サンレコが注目する3万円以上のハイグレードなボーカル用ハンドヘルド・マイク14機種をクロスレビュー! ここではSENNHEISER MD 435を紹介します。テストは、さまざまなイベントを行うカフェ風イベント・スペース、原宿ストロボカフェにて実施。同店でPAエンジニアを務めるハタナカミホ、そして4人組バンドのゴホウビでボーカルを担当するスージーとcodyが、インプレッションを語ります。
SENNHEISER MD 435
■形式:ダイナミック ■指向性:カーディオイド ■周波数特性:40Hz~20kHz ■インピーダンス:245Ω ■外形寸法:47.5(φ)×181(H)mm(実測値) ■重量:350g
※写真は日本限定仕様のスイッチ付きモデルMD 435-S
中域の倍音感を強調。ウェットな声質の女性ボーカルにも最適
MD 435はSENNHEISERのワイアレス用カプセル、MD 9235の音響特性を継承。軽量アルミニウム銅のボイス・コイルにより、わずかな音量のパフォーマンスや繊細なニュアンスまで再現可能とのことだ。最大音圧レベルは163dB。
Artist’s Impression by スージー&cody(ゴホウビ)
cody 中域が“スパン”と出ていたイメージで、そこが際立つマイクという印象でした。普段はSENNHEISERのE 965を使っていて、そちらの方がもう少しローミッド寄りの印象です。声質的に低域を補うような意味合いもあってE 965を使っているのですが、自分より声が低い人だと低域が強調されすぎるのかなと。そういう点でMD 435は、もともとの低域の存在感は残しつつも中域の倍音感を強調する、という使い方にバッチリだと思います。
スージー 割と個性があるように感じたので、ドンピシャで合う人には手放せないマイクじゃないですかね。静かに聴かせる声の方に合いそうです。
Engineer’s Impression by ハタナカミホ(原宿ストロボカフェ)
今回テストした感じ、個人的にはcodyさん向きなのかなと。中域が太くて、肉付きがある心地良い音になっていました。高域を奇麗に聴かせたい、キラキラと強調させたというよりは、男性や中域の魅力がある女性……艶のあるウェットな声質や、ハスキーな方に良いかなと思います。高域の輪郭が見えるというか、あくまで主役は中域にあって、高域は出ているけれども脇役として主張しすぎない存在というイメージですね。
割と重量があるマイクということにもそこが表れているのかなと。R&Bやブルース・シンガーの方に歌ってもらうとすごく雰囲気が出てきそうですね。
ゴホウビ
【Profile】男女混声豆腐メンタル4人組バンド。メンバーは、cody(写真右/vo、g)、スージー(写真左/vo、k)、405(シンゴ:b)、むんちゃ(ds、cho)。飾らないストレートなリリックと王道Jポップでありながらもジャンルにとらわれない幅広い音楽性で、柔らかく包容力のあるcodyと、唯一無二のキュートな声質のスージーの全く異質な2人の歌声から生まれる心地良いハーモニー。音楽のみならず、アート・ディレクションからMVまでメンバーが中心となり作り上げている。11月15日開催のバンド史上最大キャパとなる渋谷クアトロでのワンマン・ライブを目指す。
マイクのサウンド・チェックを行った原宿 ストロボカフェ
音楽、アート、お笑い、演劇など、さまざまなイベントを行うカフェ風イベント・スペース、原宿ストロボカフェテストにはゴホウビの楽曲「ラブシャッフル」のオケを使用し、1人ずつ順番にステージで歌唱。一部、弾き語り形式でもテストを行った。