YAMAHAの新スタジオ・モニター・ヘッドフォン「HPH-MTシリーズ」の魅力を志村明が語る!

“原音忠実再生”の理念でモニター・スピーカーを作り続け、多くのミュージシャン/エンジニアから支持を得るYAMAHAから、その理念を継承した新しいスタジオ・モニター・ヘッドフォンが登場した。HPH-MTと名付けられた本シリーズは、大口径45mmドライバー、CCAWボイス・コイルを採用したHPH-MT220と、40mmドライバーを搭載したHPH-MT120の2モデルをラインナップする。ここでは、いち早くHPH-MT220を導入したサウンド・デザイナー/PAエンジニアとして活躍する志村明氏に、同ヘッドフォンの魅力を語ってもらった。(Photo:Eiji Kikuchi/製品写真除く)_DSC0025b

志村明(STARTECH)


Profile:PAカンパニーSTAR
TECH主宰のサウンド・デザイナー/PAエンジニア。Mr.Children、EXILE、TM NETWORKなど、日本のトップ・クラスのコンサート・システムをデザインする一方で、PAエンジニアとしても活躍。最新システムへの意識の高さと合理的な理論、さらに経験豊かな知識も備え、アーティスト、イベント制作スタッフからの信頼も厚い  

低域の伸びが優れている


▲HPH-MT220 ▲HPH-MT220
「第一印象は、音像が近く、特性がフラットだと思いました。音像の近さは“今風の音”ととらえることができるかもしれませんね。特にEDMなどのジャンルが当てはまるでしょう。例えばそういったジャンルの曲を作る際、必然的にデジタル機器を使いヘッドフォンで作業することが多くなると思いますが、細かい音の聴き分けが重要になってきます。また、PAの現場では、ライブ会場のスピーカーで音を鳴らしますが、細かい部分の調整はヘッドフォンに頼ることが多いんです。そういった異なる環境でも幅広く使える新しいタイプの製品だなと思いました」このようにHPH-MT220の第一印象を語ってくれた志村明氏。音の特性について詳しく聞くと「低域の伸びが良いですね」と言い、こう続ける。「僕がモニター・スピーカーの試聴で使っているリファレンスCDがあるんですけど、注意して聴くのは低域なんですね。ウッド・ベースが一番下がる50Hzあたりの音なんですけど、そこがどこまで出るか試すんです。今回HPH-MT220でも試してみたらしっかり出ていて、音像も確認できた。そこにはかなり感激しましたね」HPH-MT220の再生周波数特性は、15Hz〜28kHzと広く、またCCAWボイス・コイル、大口径のドライバーにより、明りょうなかつスケール感のあるサウンドを実現している。さらに、低反発クッションを採用したイア・カップについても、「耳がすっぽり包み込まれ、装着感が良いですね。これなら長時間付けていても疲れないでしょう。現場によってはヘッドフォンのみでモニターする場合もあるので、疲れないのは重要な要素です」と語ってくれた。 

ワイド・レンジでフラットな特性


▲HPH-MT120 ▲HPH-MT120
普段からさまざまなヘッドフォンを使用しているという志村氏だが、どのような特性を求めているのか聞いてみた。「僕がヘッドフォンに求めているのは、特性がフラット、スムーズであること。例えばヘッドフォンでミックスしたものを、カーステレオや自分の部屋、携帯プレーヤーで聴いてニュアンスが一緒なのが理想なんです。フラットなヘッドフォンでミックスすれば、基本的には音が崩れることはありませんよね。HPH-MT220はその点が優れていて、先ほど言った低域だけでなく、ワイド・レンジでしっかり音を確認できるので、このヘッドフォンがPAの現場からスタジオ、宅録の環境まで、リファレンスとして使え、しかも長時間使っていても疲れない。今後僕らの現場でもいろいろな場面で活躍してくれるでしょうね」YAMAHAが、モニター・スピーカーの開発から理念にしている“原音忠実”の再生能力を、しっかり受け継いだ本ヘッドフォン。ぜひ自身の環境で試してみてはいかがだろうか。HPH-MT220
■形式:密閉ダイナミック型
■周波数特性:15Hz〜28kHz
■インピーダンス:37Ω
■音圧レベル:97dB SPL(1kHz/1mW)
■端子:ステレオ・ミニ(標準変換アダプター付属)
■ケーブル:1.2mカール・コード、片出し
■重量:415g
■価格:オープン・プライス(市場予想価格:25,000円前後)HPH-MT120
■形式:密閉ダイナミック型
■周波数特性:20Hz〜20kHz
■インピーダンス:65Ω
■音圧レベル:96dB SPL(1kHz/1mW)
■端子:ステレオ・ミニ(標準変換アダプター付属)
■ケーブル:3.4mストレート・コード、片出し
■重量:320g
■価格:オープン・プライス(市場予想価格:15,000円前後)

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<tel>0570-050-808 <web> www.yamahaproaudio.com/japan