サンレコが注目する3万円以上のハイグレードなボーカル用ハンドヘルド・マイク14機種をクロスレビュー! ここではDPA Microphones 2028を紹介します。テストは、さまざまなイベントを行うカフェ風イベント・スペース、原宿ストロボカフェにて実施。同店でPAエンジニアを務めるハタナカミホ、そして4人組バンドのゴホウビでボーカルを担当するスージーとcodyが、インプレッションを語ります。
DPA Microphones 2028
■形式:コンデンサー ■指向性:スーパーカーディオイド ■周波数特性:20Hz~20kHz ■感度:-46dB re 1V/Pa ■インピーダンス:150Ω ■外形寸法:48(φ)×188(H)mm ■重量:286g
ブレスの強弱まで聴こえる上品さ。弾き語りでの表現が際立つ
DPA Microphones 2028は、160dB SPLという最大音圧レベルの高さを誇るコンデンサー・マイク。DPAサウンドの特長としてうたう“フラットな軸外特性”を備えるスーパーカーディオイド型カプセルを搭載し、軸外のサウンドも自然な音質で集音するという。
Artist’s Impression by スージー&cody(ゴホウビ)
スージー 第一印象からとにかく透き通っているなと。レコーディング・スタジオで使用するマイクと同じ聴こえ方というか、澄んだ状態で声を前に出してくれます。昔、DPAのほかのマイクをキーボードの弾き語りで使っていたことがあって、ソトオトもナカオトもレベルが一段階上がる感じがしていましたが、このマイクも同じ印象です。シンガー・ソングライターの方にぜひ使ってみてほしいですね。
cody ピッチが一番高いところが“すーっ”と上向きに伸びていくイメージでした。音の切れ際まで聴き取れる。スージーが言うように、弾き語りで使うと声の良さ、艶が際立つと思います。細くて持ちやすいのもうれしいです。
Engineer’s Impression by ハタナカミホ(原宿ストロボカフェ)
とても上品な音ですね。動きのある表現やブレスの強弱まで聴こえてきます。嫌味がなく自然さを保ったまま、音量感を出せるのが特徴ではないでしょうか。いつも使用しているマイクで、中低音の膨らみが気になってしまって歌いづらいと感じている方にとっては、その悩みを解消してくれるマイクだと思いますよ。
一般的にコンデンサー・マイクは、広く音を拾うためハウリングしやすいという性質があります。そのため卓でボリュームを上げるのに気を遣わないといけないのが悩みどころではあるんですけど、それほど気にせずに扱えました。しっとりした男性のバラードにも向いていそうです。
ゴホウビ
【Profile】男女混声豆腐メンタル4人組バンド。メンバーは、cody(写真右/vo、g)、スージー(写真左/vo、k)、405(シンゴ:b)、むんちゃ(ds、cho)。飾らないストレートなリリックと王道Jポップでありながらもジャンルにとらわれない幅広い音楽性で、柔らかく包容力のあるcodyと、唯一無二のキュートな声質のスージーの全く異質な2人の歌声から生まれる心地良いハーモニー。音楽のみならず、アート・ディレクションからMVまでメンバーが中心となり作り上げている。11月15日開催のバンド史上最大キャパとなる渋谷クアトロでのワンマン・ライブを目指す。
マイクのサウンド・チェックを行った原宿 ストロボカフェ
音楽、アート、お笑い、演劇など、さまざまなイベントを行うカフェ風イベント・スペース、原宿ストロボカフェテストにはゴホウビの楽曲「ラブシャッフル」のオケを使用し、1人ずつ順番にステージで歌唱。一部、弾き語り形式でもテストを行った。