サンレコが注目する3万円以上のハイグレードなボーカル用ハンドヘルド・マイク14機種をクロスレビュー! ここではAUSTRIAN AUDIO OD505を紹介します。テストは、さまざまなイベントを行うカフェ風イベント・スペース、原宿ストロボカフェにて実施。同店でPAエンジニアを務めるハタナカミホ、そして4人組バンドのゴホウビでボーカルを担当するスージーとcodyが、インプレッションを語ります。
AUSTRIAN AUDIO OD505
■形式:アクティブ・ダイナミック ■指向性:スーパーカーディオイド ■周波数特性:35Hz~16kHz ■感度:4.4mV/Pa ■インピーダンス:275Ω(シンメトリー) ■ローカット・フィルター:120Hz(2次) ■外形寸法:53(φ)×194(H)mm ■重量:340g
アクティブ・ダイナミック特有の音量感と量感のあるローミッド
AUSTRIAN AUDIO OD505は、デュアル・カプセル・デザインにより、ダイナミックの利点とコンダンサーの繊細さを両立させたマイク(使用時には48Vファンタム電源が必要)。破裂音を軽減するという独自開発の3Dポップ・ノイズ・フィルターも装備する。
Artist’s Impression by スージー&cody(ゴホウビ)
スージー 私の声とすごく相性が良く、キャラクターを引き出してくれるマイクでした。高域が心地良く、自然と声が安定してくる感覚があり、安心して歌えましたね。イメージとしては、点ではなく“面”で飛んでいく感じなのかなと。チル・アウト系の楽曲に合いそうです。
cody まずはパッと見て“そのマイクどこのブランド?”と聞かれそうな、かっこいいデザインに目を引かれました。歌ってみると中域がまろやかで繊細さもあり、歌いながら奇麗な音だと実感できて、とても歌いやすかったです。喉を震わせて伸ばしたときの歌声が特に気持ち良い。優しく歌う男性のバラードでも聴いてみたいですね。
Engineer’s Impression by ハタナカミホ(原宿ストロボカフェ)
48Vファンタム電源が必要なアクティブ・ダイナミック仕様のためか、音量感が十分あったので卓でボリュームをコントロールしやすかったです。高域は、出ていないわけではなくて飛び出してしまうところがない。スージーさんの高域が心地良く聴こえてきたのもそのおかげかと思います。
倍音も豊かで、ローミッドも量感がある。codyさんの柔らかな声質だと、歌い上げるサビより平歌のほうが合っているように感じました。ローカット・フィルターが付いていますが、声が低い男性ボーカリストはオンにしないほうがふくよかに捉えられるのではないでしょうか。ローカットのおかげで、自宅ライブ配信などにも良さそうです。
ゴホウビ
【Profile】男女混声豆腐メンタル4人組バンド。メンバーは、cody(写真右/vo、g)、スージー(写真左/vo、k)、405(シンゴ:b)、むんちゃ(ds、cho)。飾らないストレートなリリックと王道Jポップでありながらもジャンルにとらわれない幅広い音楽性で、柔らかく包容力のあるcodyと、唯一無二のキュートな声質のスージーの全く異質な2人の歌声から生まれる心地良いハーモニー。音楽のみならず、アート・ディレクションからMVまでメンバーが中心となり作り上げている。11月15日開催のバンド史上最大キャパとなる渋谷クアトロでのワンマン・ライブを目指す。
マイクのサウンド・チェックを行った原宿 ストロボカフェ
音楽、アート、お笑い、演劇など、さまざまなイベントを行うカフェ風イベント・スペース、原宿ストロボカフェテストにはゴホウビの楽曲「ラブシャッフル」のオケを使用し、1人ずつ順番にステージで歌唱。一部、弾き語り形式でもテストを行った。