
2015年12月4日(金)宮地楽器神田店2F Zippal Hallにて、先日発売されたソフトウェア音源Falconを中心としたUVI製品のデモンストレーション「Falconで魅せる!UVI音源を使ったライブ&セミナー」が行われた。

UVI Falconとは

UVI Falconは、アナログ・モデリング、FM、アナログ・リズム・マシン、ドローバー・オルガンや撥弦楽器のモデリング、ウェーブ・テーブルなど、さまざまなシンセシス・エンジンを組み合わせたソフト・シンセサイザー。サンプル・プレイバックもドラム・ループのスライスやタイム・ストレッチ、IRCAMのアルゴリズムを採用したグラニュラーやスクラブなど多彩な再生方法を用意している。エフェクトは80種類も実装。
また、モジュレーション・ソースは、エンベロープやLFO、ステップシーケンサーがスタンバイされ、鍵盤を押さえただけでさまざまなフレーズを奏でることもできる。さらにUVI Engineを使用した同社&サード・パーティ製音源ライブラリーを読み込むことも可能。まさにモンスター・シンセサイザーと呼ぶにふさわしい製品となっている。

講師はUVIのオフィシャル・デモソングを提供している音楽プロデューサーの山木隆一郎氏。大勢の人の前で講師を務めるのは初めてだという氏であったが、実践的かつ説得力のある解説でUVI製品の魅力を大いに感じられるセミナーとなった。
前半は UVI製品を使いながら楽曲を組み立てていくワーク・フローを紹介。まず初めに、Falconの即戦力になる豊富なプリセットからシンセ・フレーズとして使えるものを選び、アルペジエイターを使用してリアルタイムにDAWソフトMOTU DP上に楽曲の全体を象徴するリフが打ち込まれる。続いて16小節のループを走らせながらリズム、コード、シーケンス、ベース、リードなどを次々とオーバーダビング。ちなみにドラムはUVIシリーズのElectro Suite収録のDrum Shaperが使用された。キック、スネア、クラップ、ハイハットといったダンス・ミュージックに欠かせない音色を自分好みに瞬時にエディットできるのが特徴だ。

また、トラック制作の途中でFalconを使ってゼロ・ベースからのサウンドクリエイトの方法も披露。アナログ・モデリングのSAW波形を2種類重ねただけでも分厚いブラス・サウンドを感じることができた。Faclonはオシレーター波形やエンベロープが豊富に収録されている上、自分で波形を作成したり、画像を取り込んで波形に変換することもできる。しかもCPUの許す限り波形をレイヤーしていくことができるので音作りは無限の可能性を秘めていると言っていいだろう。さらにスイッチやノブなどスクリプトを組めば自分だけのオリジナル楽器を作成することができる。このように楽曲制作と同時に音色制作も紹介され、さわやかなダンス・トラックが完成した。

後半は、山木氏プロデュースのR.Yamaki Produce Projectに参加しているボーカリスト友莉夏が登場。UVI製品のみで作られた特別バージョンを含む系5曲を披露し、山木氏による楽曲解説が行われた。

2時間半にもおよぶセミナーとなったが、アットフォームな雰囲気の中、時間が立つのも忘れ、FalconをはじめUVIソフト音源の魅力、そしてR.Yamaki Produce Projectのライブ・パフォーマンスを楽しめる内容であった。
山木氏は「Falconに夢中で眠れない日々を送っている」と語っていたが、セミナー参加者もFalconを購入し、山木氏と同じような日々を送っているかもしれない。
関連リンク
UVI Falcon製品Webページ
http://www.uvi.net/jp/Falcon.html/
Ryuichiro Yamaki's Official & Private Webサイト
http://www.studiow4m.com/
宮地楽器神田店2F Zippal Hall
http://www.miyaji.co.jp/zippalhall/