今回発売となった2機種はいずれもユニークな機能を持ったコンデンサーマイクロフォンで、「T2」はチタニウムカプセルを採用したFETタイプのコンデンサーマイク、「GEMINI III」はsE Electronics社の創業10周年を記念した特別バージョンのチューブコンデンサーマイクとなっている。各モデルの概要は次のとおり。
T2の概要
チタニウムカプセルを採用したマルチパーパスマイクとして人気のあったモデル、Titanの後継モデル。同じくマルチパーパスマイクとしてロングセラーを誇るモデル、sE4400aの筐体と機能を基に設計されたが、Titan同様に特別仕様のカプセルを採用。その結果完全な中域と低域のバランスを得られ、チタニウムカプセルならではの派手過ぎずかつ詳細な高域特性を持っている。特にパーカッシブなサウンドの録音に適していて、ドラムやパーカッション、ギターのピッキング、ピアノのハンマーアクションやスラップベースなどに最適。
またしゃべり声を収録するためのマイクとして放送用としても最適で、例えば高域成分を含む「p」や「t」の発音がきれいに録れる。一般的にこのような場合、高域をEQで強調することになるが、歯擦音が目立つなどの弊害がある。その点T2ならばバランスの良い高域特性を持っているので、そのままでクリアな高域を収録できる。
GEMINI IIIの概要
Gemini III はsE Electronics社の創立10周年を記念して発売される完全数量限定生産のモデルで、ベストセラーのハイエンドモデルGemini IIをマルチパターン化したスペシャルエディション。Gemini II同様にユニークなデュアルチューブによる回路を踏襲しながら、カプセルを2基搭載することによりマルチパターンを実現。オムニ、カーディオイド、スーパーカーディオイド、そしてフィギュア8を付属の専用電源で切り替える。
さらにブラックのラバー系塗料で仕上げた外観とsE社の10周年特別ロゴが高級感を演出。世界で333台の完全限定生産で、日本では10台のみの販売。