
9月14日、東京・文京区のキング関口台スタジオにてAMS NEVE「BCM10/2 MK2」の内覧会が開催された。AMS NEVEはデジタル・リバーブで有名なAMSとアナログ・コンソール・メーカーのNEVE ELECTRONICが合併してできたメーカーで、現在のコンソールのラインナップとして88RS、DFC 3d、Genesysシリーズを展開している。今回発表されたBCM10/2 MK2は、1970年代に発売されたコンソールBCM10の復刻版で昨年に発表、今年3月から本国にて発売されている。いよいよ国内初披露となる内覧会には多くの業界関係者が集まり、BCM10/2 MK2に関心を寄せていた。

NEVEは1960年代にKelsoやMelbourneといった小型コンソールを発売。これらはSidecarと呼ばれた、メイン・コンソールのインプット拡張用のミキサーであった。その後継Sidecarとして1970年に発表されたのがオリジナルのBCM10。当初はチャンネル・プリアンプ/EQモジュールとして1066を搭載していたが、ほどなくして1073に変更されたという。
BCM10/2 MK2では、入力モジュールにクラスA回路のプリアンプ/EQ、1073Nを標準搭載。オプションで1073 Classicまたは1084への変更も可能となっている。もちろん、同サイズのビンテージNEVEモジュールとの換装にも対応。チャンネル数においてもオリジナルの10chだけでなく、16ch、24ch、32chを選択することも可能だ(オーダー時に選ぶ必要があり、それによって販売価格が異なる)。
チャンネルの入力に関しては、1073Nのマイク入力、ライン入力のほか、AUX後段にライン・レベルのインプットも用意。従ってAUX送りはできないが、DAWからのリターン用などに使用できるという。
AUXマスターには1272ライン・アンプを実装。マスターのミックス・バスにAPI 500互換モジュールの2264LBを2つ標準搭載。他社メーカーのAPI 500互換モジュール(コンプ、EQなど)と換装することもできる。ダイレクト・インプット、リバーブ・インプットはそれぞれ2系統のゲインコントロールとパンの調整が可能。オーバー・ダイヤルでモニター音量の調整が行えるようになっている。
価格は、10ch、1073N搭載入力モジュールで1,000万円前後となる予定。





製品の概要が紹介された後、会場となったキング関口台スタジオのエンジニア、滝川博信氏がBCM10/2 MK2の印象について「EQは1073のキャラクターが出ている。それが10ch分あるのはすごいなと思った。モニター・セクションなど必要なものがそろっているので、ほとんどのことは賄えるのではないか」と語った。

キング関口台スタジオ
キング関口台スタジオは、今回内覧会で使用した第2スタジオのほか、その倍の広さの第1スタジオとボーカル・ダビングを中心とした第3スタジオ、さらに少し離れた別棟にY3スタジオがある。
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