「FL STUDIO」はソフトウェアシンセ、シーケンス、マルチトラックオーディオレコーディング、ミキシングといった音楽制作に必要なすべての機能を備えた統合型ソフトウェアだ。元々はシェアウェアとしてスタートしたが、世界中のユーザーからのフィードバックを受けながら進化を続け、世界のクラブシーンをリードしながら、現在では個性的なDAWとして支持を得ている。外部音源や外部ミキサーがなくても、ソフトウェアの内部だけで完成度の高いトラックを制作することができるツールとして、日本でもユーザー数が増加中だ。
今回発売となる「FL STUDIO 10」のラインナップは、「FL STUDIO 10 SIGNATURE BUNDLE」、他社製品ユーザー向けの「FL STUDIO 10 SIGNATURE BUNDLEクロスグレード版」、人気ループシーケンサーとのバンドル版「ACID MUSIC STUDIO 8 + FL10 バンドル」の3製品。いずれもソフトウェアは英語版だが、オンラインヘルプと付属のチュートリアルマニュアル(冊子)は日本語となっている。また、「FL STUDIO」の新バージョンが発売された際に永続的にダウンロードで入手できるサービス「ライフタイムフリーアップグレード」が付属する。
FL STUDIO 10の主な仕様
"STUDIO"の名前のとおり、音楽制作に必要なものがソフトウェア的にワンパッケージに集約されているのが大きな特長。シーケンサー、シンセサイザー、サンプラー、ドラムマシン、エフェクト、オーディオレコーダー、ミキサーなどが完全一体化されており、これによって外部音源や外部ミキサーがなくても音楽制作が実現する。
ドラムマシンやドラムサンプラーに代表される、パターンとステップシーケンサーを軸にした曲づくりは、ダンス/クラブミュージックの構造そのもので、これが世界中のクラブシーンで注目されている理由。
またVST/VSTiやDX/DXiプラグインに対応しているので、手持ちの音源やエフェクトをFL STUDIOに追加することができ、現在のソフトウェア的な資産は無駄にならない。
加えて、FL STUDIO自身がVSTi/DXiとしても動作する。さらにはReWire(ホスト/クライアント)にも対応しているので、ACIDをはじめとする他のDAWソフトと連動して、「FL STUDIO」を膨大な音源モジュールとして使用することも可能。
「FL STUDIO」単体でトラック制作を完結させることができる一方、ふだん使っているDAWのサポートツールやループ素材制作専用ツールとして使うことも可能。
FL STUDIO 10の主な新機能
- 64ビットプラグインのサポート
- 32ビットと64ビットOS環境でのメモリ管理の改善
- ASIOドライバのパフォーマンスを改善
- エフェクトまたはプラグインをチェインさせて、新しい組み合わせを作り、新しいプロジェクトにロードさせることができるPatcherプラグイン
- 映像をレンダリングできるビジュアルエフェクトプラグインのZGameEditor Visualizer
- 楽譜のPDF出力機能
- ピアノロール上でのノートデザインの変更
- ミキサー表示の拡大と波形表示
- プラグインディレイ補正(PDC)
- プロジェクトに展開されている音色、チャンネル、パターンを一覧表示できるProject Picker
- ステップシーケンサーに新たに搭載した+ボタンで、新しいパターンを追加し、同時にパターン名を入力可能
- ライフタイムフリーアップグレードが付属
クロスグレード版対象商品
- Sony Creative Software/Sonic Foundry社:ACID Pro、Vegas Pro
- Internet社:Singer Song Writerシリーズ(Liteを除く)
- Propellahead社:Reason
- Ableton社:Live(Lite、Jamを除く)
- Steinberg社:Nuendo、Cubaseファミリー(Essential、AI、LEを除く)
- Cakewalk社:Sonar(Home Studio、LEを除く)
- Native Instruments社:Traktor(LE、DJを除く)
- Apple/Emagic社:Logicファミリー(Expressを除く)
- Digidesign社:ProToolsファミリー(ProTools Freeを除く)
- Magix社: Sequoia、Samplitude(SEを除く)
- MOTU社: Digital Performer、Performer
※Windows版/Mac版、バージョンは問わない。
※デモ版、体験版、OEM版、バンドル版は対象外。