フルラックタイプ
ラインナップは、まずフルラックタイプが3製品。これらは既存のハーフラックモデル"PORTICO"シリーズをさらに進化させたモデルで、待望の内蔵電源タイプになっている。特に"PORTICO II"と名づけられた2製品は、RND 5088アナログコンソールで培われたノウハウを結集したモデルで、2Uラックマウントサイズ、RND 5088アナログコンソール同様の高電圧動作のオペアンプと、新たに開発されたトランスが使用されたフルディスクリート仕様になっている。
PORTICO II CHANNEL STRIP
315,000円
「PORTICO II CHANNEL STRIP」は、5088アナログコンソールで使われているオールディスクリートと高電圧(72V)動作の回路を採用した構成になっており、ルパート・ニーヴ氏が理想とするヘッドアンプとしての機能をすべて装備しているといってよい製品となっている。
マイク、ライン、DIの3種類のソースに対応するINPUTセクションは、パッドなしで26dBuまでの信号をハンドリングできる。またPorticoマイクプリアンプに搭載の"Silk"スイッチを進化させた"Texture"セクションよって、音楽的な高調波成分を連続可変できる。
4バンドのEQセクションはビンテージ機器的なキャラクターから現代的な細かな調整までをカバーでき、さらにスイッチ一つでコンプレッサーセクションの前後に接続位置を変更できる。
クラシカルな仕様のコンプレッサーセクションはFFとFBの2つのモードを装備し、現代風のレスポンスからビンテージ機器のようなレスポンスまで対応。さらに"Blend"ノブにより、コンプレッション信号とドライ信号のバランス調整が可能。
- 周波数特性(メインアウト無負荷時):-3dB @2Hz/-3dB @160kHz
- 最大出力レベル:+25dBu (20Hz~40kHz)
- 全高調波歪率:0.002%未満 @1kHz、+20dBu出力/0.004%未満 @20Hz、+20dBu出力
- ゲイン:ユニティー~+66dB (6dBステップ)、可変トリム -6dB~+6dB
- 外形寸法:約89 (2U) x 482 x 254mm(HxWxD)
- 重量:8.0kg
PORTICO II MASTER BUSS PROCESSOR
399,000円
「PORTICO II MASTER BUSS PROCESSOR (MBP)」は、5088アナログコンソールで使われているオールディスクリートと高電圧(72V)動作の回路を採用した構成になっており、一般的な2チャンネルコンプレッサー/リミッターではなし得ない機能を装備したクリエイティブツール。
入力段にゲインステージを持ち、FFとFBの2つのモードを装備したコンプレッサー/リミッターは、ピークとRMSの2種類のVCAトリガー方式を持つ。このセクションには"Blend"ノブが装備され、コンプレッション信号とドライ信号のバランス調整が可能。またユニークな"Texture"ノブによって音楽的な高調波成分を連続可変できる。
最終段のStereo Field Editorセクションにより、M-Sテクニックを用いたマスタリング作業が可能で、音像の奥行きと幅を調整可能。なおこのセクションには特定の周波数帯に作用させるバンドパスフィルターも搭載されている。
- 周波数特性(メインアウト無負荷時):-3dB @2Hz/-3dB @160kHz
- 最大出力レベル:+25dBu (20Hz~40kHz)
- 全高調波歪率:0.002%未満 @1kHz、+20dBu出力/0.004%未満 @20Hz、+20dBu出力
- 外形寸法:約89 (2U) x 482 x 254mm(HxWxD)
- 重量:8.0kg
PORTICO 5024 QUAD MIC PRE
294,000円
「PORTICO 5024 QUAD MIC PRE」は、ベストセラーモデル「Portico 5012 Mic Pre」のマイクプリアンプ4台を、1Uラックマウントサイズにまとめたマイクプリアンプ。もちろんディスクリート&カスタムトランスフォーマー仕様。各チャンネルにはユニークな"Silk"サーキットも装備。またそれぞれ72dBのゲイン増幅に加え、フェイズ、ミュート、ファンタムパワー、ハイパスフィルターも搭載されている。
もちろん単に1Uにまとめただけではなく、ユニークな機能も装備。チャンネル1と2にはThru出力付きのHi-Z入力を搭載し、電気楽器を直接インプット可能。またチャンネル3と4には多チャンネルコンソールなしにMid-Sideデコーディングが行える、MSスイッチが実装されている。
- 周波数特性(メインアウト無負荷時):-3dB @2Hz/-3dB @160kHz
- ゲイン:ユニティー~+66dB (6dBステップ)、可変トリム -6dB~+6dB
- 全高調波歪率:0.002%未満 @1kHz、+20dBu出力/0.004%未満 @20Hz、+20dBu出力
- 外形寸法:約44 (1U) x 482 x 254mm(HxWxD)
- 重量:4.0kg
500シリーズモジュールタイプ
そして500シリーズモジュールタイプも2製品が発売された。これらは既存のハーフラックモデル"PORTICO"シリーズの中でも特に使い勝手のよいものを小さいボディに凝縮したものとなっている。
PORTICO 517
88,200円
「PORTICO 517」は、モバイル仕様のマイクプリアンプとDIの複合モデル「PORTICO 5017」を500シリーズモジュールサイズに凝縮したもの。
また「PORTICO 5012 Mic Pre」の1チャンネル分のマイクプリアンプ(66dBゲイン)にDI(30dBゲイン、Thruアウト搭載)チャンネルを追加。各チャンネル個別に使えるのはもちろん、任意のバランスでブレンドすることも可能。その際の位相調整も"Vari-Phase"ノブで簡単に行える。加えて、シンプルなオプチカルコンプレッサーも装備されている。
- 周波数特性(メインアウト無負荷時):-0.2dB @210z/-3dB @160kHz
- 最大出力レベル:+23dBu (20Hz~40kHz)
- 全高調波歪率:0.001%未満 @1kHz、+20dBu出力/0.002%未満 @20Hz、+20dBu出力
- ゲイン:ユニティー~+66dB (6dBステップ)
PORTICO 543
98,700円
「PORTICO 543」は、PORTICOシリーズ中、特に定評あるコンプレッサー/リミッター「PORTICO 5043」の1チャンネル分を500シリーズモジュールサイズに凝縮したもの。
素早い動作のFFとビンテージ的なFBの2つのコンプレッションモードを装備。信号検出にはピークとRMSの2種類のVCAトリガー方式を持つ。
2台の「PORTICO 543」をリンクさせることでステレオオペレーションも可能で、500シリーズラックのリンクバスでの使用に最適。
- 周波数特性(メインアウトユニティーゲイン):-3dB @150kHz
- 最大出力レベル:+23dBu (20Hz~40kHz)
- 全高調波歪率:0.0006%未満 @1kHz、+20dBu出力(無負荷、コンプレッサーバイパス)/0.02%未満 @1kHz、+20dBu出力(無負荷、コンプレッサーオン)
- ゲイン:-6~+20dB