サンレコが注目する3万円以上のハイグレードなボーカル用ハンドヘルド・マイク14機種をクロスレビュー! ここではLEWITT MTP W950を紹介します。テストは、さまざまなイベントを行うカフェ風イベント・スペース、原宿ストロボカフェにて実施。同店でPAエンジニアを務めるハタナカミホ、そして4人組バンドのゴホウビでボーカルを担当するスージーとcodyが、インプレッションを語ります。
LEWITT MTP W950
■形式:ダイナミック ■指向性:カーディオイド/スーパーカーディオイド ■周波数特性:20Hz~20kHz ■感度:8.1mV/Pa、-41.8dBV/Pa ■インピーダンス:217Ω ■ローカット・フィルター:120Hz ■PAD:-12dB ■外形寸法:51(φ)×183(H)mm ■重量:397g
指向性の切り替えの効果が抜群。1曲を通してナチュラルに聴かせる
LEWITT MTP W950は、1インチ・トゥルー・コンデンサー・カプセルを搭載し、指向性はカーディオイド/スーパーカーディオイドを切り替え可能。カプセルは着脱式で、対応するワイアレス・トランスミッターに装着すれば無線での使用も可能となっている。
Artist’s Impression by スージー&cody(ゴホウビ)
スージー 1曲を通した音量感……AメロもBメロもサビも、一定しているように聴こえました。個性的というよりは、ナチュラルに聴かせてくれるんだと思います。私としては、指向性をカーディオイドにしたときの方が、聴いていても自分で歌っていても気持ち良かったです。こんなにハッキリと変わるものなんだというのがよく分かりましたね。
cody ボーカリストの歌声そのものを届けてくれる印象でした。僕は普段、スーパーカーディオイドのマイクを使っていますが、1台で指向性を切り替えられると試行錯誤できるので便利だと思います。若干重量はありますが、緑と白のロゴ・デザインがかわいらしくて好きですよ。
Engineer’s Impression by ハタナカミホ(原宿ストロボカフェ)
ボーカルそのものの抜け感がよく出ていましたね。癖がなくてどんな方でも扱いやすそうです。指向性の切り替えも重宝しそう。codyさんは、スーパーカーディオイドのときにギュッと音がまとまった感じがして良い印象でした。
スージーさんはカーディオイドのほうが合っているんじゃないかな。口だけじゃなくその周りの空間で鳴っている音も拾っているようで、歌がとても良い具合に聴こえてきました。丁寧に作られているからこそなんだと思います。例えばバンドのときはスーパーカーディオイドにして、弾き語りのときはカーディオイドにして、というように1本あればどちらの使い分けもできる。とても対応力が高いマイクです。
ゴホウビ
【Profile】男女混声豆腐メンタル4人組バンド。メンバーは、cody(写真右/vo、g)、スージー(写真左/vo、k)、405(シンゴ:b)、むんちゃ(ds、cho)。飾らないストレートなリリックと王道Jポップでありながらもジャンルにとらわれない幅広い音楽性で、柔らかく包容力のあるcodyと、唯一無二のキュートな声質のスージーの全く異質な2人の歌声から生まれる心地良いハーモニー。音楽のみならず、アート・ディレクションからMVまでメンバーが中心となり作り上げている。11月15日開催のバンド史上最大キャパとなる渋谷クアトロでのワンマン・ライブを目指す。
マイクのサウンド・チェックを行った原宿 ストロボカフェ
音楽、アート、お笑い、演劇など、さまざまなイベントを行うカフェ風イベント・スペース、原宿ストロボカフェテストにはゴホウビの楽曲「ラブシャッフル」のオケを使用し、1人ずつ順番にステージで歌唱。一部、弾き語り形式でもテストを行った。