KORGの歴代シンセが一同集結!ROTH BART BARON presents KORG SESSIONレポート

去る8月26日(金)下高井戸のスタジオG-ROKSにて、KORG SESSIONという招待制のイベントが開催された。このイベントは三船雅也(vo,g)、中原鉄也(ds.)からなるフォーク・ロック・バンドROTH BART BARON(ロット・バルト・バロン)と、KORGとのコラボレーションにより実現。ステージ上に並べられた数々のKORG歴代のシンセサイザーをROTH BART BARONのメンバーが演奏。さらにその模様はミュージック・ビデオに収めるための撮影も行われた。

使用されたKORG製品


三船 雅也(ROTH BART BARON)ブース


▲Minilogue(左)、MiniKorg700S(右) ▲Minilogue(写真奥左)、MiniKorg700(同右)
 
▲MiniKorg700 ▲MiniKorg700。2段オルガンの上に乗せて使う第3の鍵盤が開発時のコンセプトだったため、演奏中に音色をコントロールできるように鍵盤の手前にレバーやスイッチが搭載されている。オシレーターは1基で、三角波、矩形波、のこぎり波から選択できる
 

中原 鉄也(ROTH BART BARON)ブース


electribesampler ▲Electribe Sampler。取り込んだ音声やプリセット・サンプルを元にビートを構築できるグルーブ・マシン。中原は、一部の曲において、本機だけでドラム・パートをリアルタイムに演奏した
▲DRM-1 ▲ドラム音源モジュールDRM-1。音色などの設定はリモート・コントローラーで行う仕様 。汎用トリガー・パッドに接続し、スネアとタムの拡張音源として使用されていた
 

西池 達也(サポート)ブース


nishiike ▲(奥左手前から時計回りに)Poly-61、MS2000、Polysix(上段)、T1(下段)、MS-20、Mono/Poly(上段)、Wave Station(下段)
 
▲MS20 ▲MS20。KORGを代表するモノフォニック・アナログ・シンセ。パッチングによる音作りが行える。現在はソフト音源や、サイズを縮小したMS-20 miniとして復刻
 
▲Poly-61 ▲Poly-61。6ボイスのPolysixの機能を進化させ、2基のDCOを搭載。デジタル・コントロールを可能にした
 
▲Mono/Poly(上)、T1(下) ▲Mono/Poly(上)は、VCO×4基搭載で分厚いアナログ・サウンドが特長。Wavestation(下)は、ジョイスティックを使って波形の混ざり具合を変化できるアドバンスト・ベクター・シンセシス機能が有名
 
polysix-t1 ▲ Polysix(上)は名前の通り、6ボイス・ポリフォニックのシンセ。1VCO+サブオシレーター、VCF、1EG構成で32種の音色が保存可能。T1(下)はワークステーション・シンセM1をベースにフロッピー・ディスク・ドライブやマスター・キーボード機能などを搭載した88鍵モデル。PCMデータを追加できるRAMも内蔵していた
 
▲MS2000。バーチャル・パッチ機能搭載で音作りの自由度が高いアナログ・モデリング・シンセ。後にこのエンジンを受け継ぐ大ヒット・シンセMicroKorgが誕生する
 

竹内 悠馬(サポート)ブース


▲(左より)Micro Korg XL、M1、Minilogue、Δ(Delta) ▲(左より)MicroKorg XL(上)、M1(下)、Minilogue、Δ(Delta)
 
▲Micro Korg XL(上)、M1(下) ▲Micro Korg XL(上)は、アナログ・モデリング技術の集大成とも言えるMMT(Multiple Modeling Technology)を採用。M1(下)は世界初のオールインワン・シンセ。シーケンサーを内蔵し、一台で音楽制作することを可能にした
 
▲Minilogue(上)、Δ(Delta)(下) ▲Minilogue(上)とΔ(Delta)(下)
 
▲Δ(Delta) ▲ストリング・シンセサイザーのΔ(Delta)。名前の由来は側板の形から来ている
 

大田垣 正信(サポート)ブース


▲Radias ▲アナログ・モデリング・シンセサイザーのRadias。アルミ・フレームを使用した斬新なデザインで、音源部と鍵盤部セパレートすることができた。
 
▲Λ(Ramda) ▲ Λ(Ramda)。エレクトリック・ピアノ、クラビなど合計9種類の代表的なキーボードの音色を内蔵したキーボード。名前の由来はΔ同様、側板の形から
 

KORGのシンセサイザーとオーディエンスに囲まれた中での
ライブ&ミュージック・ビデオ撮影


こうしたステージ・セットを誰もが試奏できるオープニング・タイムが終わり、メンバーが登場。映像チームSLEEPERS FILMの撮影の中、演奏がスタートした。セット・リストは2ndアルバム『Atom』から4曲。エレクトリック・スペシャル編成のため、オリジナル・トラックとはひと味違った雰囲気を楽しむことができた。
rbb ▲ ROTH BART BARONのライブ風景。演奏曲は「電気の花嫁」「Glass Shower」「Metropolis」「X-MAS」の4曲。メンバーをオーディエンスが囲むようなセッティングでフロアに一体感が生まれていた
 

Minilogue開発者とのトーク・セッション


イベント終盤には、ポリフォニック・アナログ・シンセMinilogueの開発者であるKORGの高橋達也氏と山田嘉人氏、そして三船雅也とのトーク・セッションが行われた。
 ▲ (左から)三船雅也、KORG高橋達也氏、山田嘉人氏 ▲ (左から)三船雅也、KORG高橋達也氏、山田嘉人氏
昔の名機からの引用ではない、新規にゼロから開発したのがMinilogue。試作を何度も繰り返し、時には回路そのものが置き換わってしまったこともあったという。「近年、我々はアナログ・オシレーターの良さを再評価し、アナログ・シンセの復刻に力を入れてきた。それは入手困難なビンテージ・シンセを手軽に体験できる状況を作りたいという思いがあったからこそ。Monotronから始まり、Monotribe、MS-20mini、Arp odysseyを経て誕生したMinilogueは、ある意味一つのゴールになったと思う」と高橋氏は語った。鍵盤の演奏ができることがきっかけとなって開発に携わる山田氏は「デジタル・シンセが登場してから数十年、機能や操作子が増えて複雑になっていくことの繰り返しだったが、一度ここで仕切り直して本当にベーシックな部分をきちんと使えるようにリセットすることをコンセプトにし開発してきた。学生の方に最初のシンセとして買って欲しかったので価格にはこだわった」と開発当時を振り返った。さらにトークの終盤には、キーボーディストの難波弘之が飛び入りゲストとして参加。ビンテージ・シンセの話で盛り上がった。
minilogue ▲Minilouge。新たに開発された回路を搭載したポリフォニック・アナログ・シンセサイザー。4つのボイスをどのように割り当てて発音するかを決めるボイス・モードや、ステップ・シーケンサー、オシロスコープなどユニークな機能も実装
イベントの最後にはKORG製品にインスパイアされた新曲を披露。中原のElectribe Samplerを使ったリズムと、メンバーによるKORGのシンセ、そして三船の澄んだボーカルが融合したパフォーマンスで、プレミアムなイベントを締めくくった。
rbb-2 ▲最後に演奏された新曲はコラボTシャツとダウンロード・コードをセットにし、イベント内で販売された
 

 G-ROKSとは


KORG SESSIONが行われたG-ROKSは、旧KORG本社ビルにオープンした音楽スタジオ。プロ・ミュージシャンのコンサートやライブのリハーサルに活用されていることが多いが、一般に向けたスタジオ利用プランも用意されている。
groks ▲下高井戸にあるKORG直営スタジオG-ROKS
今年の春、リニューアル・オープンし、キーボード関連の常設機材を充実。特にStudio 3は、通称“80’s room”と呼ばれ、80年代のビンテージ機材がそろっている。既にサンレコWebでもG-ROCKS 80's Roomを使用したアーティストについてレポートをしているので、ぜひご覧頂きたい。■北園みなみ×KORGコラボ曲をG-ROKS 80's Roomで録音!
北園みなみ×KORGコラボ曲をG-ROKS 80s Roomで録音! 

G-ROKS下高井戸スタジオ


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