ライブ・スペース訪問 第271回 両国SUNRIZE

 2009年にオープンし、スタンディングで250人を収容するライブ・ハウス、両国SUNRIZE。去る3月にメイン・スピーカーを、日本では初導入となるJBL PROFESSIONAL SRX835PとSRX828SPにリプレイスしたという。早速その真価について聞いていこう。

 SUNRIZEは両国駅から徒歩圏内に位置し、渋谷や下北沢といったエリアに比べ、ライブ・ハウスが少ない都内の東エリアの音楽シーンを盛り上げるべく、営業を行っている。店長の池田浩之氏にサービスの心得を聞いた。

 「お客さんの意見に耳を傾け、マイナー・チェンジを繰り返すことを心掛けているんです。例えば、バンドの転換時にお客さんが退屈しないよう、サブステージを用意してアコースティック演奏をできるようにしています」

 店のオープン初期から音響担当をしている岩田豊氏は、現況のサウンド・システムについてこう語る。

 「機材の更新を続け、今年の3月にJBL PROFESSIONAL SRX835PとSRX828SPをメイン・スピーカーとして導入したことで、良い音をPAできるという確信を得ました。メイン卓は音の立ち上がりが速いYAMAHA M7CLを使用していますが、以前のスピーカーでは経年劣化もあり、出音がひずみやすくなっていたんです。そろそろ潮時かというところで、JBL PROFESSIONALから話題の新製品SRX800 Seriesが出ることを知り、まず発売前に試用してみました。実際に音を出すとフラットな音質でM7CLとの相性が良く、周波数特性の良さから、今まで表現しづらかった40〜50Hzなどの帯域がしっかり聴こえるようになったんです。それからAMCRON製のパワー・アンプを内蔵しているので出力の量感が素晴らしく、まるで地響きのような低音を感じられますね」

 スピーカーをリプレイスしたことによる周囲の反応について岩田氏は「最初にこのシステムでライブをしたのは、定期出演してくださるアイドル・グループでした。いつもの曲を流した際の出音の違いにイベンターの方はとても驚かれていましたね。前スピーカー・システムの半分の導入コストで、お客さんや運営サイドを満足させてくれるテクノロジーの進歩には目を見張るばかりです」と話す。

 ライブ・ハウスとしてより良い環境を作ることに力を注ぐSUNRIZE。全国でいち早く導入したスピーカー・システムのサウンドを、ぜひ体感してみてほしい。

▲JBL PROFESSIONAL SRX835P。日本での導入は初となる事例だ ▲JBL PROFESSIONAL SRX835P。日本での導入は初となる事例だ
▲サブウーファーのJBL PROFESSIONAL SRX828SP。SRX835Pを積み上げている ▲サブウーファーのJBL PROFESSIONAL SRX828SP。SRX835Pを積み上げている
▲メイン卓のYAMAHA M7CL。音響担当の岩田豊氏いわく、「“SENDS ON FADER”という機能がすごく便利ですね。モニター・ミックスを作る際に、つまみではなくフェーダーでセンド・レベルを決められるので微妙な調整がしやすいんです」とのこと ▲メイン卓のYAMAHA M7CL。音響担当の岩田豊氏いわく、「“SENDS ON FADER”という機能がすごく便利ですね。モニター・ミックスを作る際に、つまみではなくフェーダーでセンド・レベルを決められるので微妙な調整がしやすいんです」とのこと
▲バー・カウンター。世界各国のビールが豊富に用意されている ▲バー・カウンター。世界各国のビールが豊富に用意されている
▲音響担当の岩田豊氏(左)と店長の池田浩之氏(右)。ハンガーにかかっているTシャツはSUNRIZEのオリジナルのものだ ▲音響担当の岩田豊氏(左)と店長の池田浩之氏(右)。ハンガーにかかっているTシャツはSUNRIZEのオリジナルのものだ

EQUIPMENT LIST

■MAIN CONSOLE:YAMAHA M7CL
■MAIN SPEAKER:JBL PROFESSIONAL SRX835P、SRX828SP
■MONITOR SPEAKER:ELECTRO-VOICE TX1152FM、etc.
■POWER AMPLIFIER:AMCRON MA-2402
■MICROPHONE:AKG D5、D40、SHURE SM57、SM58、Beta 58A、etc.

両国SUNRIZE

SUNRIZE_logo

〒130-0026 東京都墨田区両国4-36-6ガラス会館B1階

SR1607_LiveSpace_mapCS4_0419

Tel:03-5600-7337
Web:http://www.livehousesunrize.jp/

サウンド&レコーディング・マガジン2016年7月号より転載