
第3回 プロのライブで“歌える2.4GHz帯ワイアレス・マイク”を実証!
LINE 6の2.4GHz帯ワイアレス・マイク・システム、XD-Vシリーズにフォーカスする本連載。今回は大阪市の出来島三角公園(大和川公園グラウンド)で10月1日に行われた“チャリティーフェスタ”を訪れて、受信機+ハンドヘルド・マイクのフラッグシップ・モデルXD-V75が活躍するさまを目撃した。早速レポートしていこう。
大音量のソースにも極めてひずみにくい
“チャリティーフェスタ”は、大阪市西淀川区で社会貢献活動などを行っている西青会が主催するフェスティバル。毎秋に開催されており、今年で第6回を迎えた。会場の出来島三角公園に到着すると屋台がズラリ。それらを抜けて、会場の南側にプロレス・ショウのためのリングとコンサート用のステージが仮設されていた(下記“ポイントその①”を参照)。ステージには関西のダンス&ボーカル・グループやバンドが出たほか、嘉門達夫や大西ユカリなどの著名人も登場。こうした場でXD-V75が活躍したのだ。
ポイントその① 仮設ステージの様子
PAを手掛けたのは、大阪を拠点に活動するPAカンパニーGUGU SOUND SYSTEM。「今回はXD-V75を6セット持ち込みました」と語るのは、同社の代表を務める池田あつし氏(メイン写真)だ。
「出演者のタイプがさまざまなので、どんな状況にも対応できるよう6ch分スタンバイさせています。従来はワイアードのダイナミック・マイクをユーティリティ・マイク(どのような用途にも使えるマイク)として常駐させていましたが、XD-V75はワイアレス仕様なので取り回しが良く、音も申し分ないんですよ」
XD-V75のハンドヘルド・マイクには、人気の高いボーカル・マイクの特性をシミュレートした“マイク・モデル”というプリセットが入っている。池田氏が愛用するのは、SHURE SM58を再現した“58”だ。
「このマイク・モデルが自分の“基準”となっています。最近ではスピーカーのチューニングにもXD-V75を使うことがあって、その際にも“58”に設定してワンツーしているんです。ダイナミック・マイクの代表格と比べても、そん色が無いクオリティだということですね」
池田氏は、XD-V75の真髄が、極めてひずみにくいところにあると話す。
「大きな音を入力してもひずみにくいので、トランペットやトロンボーン、パーカッションなどに立てることもあります。今回のイベントに出演した嘉門達夫さんも非常に声量のあるボーカリストですが、XD-V75を使っていただいたところ、全くひずむことなくクリアに鳴らせました(下記“ポイントその②”を参照)。一般的な声量のボーカリストならなおさらで、力一杯シャウトしてもひずむことはないでしょう。そのほか、指向性のパターンがうまく作られているからか、ハウリング・マージンが大きいのも特徴です。まさに“歌える2.4GHz帯ワイアレス・マイク”と言うべき一本ですね」
ポイントその② 嘉門達夫の声量にもひずまない!

安定運用のために受信機の位置を吟味!
次は機器の設置を見ていこう。今回は6台の受信機がステージ下手の袖に置かれていた。ステージ上のハンドヘルド・マイクの配置に左右されることなく、最も安定的に電波を受けられるのはステージ後方だが、今回はプロレス・リングでもハンドヘルド・マイクが使われたため、どちらにも近いステージ袖が選ばれたのだ(下記“ポイントその③”を参照)。「受信機を送信機の近くに置けない場合は、LINE 6 P180やP360などのアンテナを仲介させるのも手です」と池田氏は言う
ポイントその③ 今回の受信機ポジション

そして運用上のポイントになったのは“RF1モード”。XD-V75にはRF1とRF2の2つのモードが用意されており、マイク本体上のボタンで切り替えることができる。
「RF1にすれば電波の安定度がより高まるので、僕はこのモードに設定するところから始めています。その上でさらなる安定運用を実現するために、受信機の設置場所を考える流れですね。XD-V75は、運用方法を心得ればさまざまな現場で活躍するワイアレス・マイク・システムです。このクオリティを1セット62,000円ほどで手にできるのだから、使いこなせればこっちのものですね!」
【製品紹介】LINE 6 XD-V75 (オープン・プライス:市場予想価格62,000円前後)、P180(オープン・プライス:市場予想価格30,000円前後)

