思います。

 

カワイヒデヒロ
【Profile】大学卒業後より作編曲家/ベーシストとしてキャリアをスタートし、fox capture planのベーシストとしても活動。『コンフィデンスマンJP』など多くのテレビ番組や映画の楽曲を担当している。

 

EASTWEST Forbidden Planet

単体:44,446円、ComposerCloud Plus(サブスクリプション/1年間):28,523円(価格は為替レートによって変動)

EASTWEST Forbidden Planet

REQUIREMENTS
▪Mac:OS X 10.13以降、AAX/AU/VSTに準拠
▪Windows:Windows 10、AAX/VSTに準拠
▪共通:4コア以上のCPU(8コア推奨)、2.7GHz以上で動作、16GB以上のRAM(32GB以上推奨)、スタンドアローンで動作

製品情報

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