ROLAND M-200iの現場〜太陽倶楽部レコーディングス

ROLANDM-200i

第2回 太陽倶楽部レコーディングス

単体での使用でもREACシステムとしても
個人で動くエンジニアが導入しやすいコンソールです

ROLANDのPA用デジタル・ミキサーM-200i。APPLE iPadをタッチ・パネルとして使うというアイディアで低コスト化を実現したこのモデルは、発売から既に5年が経過しているものの、低価格ながら音の良いコンパクトなオールインワン・コンソールとして人気を得ている。この連載ではそんなM-200iが使われている現場の声を紹介している。今回は太陽倶楽部レコーディングスを主宰するエンジニアの加藤明氏に話を伺った。

軽量コンパクトな本体でアナログ24インを実現

加藤氏はレコーディング/マスタリング/PAで活躍するエンジニア。ジャズやクラシックを手掛けることが多く、滋賀MIHO MUSEUMでのロケーション録音を担当したポール・ウィンター・コンソート『MIHO: Journey to the Mountain』がグラミーのニューエイジ部門で受賞を果たすなどのキャリアを誇る。太陽倶楽部レコーディングスは氏が主宰するエンジニア・チームだが、PAや録音へは一人で赴くことが多いそうだ。

そんな加藤氏がROLANDのコンソールと出会ったのは、M-480(現在は生産終了)だったそう。

「ちょうどROLANDがREACデジタル・スネークを含めて、コンパクトかつリーズナブルなPAシステムを低コストでリリースしたんです。僕のような個人で動いているエンジニアにとって、サイズ的にも、コスト面でも導入しやすいものでした」

そして、そのREACシステムが使えるよりコンパクトなコンソールとして、追加されたのがM-200iというわけだ。

「M-480はREAC接続を前提としているコンソールなので、本体にはアナログ入出力がそれぞれ8chだけでした。M-200iは本体だけでアナログ24イン/12アウトがあり、小さな規模ならそれだけで完結できます。システムが複雑でアウト系のチャンネル数が必要なときはM-480を持っていきますが、より軽量コンパクトなM-200iで足りる現場が多いですし、音質もM-480に肉薄しています」

もちろんREACシステムとM-200iを一緒に持ち出す現場も多いとのこと。

「16インプットで済む現場はS-1608を、ステージの上下に分けたい場合はスプリット・ボックスのS-4000Mを持っていきます。ROLANDはコンパクトなステージ・ボックスをラインナップしてくれているので使い勝手がいい。ステージの真ん中にステージ・ボックスを持って行って使うということもできますし、8chモデルのS-0808はREACから電源供給できるので便利です。また、PAオペレートしながらマルチ録音する際には、レコーダーのR-1000をREAC接続しています。PAオペレートで録音のケアまでできない中、単体のレコーダーは安心感がありますね」

▲ハクエイ・キムのピアノ・ソロでのセッティング。レコーダーとしてRE<br>AC 接続のR-1000(写真右下)と、R-44(同右上)も使用した ▲ハクエイ・キムのピアノ・ソロでのセッティング。レコーダーとしてRE
AC 接続のR-1000(写真右下)と、R-44(同右上)も使用した

iPadアプリを含む直感的な操作性

加藤氏は、M-200iの長所の一つが、ワンマン・オペレートのしやすさだと語る。特にAPPLE iPadを“タッチ・スクリーンとして採用している”ことがポイントのようだ。

「M-200iはiPadで操作するのが前提なので、ステージ上からEQをいじることもできるし、iPadからファンタム電源のオン/オフまでできてしまう。マイクのつなぎ変えのためにFOHブースまで戻るということをしなくていいですね。あと、野外の明るいところでは液晶画面は見づらいのですが、M-200iはiPadなので、自分の手元に寄せて見ればいい。他社のミキサーでは、本体は良くてもどうしても“アプリでの操作”に悩む瞬間があるんですよね。ROLANDはなぜか“えーと”と悩むことが一番少ないんです。階層が深くないし、見た目そのままだからでしょうか。画面に触れて、本体のノブを回す“タッチ&ターン”も便利です」

最後に加藤氏は、ROLANDのサポート体制についても触れてくれた。

「やはり国内メーカーの安心感はありますね。ステージ・ボックスが故障したときも、ショップ経由で代替機を手配してくれる。そういう細かなサポートは、現場サイドとしてはすごく助かっています」

▲池袋ジャズフェスティバル2018にて。ワイアレス操作用に、本体右にルーターを設置。有線使用のiPadとは別にもう1台iPadを使う ▲池袋ジャズフェスティバル2018にて。ワイアレス操作用に、本体右にルーターを設置。有線使用のiPadとは別にもう1台iPadを使う

ROLAND M-200i

285,000円(APPLE iPadは別売り) 285,000円(APPLE iPadは別売り)

リコーラブルな16chヘッド・アンプを内蔵した32chデジタル・ミキサー。タッチ・ディスプレイとして市販のAPPLE iPad+専用アプリが使用でき、有線/無線での接続が行える。出力はメインL/R+8AUX+4マトリクス。4系統のマルチエフェクトや4系統の31バンド・グラフィックEQ、USBメモリーへのレコーダー機能なども搭載する。デジタル・スネークREACに対応し、I/Oの拡張やレコーダーの接続なども可能
https://proav.roland.com/jp/products/m-200i/

Presented by Roland

2018年8月号

サウンド&レコーディング・マガジン2018年9月号より転載