DJ SWING:CRYSTAL SOUNDで制作された DJ活動20周年記念アルバム 『LIFE AFTER TWENTY』

CRYSTAL SOUNDのエンジニアである佐伯氏はDJ SWINGとしても活動している。今年7月にはDJ活動20周年を迎え、アルバム『LIFE AFTER TWENTY』をリリースした。往年のディスコから近年のフューチャー系のサウンドまで取り入れたバラエティに富んだ内容で、各音素材の分離の良さが際立った作品だ。もちろん、アルバム制作に使われたのはCRYSTAL SOUND。この場所でどのようにアルバムの制作が行われたのだろうか? ここでは佐伯氏にDJ SWINGとして語っていただこう。

ひずみが無くクリーンな状態で録音を行った
CRYSTAL SOUNDの名刺となるような作品

特定の音楽ジャンルに入れ込んでいるような人じゃないと聴けないようなアルバムにはしたくなかった。僕自身はヒップホップやR&Bなどのクラブ・ミュージックのイメージが強いと思いますが、はやりのフロア仕様みたいな曲ばかりにはあまりしたくなかったんです。クラブ・ミュージックに興味が無いような人が聴いても良いなと思ってもらえて、かつ要所で音楽に詳しい人の耳を引くような要素も入れる、というバランスを意識していましたね。

制作はキーボーディスト/プロデューサーのA-dreamとタッグを組みました。僕はABLETON Liveを、A-dreamはAPPLE Logicを使いましたね。トラックを先に作って2ミックスにまとめてから、ボーカルをレコーディングしていきました。ボーカルはとにかく録り音が大事だと考えています。AQEで調整を施したNEUMANN U87 AIやVT-737SPのおかげで、高周波ノイズに起因する音のひずみ無く、目の前で歌っているような臨場感あふれるクリアな歌声が録れました。そういったノイズ対策をせずに良くない電源環境で録ってしまうと、音はひずみっぽくなり、後からEQなどで無理な処理をしなければならなくなります。結果、音の生命感が失われるんです。ボーカルを録り終えたら、Liveで作ったオケのプロジェクトをパラで書き出し、それらをボーカルを録ったPro Toolsに取り込んでミキシングを行いました。ほかにも、ラップトップからUSBのDDコンバーターを通じてDA-N5でD/Aした後、アウトボードで処理を行って、Pro Toolsに各トラックを録っていく方法も採りましたね。

楽曲ごとに年代別のテーマを設けて、1980年代のディスコや1990年代のヒップホップ、現代のフューチャー・ベースなど、それぞれのテイストや時代を反映したミックスやレンジに仕上げました。例えばM⑬のような1980年代のディスコがテーマの場合は、ローエンドを出し過ぎないようにしてレコードに近いサウンドを目指しています。バラエティに富んだ音楽性なので、アルバム全体の鳴りをそろえるのではなく、各曲の個性を生かす方向性でミックスとマスタリングを行いました。CRYSTAL SOUNDの名刺となるような作品に仕上がったと思います。

■Release Album『LIFE AFTER TWENTY』
DJ SWING
Sure Biz:SRBZR-001

① INTRO
② RESSURECTION feat. Nice & Smooth
③ DAME feat. MINMI, Tarantula
④ B-BOY ANTHEM feat. CHICO CARLITO
⑤ CHERRY feat. YUI MUGINO
⑥ TIMPHO TO PHRIFORIS feat. TERRY, JOYSTICKK, t-Ace
⑦ INTERLUDE
⑧ PAIN feat. Jinmenusagi
⑨ NEVER STOP / Discothequenics feat. N' Dea Davenport
⑩ SURE SHOT feat. SAL the soul
⑪ LOVE ME AGAIN feat. SAYUKI
⑫ ON MY WAY feat. TOMA
⑬ STEP INTO A WORLD / CRYSTAL SOUL
⑭ MONEY CAN'T BUY feat. SHINGO★西成

M:DJ SWING(prog)、A-dream(k、prog)、MINMI(vo)、Tara
ntula(vo)、Nice & Smooth(vo)、N'Dea Davenport(vo)、S
HINGO★西成(vo)、CHICO CARLITO(vo)、etc.
P、E:DJ SWING
S:CRYSTAL SOUND

サウンド&レコーディング・マガジン2017年12月号より転載