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ライブ・スペース訪問 第277回 渋谷クラブクアトロ

 渋谷クラブクアトロは1988年のオープン以降、大物アーティストから若手バンド、DJ、アイドルに至るまで出演し、現在も音楽シーンを盛り上げ続けている老舗のライブ・ハウスだ。今回、メイン卓とモニター卓にSOUNDCRAFT VIシリーズを導入したということで、新しくなった音響面に迫ってみよう。

 渋谷センター街にある渋谷クラブクアトロは若手アーティストの登竜門であり、また“渋谷系”という言葉を広めたことでも知られるなど、日本の音楽界に多くの影響を与えてきた。今回新しくなったコンソールについてエンジニアリングを担当するKOXラジオの大山正明氏と関宗太郎氏に話を聞いた。

 「全国で4カ所あるクラブクアトロの機材はもともとバラバラでしたが、同じクラブクアトロとして機材をそろえたいという理由から徐々に入れ替えを始めまして、梅田クラブクアトロにSOUNDCRAFT VI6とVI4を導入し、それに合わせて名古屋クラブクアトロにはVI7000とVI5000を入れました。その流れに伴って今年8月に渋谷もメイン卓とモニター卓をVI7000とVI5000にリプレイスしています。広島はまだですが、東名阪の3店舗でSOUNDCRAFTの卓を使えるので、乗り込みのエンジニアの方がツアーを回る中で操作を覚えられるのが良いですよね」と導入経緯を大山氏が語ってくれた。音の印象と操作性についてこう続ける。

 「前のアナログ卓からデジタル卓に変わって音のスピード感が上がりました。立ち上がりは良いし、クリアなサウンドが狙えますね。VIシリーズはコントロールが少ないデジタル卓と比べてアナログの操作感覚に近く、両手を使って違うチャンネルをいじれるのがうれしいです」

 同じく卓の印象について関氏は「フェーダー数が多いので、ページを切り替えていったときに“あれ、どれだっけ”と分からなくなることが防げます。APPLE iPadの専用アプリでリモート・コントロールもできるので、ステージと卓を行き来せずに素早く操作できて楽ですね」と話してくれた。

 渋谷クラブクアトロは訪れる人たちに満足してもらえるようにと、機材面にもこだわって、年月を重ね進化してきた。また一つ新しくなったクラブクアトロの音を確かめに、ぜひ足を運んでもらいたい。

EQUIPMENT LIST

■MAIN CONSOLE:SOUNDCRAFT VI7000
■MAIN SPEAKER:L-ACOUSTIC ARCS、SB218
■MONITOR CONSOLE:SOUNDCRAFT VI5000
■MONITOR SPEAKER:DYNACORD Madras M 212、etc.
■MICROPHONE:AKG C480、SHURE Beta 58A、Beta 57A、SM57、SM58、etc.

渋谷クラブクアトロ

〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町 32-13-4・5F

Tel:03-3477-8750
Web:http://www.club-quattro.com/shibuya/

サウンド&レコーディング・マガジン2017年1月号より転載