【YAMAHA 2016年NAMM発表製品内覧会レポート】フラグシップ・シンセMONTAGEなど新気鋭の製品が続々と登場

2016年2月2日、ヤマハ銀座スタジオにてYAMAHA LM 2016 NAMM発表製品内覧会が行われ、多くのギター・シンセサイザー・ドラム関連の国内発売の発表が行われた。ここでは電子楽器を中心に紹介する。

新音源システムを搭載した新時代のフラグシップ・シンセサイザーMONTAGE

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シンセサイザーの演奏表現をさらに拡張するために考えられた新しい音源システム"モーション・コントロール・シンセシス・エンジン"。これは"2つの異なるタイプの音源"と、さまざまなコントローラーを操作可能な"モーション・コントロール"を掛け合わせた音源システムの総称である。

motion-control-img ▲モーション・コントロール・シンセシス・エンジンの構成

Montageにはサンプリング・ベースのAWM2音源、FM音源を進化させたFM-X音源を搭載。FM音源がYAMAHAのフラグシップ・シンセサイザーに搭載されるのは1991年に発売されたSY99以来、約25年ぶりのことだ。FM音源は、シンセサイザーらしい音の伸びや滑らかさが特長で、昨年発売されたFM音源シンセサイザーReface DXにより再び市場をにぎわせている。

reface-dx-yamaha YAMAHA Reface DX

→【イベント・レポート】スペシャル・セミナー「誰でもわかるFM音源」
(https://rittor-music.jp/keyboard/column/livereport/4055 )

Motif XFはAWM2音源を741MB相当搭載していた。これに対してMontageは5GB相当搭載。1つのサウンドで使用できる波形は最大8つで、しかもここに表現豊かなFM音源がレイヤーできる。最大同時発音数はAWM2、FM-Xそれぞれ128音だ。これらの途方もなく膨大なサウンドライブラリはモーション・コントロールが掛け合わさることにより、さらなる表現力を生み出す。

51631_21_1 ▲Motion Controlの仕組み。Super Knob、Motion Sequence、Envelope Followerという3つのコントロール・ソースで構成されている。

モーション・コントロールの1つ"Super Knob"は、たくさんのスライダーやノブの操作を一括でコントロールすることが可能。またフット・コントローラーにアサインすることでSuper Knobの動きを足で操作することができる。

montage-super-knob Super Knobはパラメーターの変化によって色や点滅のスピードが変わる。音の変化が視覚化されてわかりやすい。

大型のタッチ・スクリーンは、コントローラのアサイン情報が一目でわかり、画面に触れて編集が可能。

montage-macro ▲コントロール・アサイン画面。

MontageのデモンストレーターのGakushi氏は、初めにスーパーノブを操作しながら演奏。壮大できらびやかなパッドが、音量やフィルターだけでなくFMらしく独特な音色に変化した。また、アコースティック・ピアノ、エレピの音色のバランスをフット・コントローラーでコントロールするデモンストレーションや、モーション・シーケンスを駆使しながらのEDM風ダンス・トラック・パフォーマンスもMontageならではの新しい演奏表現であることが実感できた。

montage-gakushi Montageのデモンストレーションを行うGakushi氏

Montageのラインナップは以下の3タイプ。

yamaha-2 ▲Montage6(61鍵盤のFSX鍵盤を搭載)
montage7 ▲Montage7(76鍵盤のFSX鍵盤を搭載)
montage8 ▲Montage88(88鍵のバランスド・ハンマー鍵盤を搭載)
yamaha-1 新しいフォルムのリア・パネル。ステージで演奏されていても一目でmontageと分かるデザインになってる。

YAMAHA Montage 製品情報ページ
http://jp.yamaha.com/products/music-production/synthesizers/montage/?nrd=202061

そのほか、ギターやドラム関連の新製品、そして同グループ・ブランドLine 6の新製品も発表された。

LINE 6 Relay G10

g10-line6 ▲非常にシンプルな2.4GHzデジタル・ギター・ワイヤレス・システムLINE 6 Relay G10。プラグ型トランスミッターをギターに接続すればオート・スキャンでチャンネルが設定される。また、トランスミッターは充電式で台座のレシーバーに差し込むことで充電が可能。伝送距離は見通し15m。トランスミッターの駆動時間は8時間。スリープモード時は200時間待機できる

Line 6 Relay G10 製品情報ページ
http://jp.line6.com/relay/g10

LINE 6 Helix Rack

helix フロア・タイプと同等の機能に加え、ワード・クロック入力、AES/EBU入力を搭載ている。2016年4月頃発売予定。オプションの専用フット・コントローラーHelix Control発売予定

Line 6 Helix 製品情報ページ
http://jp.line6.com/helix/

会場にはすでに発売されている新製品も展示されていた。

KT-Reface

kt-reface ▲ショルダー・キーボードとして使用することができる専用ストラップ・アタッチメントKT-Refaseを取り付けた状態でReface CSが展示されていた

YAMAHA KT-Reface 製品情報ページ
http://jp.yamaha.com/products/music-production/accessories/strap_attachment_kit/kt-reface/

ワイヤレスMIDIアダプタMD-BT01 / UD-BT01

md-bt01 ▲さらにReface CSのMIDI端子にはワイヤレスMIDIアダプタUD-BT01が取り付けられていた。これはiPhone / iPad / iPod touch / Macと楽器をワイヤレスMIDI接続するためのアダプター
mdbt-udbt ▲RefaceにMD-BT01を接続すれば CSの音色管理アプリ"Reface Capture"の音色データをワイヤレスで転送することができる。UD-BT01はUSB-HOST端子を持つ電子楽器専用のワイヤレスMIDIアダプタ

YAMAHA MD-BT01 製品情報ページ
http://jp.yamaha.com/products/music-production/interfaces/md-bt01/

YAMAHA UD-BT01 製品情報ページ
http://jp.yamaha.com/products/music-production/accessories/interfaces/ud-bt01/

Vocaloid4 Library Fukase

vocaloid-fukase ▲SEKAI NO OWARIのボーカリストFukaseの声を忠実に再現したVocaloidライブラリー。すでに販売中で話題となっている

VOCALOID4 Library Fukase製品情報
https://net.vocaloid.com/articles/sekainoowari

また、今回初披露となる製品もいくつか発表された。まだ詳しい発売時期、価格は未定となっている。

BeatRoot スチール・トングドラム

beatroot BeatRootスチール・トング・ドラム。素手やマレットを使いメロディアスな打楽器演奏ができる。アコースティック・モデルとLINE出力端子を備えたエレクトリック・モデルを各8種類(2つカラー・バリエーションと4つのスケールから選べる)リリース予定。
yamaha-kojima ▲イベントのはじめに登壇したヤマハミュージックジャパンLM営業部部長小島氏。「ヤマハLMが50周年を迎える記念すべきこの年に数多くの新製品を発表することができた。これからも楽器人口や音楽ビジネスの拡大を目指し、市場を活性化をしていきたい。」と語った。

なお、ギター、ドラム関連の新製品についてはデジマート・マガジンのレポートをご覧ください。

digimart-yamaha-2016

【デジマートマガジン】FG180からMONTAGE、REVSTARまで! 2016 ヤマハLM新製品記者発表会レポート