<お詫びと訂正>11月号「oscillator lover by yukihiro」掲載内容について

サウンド&レコーディング・マガジン2014年11月号のP165「oscillator lover by yukihiro」の掲載内容に誤りがありました。
掲載文がyukihiro氏が書いた最終原稿ではなく、編集部が取材によって下書きした段階のものとなっていました。
yukihiro氏による最終原稿は以下に掲載させていただきます。
読者の皆様および関係者の方々にご迷惑をお掛けしたことをお詫び申し上げます。----------------------<最終回>
MUSIKELECTRONIC GEITHAIN RL901K
脚色が少なく再現度が高い印象のパワード・モニターこんにちは、yukihiroです。最近、制作中に機材トラブルが多く、AKAI PROFESSIONAL MPC4000のCDドライブが壊れてしまいました。メーカーのサービスも終わっているのでもう諦めようかと思っていたら、えちごやミュージックさんが対応してくれて助かりました。8月21日のイヴェント“alcove vol.7"で、minus(-)のライヴに2曲ドラムで参加しました。リハーサルは当日の1回だけだったので、ライヴと合わせて2回しか演奏しませんでしたが(笑)、楽しかったです。今月は僕の所有する機材の話に戻って、モニター・スピーカーのMUSIKELECTRONIC GEITHAIN RL901K(メイン写真右)を取り上げます。音楽制作時にはもちろんヘッドフォンも使いますが、基本はスピーカーを鳴らして作業しています。シンセの話ではありませんが、制作には非常に重要なツールなので紹介したいと思います。
僕が最初に使ったモニター・スピーカーはYAMAHA NS-10M Studio(以下10M)でした。1990年代初めごろ、作業していたスタジオに10Mが転がっていて、“持っていっていいよ”と言われて持って帰りました(笑)。家に設置した当時は、大したパワー・アンプは持っていなかったので、本来の10Mの音は鳴らせていなかったと思いますが、モニター環境がいきなりプロっぽくなった感じがして嬉しかったです。
次に導入したのはGENELEC 1029Aでした。そのころエンジニアの杉山勇司さんとマンションの一室を借りて一緒に作業していたのですが、杉山さんは最先端の人なので、そこに新しい機材が次から次へと運び込まれてくるんです(笑)。その中にGENELECの1030Aがあったのですが、“パワード・スピーカーって便利だな”と思いました。サウンドは低域の感じに違和感があってあまり馴染めませんでしたが、パワー・アンプに左右されないのは理にかなってると思い、自宅にも設置できる小型の1029Aを購入しました。同時期にSONY SMS-1Pも導入して一緒に使っていました。1029Aは今は使っていませんが手元には残っています。SMS-1Pは家のDJシステムのスピーカーになっています。
その後、小型のパワードはいろいろな種類を試したのですが、なかなかしっくりくるスピーカーに出会えませんでした。ニアフィールド用の小型パワードは低域の質感がメーカーによってかなり違うので、判断が難しかったです。現在のプライベート・スタジオでラージ・スピーカーを鳴らせる環境ができたのでRL901Kを導入しました。MUSIKELECTRONICはエンジニアのzAkさんが使っているということで気になっていまし、ドイツ製というのも興味がありました。結構な価格の製品なので購入の決断には結構勇気が必要でしたが、、、。
RL901Kの第一印象は“良い音”でした。最初は楽器屋さんのリスニング・ルームで、その次によく使う商業スタジオで、そして自分のプライベート・スタジオで、と試聴させてもらいました。どこで聴いても好みのサウンドでした。低域はこのサイズにしては抑えめかなと感じましたが、素直な出音だと思っています。あるジャズのCDを聴いたときは、あまりの音の良さにビックリしてしまいました。RL901Kの同軸という構造がもたらす定位の良さも“なるほどな”と感じています。
10M以降、パワード・スピーカーの台頭で、モニター・スピーカーは製品数が増えて選択肢も多くなりましたが、逆に10Mのような「業界標準」がなくなって、選ぶには自分の耳で判断することが必要になりました。またスピーカーのサウンドの再生能力によって作る音楽にも影響が出ると思います。10Mでは今の音楽は再生しきれなでしょうし、制作も難しいと思います。
僕はニアフィールドもMUSIKELECTRONIC GEITHAINのRL906(メイン写真左)を使っています。音量によるサウンド変化が少ないという評価を聞いて、試聴して導入しました。スピーカーを選ぶときは、もし借りられるのであれば自分の環境で試したほうがいいです。あとは作業中に必ず視界に入ってくる機材なのでルックスも大事です。突然ですが、本連載は今月で最終回となります。いままでお付き合いいただきありがとうございました。またなにかしら機会がありましたらよろしくお願いします。