4月にオープンした商業施設、東急プラザ原宿「ハラカド」。その3階にラジオ局のJ-WAVEが運営するレンタル・スタジオ=J-WAVE ARRTSIDE CASTが入っている。ポッドキャストのような音声コンテンツの制作をはじめ、生配信や動画撮影などにも対応し、駆け出しのクリエイターからプロまで幅広い層が活用中だ。通路に面した外壁には5面のデジタル・サイネージが設置され、同時に5つの映像を出せるほか、4面を使ったデジタル・アート・ギャラリーも展開できる。それでは、室内はどのようになっているのだろう? J-WAVEコンテンツプロデュース局コンテンツ事業部の渡邉岳史氏、デジタル戦略局 技術部の新井康哲氏に伺った話を元にレポートしていく。
室内へ入ると、ガラス面から自然光が差し込む明るい空間に目を奪われる。眼下に望む神宮前交差点のにぎわいは創造性を刺激しそうだが、夜は夜で全く違う雰囲気に様変わりするというのも、このスタジオの面白さ。面積は26m²で、常設4chのマイク収録が行えるナレーション・デスク、音声&映像システムを備えたエンジニア・デスクがある。「もの作りに関心を持つ方々に、手軽かつリーズナブルにご活用いただきたい」とは渡邉氏の弁。カルチャーに感度の高い層から支持されてきたJ-WAVEらしく、クリエイターをサポートして新たなコンテンツの誕生をうながす意志だ。そして現代性。スタジオの開設を計画しはじめた2~3年前は、J-WAVE社内でポッドキャストへの意欲が以前にも増して高まっていたそう。ならば、そのためにも使えるスタジオに、ということで造られたのがJ-WAVE ARRTSIDE CASTである。
「用途をポッドキャストの収録に限定しているわけではなく、生配信や動画撮影の場としてご利用いただくケースもあります。レンタルは基本的に1時間単位で、入室後に中を一通り説明します。その後、スタッフは離れることが多いのですが、機材操作のヘルプや音声編集をご希望の場合は、事前にお伝えいただければ別途料金にて対応します」
音響システムは、PRESONUS Studio One 6 Artist(DAW)やDIGIGRID IOS-XL(オーディオI/O)を中心としたもの。マイク音声はWAVES SoundGridフォーマットのプラグインでリアルタイムに整音され、4trマルチまたは2ミックスで録音できる。生配信の際は、常設の配信ソフトOBS Studioを使用可能だ。「収録や配信の様子をビデオ・カメラで撮影しながら、スタジオの入り口横にある5面マルチモニターへ映し出すこともできるんです」と新井氏が説明する。
J-WAVEは主要ストリーミング・サービスのディストリビューション業務を手掛けており、J-WAVE ARRTSIDE CASTで収録されたポッドキャストのうち、認定したものを配信リリースしている。渡邉氏が語る。
「我々は、この場を介して、面白いものを作る人に巡り会いたいと思っています。今後は“制作されたポッドキャストをJ-WAVEの番組にする”という流れができるかもしれないし、そういう成功事例を作りたいですね」
J-WAVE ARRTSIDE CAST
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-31-21 ハラカド3F
11:00~20:00(ハラカドの定休日は1月1日。ほか不定休)