渋谷駅から徒歩7分のところに位置するshibuya CYCLONEは今年でオープン23周年を迎えるライブ・ハウスだ。より良いサウンドにアップデートするために、2018年にコンソールとメイン・スピーカーを、2019年にはモニター・スピーカーを刷新。サウンドが劇的に変化したとのことなので、早速訪問して取材を行った。
階段を下り地下2階の扉を開けるとチケット・カウンターがあり、その奥にメイン・フロアが広がっている。スタンディングで300人、着座で80人収容可能で、PAブースはフロア後方からはしごを登ったところに設置されている。新しく導入したコンソール、YAMAHA CL5の使い心地について音響を担当する岡嶋孝明氏に話を伺った。
「以前もYAMAHAのデジタル・コンソール、M7CLを使用していたので、同社のCL5は最初に操作したときから扱いやすいと感じました。操作方法が簡単で、乗り込みのエンジニアにも説明しやすい点が魅力です。フェーダーは自分好みにカスタムでき、内蔵のダイナミックEQやマルチバンド・コンプの使い心地も良いのでお気に入りです」
スピーカーは、片側につきL-ACOUSTICS ARCS Wideを3台設置し、それらにサブウーファーのSB18Mを3台加えた構成だ。同じく、岡嶋氏に導入の決め手を聞いた。
「最近は同期演奏をするバンドも増えてきたので、どんな音楽性にも対応できるように、全帯域バランス良く高解像度に聴こえるスピーカーを探しました。ARCS Wideを導入してみると、10kHzより上が見えやすくなり、聴こえ方が格段に奇麗になったんです。ピーキーな部分が無く、レベルを上げても音の細かいニュアンスを繊細に再生することができます。CYCLONEはヘビーなロック・バンドの出演機会が多いため、低域をしっかり聴かせることにずっと気を使ってきました。以前は18インチ径のウーファーを片側につき4台置いていましたが、SB18Mは3台の設置で以前と同様のパワー感を十分に得ることができたので満足しています」
メイン・スピーカーのスペックが上がったことに影響を受けて、モニター・スピーカーもMARTIN AUDIO LE200に買い換えたのだと岡嶋氏は続ける。
「LE200は全帯域バランス良くモニターできるのが魅力です。ステージ上で音がにぶくなることもありませんし、必要以上に出力レベルを上げることも無くなりました」
最後にCYCLONEの展望を店長の松澤世紀氏に聞いた。
「ARCS WideとSB18Mを導入してからは、CYCLONEに出演する国内外アーティストにサウンドを褒められることが多くなりました。機材のスペックがアップデートされたことで、今の時代の音楽やバンドマンをより一層応援できる環境が整ったと感じています。バンドが出したい音を一緒に追求するためには、PAエンジニアのコミュニケーション・スキルも大事です。なので、常にやる気のある良いエンジニアを探しています。ご興味のある方は、ぜひご連絡ください!」
EQUIPMENT LIST
- MAIN SPEAKER:L-ACOUSTICS ARCS Wide、SB18M
- MAIN CONSOLE:YAMAHA CL5
- MONITOR SPEAKER:MARTIN AUDIO LE200
- POWER AMP:L-ACOUSTICS LA8JP
- MICROPHONE:SHURE SM58、SM57、Beta 58A、Beta 57A
shibuya CYCLONE
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町13-16 国際ビルA館B2