ガレバンでお琴も演奏できちゃう!〜阿瀬さとしのGarageBand道場

GarageBandで遊ぼう 第2回 ヘッダー

 作曲家/ギタリストの阿瀬さとしです。GarageBandのTouch Instrumentには、世界中の伝統楽器の音源がいくつか用意されています。今回は日本の伝統楽器のKoto(琴)を使ってみましょう。

SOUND LIBRARYからインストール(無料!)

日本の琴(Photo:Smgregory CC BY-SA 3.0)

日本の琴(Photo:Smgregory CC BY-SA 3.0)

 琴は細長い共鳴胴(ボディ)に13本の弦が張られていて、それを右手にはめた琴爪(ピックのようなもの)か指の爪で弦をはじいて音を出す楽器です。もちろんそのサウンドはご存じだと思いますが、実際に琴の演奏を打ち込むとなると一苦労ですよね。
 でもTouch Instrumentはタッチパネルでの演奏に最適化されているのでiPhoneやiPadで簡単にそれっぽく演奏ができちゃいます。

SOUND LIBRARYを選択

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 まず、Kotoは「SOUND LIBRARY」からダウンロードしましょう。「日本の伝統楽器」から入手をタップします。

「日本の伝統楽器」を選択

「日本の伝統楽器」を選択

「日本の伝統楽器」を入手

「日本の伝統楽器」を入手

ちょっと鳴らすだけで「和」の雰囲気に

 ダウンロードが終わるとブラウザのWORLDKotoが表示されます。

ブラウザの「WORLD」に「Koto」が登場

ブラウザの「WORLD」に「Koto」が登場

 タップするとKotoが立ち上がります。弦をタップすると音が単音で鳴り、上下にスワイプすると“タララララ〜ン”とグリッサンド奏法が可能となっています。

上が低音弦、下が高音弦

Touch Instrumentの「Koto」。上が低音弦、下が高音弦

 各弦を正確に演奏したい場合、右上と左上にある拡大ボタンをタップすると、弦が大きく表示されます。左右どちらも同じもので、それぞれ左が低い音の弦、右が高い音の弦の拡大表示です。

弦の拡大表示が可能。左右の拡大は同じものなので、この後で紹介する奏法との兼ね合いでどちらかだけ使うこともできる

弦の拡大表示が可能。左右の拡大は同じものなので、この後で紹介する奏法との兼ね合いでどちらかだけ使うこともできる

 標準では、スケール(音の並び)がマイナーペンタトニック調の「日本」に設定されています。無造作にタップしたりスワイプするだけで、かなり「それっぽい」演奏ができますよね。

スケール設定

スケール設定。「メジャー」にすると「ドレミファソラシド」になる

「琴っぽい演奏」をするテクニック

画面下のスライダーをタップすると連打(トレモロ)奏法に

画面下のスライダーをタップすると連打(トレモロ)奏法に

 そして演奏しながら画面中央下のスライダーをタッチして押さえたままにすると、同じ音を連打するトレモロ演奏になります。その指を左右に動かすとトレモロの速度を変えることも可能です。この演奏ニュアンスがとてもリアル! 

左端の、ギターで言えばナットに当たる部分が「竜角」。ここを押さえると弦が細くなる

左端の、ギターで言えばナットに当たる部分が「竜角」。ここを押さえると弦が細くなる

 弦を爪弾いた後に左側の竜角(ギターで言えば指板の端にあるナット)部分に触れると音がミュートされます(動画2)。サステイン(音が伸びること)していた音が止まる際に胴が共振するのですが、その感じもとてもリアルですね!

 左手で竜角部を押さえたまま右手で弦をタップするとハーモニクスで演奏されます。

実際の曲で演奏してみる!

 筆者のユニットCojokで、琴を使っている「Kuku」という曲があるので、原曲の琴はミュートして、GarageBandのKotoの音を入れてみました。

 パターン演奏のバリエーション、グリッサンド、トレモロ奏法など全部リアルタイムでレコーディングして、後からピアノロールで少し修正と編集をしました。

 GarageBandからソングをLogicにインポートして仕上げた音源がこちらです。

 サウンドに芯とつやがあってパキッしつつ琴のニュアンスもバッチリ出ているので、和風の曲だけじゃなくポップスやヒップホップなどいろいろな楽曲で使えそうですね。キーの設定や、動画で使っているコードストリップの使い方などは、ぜひ『GarageBandで遊ぼう!』でチェックしてください!

阿瀬さとし

阿瀬さとし

2006年アコトロニカ・ユニットCojok(コジョ)結成し、コンピューター&ギターを担当。アコースティックとエレクトロニカを融合した、その独自の音楽性と完成度の高いサウンドにより、2010年レコードプロデューサー佐久間正英が代表を務めたサーキュラートーン・レコーズよりデビュー。そこから頭角を現し、数多くのCM曲や劇伴などの作編曲を手がけて活動の場を広げる。Cojokの活動と並行して、Smash Roomに所属し、作編曲家/ギタリスト/マニピュレーターとして活躍。 http://cojok.net/  Instagram:@asesato

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