鈴木慶一、中野雅之が語る音楽の歴史を変えた名機〜サンプリングによる音楽制作の発展

鈴木慶一、中野雅之が語る音楽の歴史を変えた名機〜サンプリングによる音楽制作の発展

Part2では、サウンドを取り込んで新たな形で生まれ変わらせる“サンプリング”による楽曲制作を可能にしたサンプラーが登場。その独自のサウンドの魅力は衰えることなく、今なおクリエイターに現役で重宝されていたり、プラグインとして再現されたりと、時代を超えて愛され続けています。

鈴木慶一

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【Profile】はちみつぱいでの活動を経て、1975年にムーンライダーズを結成。楽曲提供や映画出演、寄稿なども行う。映画『座頭市』の音楽が日本アカデミー賞最優秀音楽賞、2008年のソロ・アルバム『ヘイト船長とラヴ航海士』が日本レコード大賞優秀アルバム賞を受賞した。

 Recent work 

『MOTHER MUSIC REVISITED』鈴木慶一(日本コロムビア)

~サンレコ読者へのメッセージ~
 40年になるんですね。プロのミュージシャン、エンジニア、アマチュアも読む。それは新機材の購入時に大いに参考になるレポートがあったり、録音の仕方があったりで、宅録する人々の大きな支えになっています。これからもライトハウスとして在り続けてください。読者のみなさん、ライブ時のミュージシャンがどんな機材を使ってるか、参考にしてくださいな。

E-MU Emulator (1981年)

 まずは2秒という短さながらサンプリングができるということ。それによって楽器以外の音、例えば咳とか靴音とかによってリズムを作成できた。当時、THE BEATNIKSの録音の最終段階で導入。悪魔の楽器と呼んでいた。で、結論はサンプリングという手法を確立した。想像ですが、Mellotronを初めて手にしたミュージシャンの驚喜がなんとなく分かりました。その後、Emulator II、Emulator IIIと使っていくのですが、Emulator IIの音源がとても気に入ってました。使用期間は短かったけど。私のソロ・アルバム『SUZUKI白書』の「月にハートを返してもらいに」ならびにそのリミックスの「SATELLITE SERENADE」のイントロがEmulator IIの音源です。

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1981年創刊号

中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES/THE SPELLBOUND)

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【Profile】1997年にBOOM BOOM SATELLITESとしてデビュー。現在は中野ミュージックを立ち上げ、サウンド・プロデューサーとして活動。今年1月にはTHE NOVEMBERSの小林祐介を迎えTHE SPELLBOUNDを始動。12月18日(土)にはSTUDIO COASTでのライブが決定している。

 Recent work 

『FLOWER』THE SPELLBOUND(中野ミュージック)

~サンレコ読者へのメッセージ~
 僕がサンレコを読み始めたころ、プロのレコーディング環境は雲の上のそのまた上。とても遠いあこがれの場所でした。現在はDAWとPCの進化によって音楽制作がとても身近で高品質になりました。そのような環境下で世界のベッド・ルーム・スタジオから次世代のポップ・スターと名曲たちが次々と生まれて輝いています。クリエイターにとってもリスナーにとっても良い時代が訪れています。プロとアマチュアの境界線は完全に無くなりました。すべてはあなたの才能とバイタリティ次第なのです。この素晴らしいレースに参加しませんか?

AKAI PROFESSIONAL MPC3000(1994年)

 MPC3000は音楽制作の転機を作ってくれた機種で、個人的にも思い入れが大変強い機材です。ロジャー・リン設計のこのマシンはループ制作からスタートして曲を再構築していくという発想とさまざまなアイディアが詰まっていました。昨今のビート・ミュージックの制作にまで通じる感覚と思想があります。それ以前の単体のシーケンサーやリズム・マシンとは明らかに立脚点が違いました。MPCシリーズの設計思想がその後の音楽シーンや音楽制作のあり方、制作ツールの開発に大きな影響を与えたと思います。そしてあらためて日本の楽器メーカーはすごかったと感じます。

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1994年10月号

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1994年10月号

 

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サウンド&レコーディング・マガジン40周年記念特集

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