【お知らせ】6月20日の申込/更新分より、サンレコWebのサブスクリプション価格を改定いたします。詳細はこちらをご覧ください。また、6月17日までWeb+印刷版(年間)を約30%オフでご提供しています。

EDMやクラブ/ダンス・ミュージックのDTM初心者のための基本テクニック! 〜Soda Sphereが作り方を解説

クラブ/ダンス・ミュージック作曲初心者のための基本テクニックをSoda Sphereが解説

洋楽ダンス・シーンでも活躍する作曲家/サウンド・クリエイターのSoda Sphereが、EDMやクラブ/ダンス・ミュージックの作曲を始めたばかりだというDTMビギナーたちと話す中で、“意外と知らないんだ”と感じることが多かった基本知識やテクニックを解説します。これを読めば、かっこいい曲やドロップ・サウンドが作れるかもしれない!?

その1:ステレオ音像の基本定位

 はい、早速ビギナーの方たちにとっては難しいであろう言葉が出てきましたね(笑)。“ステレオ音像”というのはLとR、2つのスピーカーから音楽を再生したときにイメージされる音の空間のこと“定位”というのは、このステレオ音像のどこに楽器を配置するのかということです。よく“頑張ってミックスしたけれどしっくりこない。自分が好きな曲とは何か違う”という話を聞くのですが、大体の方はミックスの基本セオリーである“音の定位”を知らない人が多い印象でした。これからポイントを述べますので、よく理解することでミックスが一段と上手になることでしょう。

低域楽器はセンターに置く

 特別な意図がない限り、ドラムのキックやベースなどの低域楽器はセンターに配置しましょう。曲全体のグルーブをつかさどる音でもあるので、なるべくセンターが望ましいです。自分の楽曲を聴いて何か変な感じや不安定な感じがする人は、まず低域の楽器がL/Rのどちらかに偏っていないかどうかをチェックしてみてください。

中域〜高域の楽器はかぶらないように配置

ステレオ音像の楽器配置に適した例

 ボーカルはもちろん、ピアノ/ギター/シンセなどのコード楽器やハイハット/シンバル/パーカッション、FXなどの楽器は中高域に集中して鳴ることが多いと思いますが、これらをすっきりと聴かせるには、それぞれがかぶらないように定位することがポイントです。特にダンス・ミュージックでは、低域に行くほどモノラル寄りになり、逆に高域に行くほどステレオワイドになるという印象があります。ここでは特にパンニングが重要になってきますが、楽器によってはIZOTOPE Ozone Imagerなどステレオ・イメージャー・プラグインを使ってみるのもお勧めです。

まとめ

 ステレオ・ミックスの基本的な話をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか? ミックスに悩んでいる方はまず音の定位を再チェックしてみてください。音の分離が良くなるとプロの音に一歩近付くことができます。注意して欲しいのが、音像を広げようとしてマスターにステレオ・イメージャー・プラグインを挿してしまうこと。これだと意図しない楽器の定位も変わってしまうのでお勧めしません。やはり楽器一つ一つを丁寧に配置する方がよいでしょう。

その2:コンプレッサーの使い方

 ビギナーの方たちと話していて次に多かったのが、コンプレッサー(以下、コンプ)について。ミックスで重要らしいんだけど結局のところ正しい使い方が分からない、何となく触っているけどうまく使えている感じがしない……という方はかなりいらっしゃるのではないでしょうか? そこで“超簡単”にコンプレッサーの使い方をお伝えします!

なぜコンプレッサーをかけるの?

 コンプは音を圧縮するためのエフェクトです。音が大きい部分と小さい部分との音量差を縮めることで、聴き取りにくかった音が聴きやすくなります。音量のばらつきを均一化することが、コンプを使う基本的な理由です。

コンプレッサーで音量のばらつきを均一化すると聴きやすくなる

コンプレッサーはどう使うの?

コンプレッサーの基本的なパラメーター

 基本的なパラメーターの役割をお話しします。スレッショルド(赤枠)は、何dBのラインを超えたら圧縮するのか、その値を決めるパラメーター。レシオ(青枠)は、スレッショルド値を超えた音を“どの程度の割合で圧縮するのか”を定めるパラメーターです。僕はレシオ4:1を基準にし、あえて音量差を残しておきたいなら2:1へ、逆にもっと音をまとめたいなら10:1の方向に調整しています。

 アタック・タイム(黄枠)はコンプがかかるまでの時間で、リリース・タイム(緑枠)はどのくらい音を圧縮したままにしておくかというパラメーターです。アタック・タイムが速ければ、すぐにコンプがかかるため音量差を縮めることができますが、原音が持つアタック感がなくなります。逆に遅ければゆっくりコンプがかかるため、原音のアタック感を残せるでしょう。一方のリリース・タイムでは、短いとすぐに圧縮が解除されるので原音の余韻が残せ、逆に長いと圧縮されたままとなるので余韻も下がります。ここで挙げた4つのパラメーターは、すべて音の印象を大きく左右する重要なものたちです。自分の耳で音を聴きながら調整するとよいでしょう。

それでもよく分からないんだけど……

 では僕なりの使い方を教えたいと思います。まず遠くで鳴っているシンセ・パッドやストリングスなど、そこまで目立たせる必要の無い音は、“レシオ高め/アタック・タイム速め/リリース・タイム長め”にしてみましょう。僕の場合、これらの楽器はあくまで空間を埋める目的で入れているので、コンプで平たくまとめています。逆にドロップのリード・シンセやドラムなど、アタック感やダイナミクスが重要かつ目立ってほしい音は、“レシオ低め/アタック・タイム遅め/リリース・タイム短め”に設定しましょう

 このように目立ってほしい楽器とそうでない楽器に分け、コンプの使い方を丸暗記してしまうというのも最初は良いのかもしれませんね。“ラーメンは麺固め/味濃いめ/油少なめ”の要領で覚えて、ぜひ楽曲で試してみてください! 一番良いのは、“習うより慣れろ”です。

 

Soda Sphere

Soda Sphere
【Profile】23歳の作曲家/サウンド・クリエイター。18歳のころにSTEINBERG Cubaseを用いた作曲を始める。3年後には登録者数311万人を誇るYouTubeチャンネルAirwave MusicTVから代表曲となる「You And Me」を発表し、世界のトップDJの一人であるニッキー・ロメロからサポートを受ける。

【特集】+αのダンス・ミュージック最新テク

関連記事

www.snrec.jp

www.snrec.jp

www.snrec.jp

www.snrec.jp