

僕がDRAWMERの音に持っていた印象は、ハイがナローに落ちてきて、ローはあまり落ちないというものでした。それによって音が良い意味で沈んで強調されるのですが、まずこのプラグインを通してみての印象は、それをすごく忠実に再現しているなと感じました。ローにあるBIG、ハイにあるAIRのスイッチでエフェクトのかかり方が変わり、特にAIRの方はすごく効果的でしたね。例えば弦やギターなど、デュレーションの長い音や、デジタルのエレピやシンセに使うと、中域の存在感が上がってくるのがDRAWMERっぽいのかなと。
僕はプリセットを選んでから微調整をしていくやり方が基本なんですけど、特に“S73/Neutral”はかなり好印象でした。音の密度の上がってくる感じがとても良かったです。あと3バンドのメリットとしては、クリエイターがポイントで音作りをしたいとき使いやすいと思いますし、エンジニアとしてはマスター・セクションで活躍するのではないでしょうか。また新たに搭載されているM/Sのパラメーターも、今回シンセ・ストリングスの音で試してみましたが、簡単にセンターのローを抑えつつ、広がりを出せたので、これは使い道がいろいろあるなと思いましたね。
製品ページ→https://www.mi7.co.jp/products/softube/drawmer1973/

僕らエンジニアが積極的にアンプ・シミュレーターを使うことはあまり多くはないと思うのですが、最近のプロジェクトでどうしても必要で、このVintage Amp Roomを使いました。実は、元のギターの音が細くて、プラグインでもなかなか太くしづらかったのですが、このソフトには、右下に“AMP BYPASS”“CAB BYPASS”というボタンがあるんですね。そこで、1trはEQなどで処理するトラックを用意し、もう1trはこの“AMP BYPASS”をオンにして、“Brown”のキャビネットだけを使い、さらにマイクの位置を微調整して、オフマイクで録ったように音を作って混ぜたら、すごく太く空気感のあるギター・サウンドができたんです。アンプをバイパスできるのは、ほかでは見たことがないので、この使い方はVintage Amp Roomならではだなと思いました。
あとSOFTUBEのプラグイン全般に言えるのはAAX DSPに対応しているので、かけ録りにも対応できると思います。特にギタリストは音色に影響されてフレーズを作ることが多いと思うので、このVintage Amp Roomはギタリストにとって救世主じゃないでしょうか。しかも安価で手に入るので、オススメです。
製品ページ→https://www.mi7.co.jp/products/softube/var/
Profile
藤原暢之
Profile:ベイブリッジスタジオ〜キーストーンスタジオなどを経て、 フリーランスのレコーディング・エンジニアとして活躍中。 ゆず、米米 CLUB、野宮真貴らのアーティストや、サウンドトラック、 ゲーム音楽など多数のレコーディングを手掛ける。
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プロフェッショナル・オーディオ・ハードウェアの最も正確な物理モデリングを提供するSOFTUBEのプラグインを、最大60%オフで入手可能なHoliday Season Saleが12月1日から実施される。本連載で紹介したAcoustic FeedbackやSummit Audio Grand Channelをはじめ、40種類以上の魅力的なプラグインがラインナップする。詳細はmi7.co.jp/softube