DiGiCoの技術をコンパクトに凝縮した新型デジタル・ミキシングコンソール

DiGiCoSD9
ヒビノインターサウンド株式会社が、英国DiGiCo(デジコ)のデジタル・ミキシングコンソール「SD9」を2010 年7月1日より発売する。

SD9は、世界的なアーティストのワールドツアーや著名な劇場、ホールでメインコンソールとして採用されているDiGiCoコンソールの優れた機能を、極めてコンパクトなシステムに凝縮した新型デジタル・ミキシングコンソールだ。コンパクトながら圧倒的な処理能力と優れた音響性能を両立し、多様なSRシーンに柔軟に対応する。価格はオープン・プライス。


SD9の特徴


コンパクトながら豊富な入出力とバス系統を搭載


SD9は入出力を集約するDラックと、コンソールの制御を行うサーフェスの2つで構成される。Dラックは32マイク/ライン入力、8ライン出力を搭載し、オプションで8ライン出力もしくは4AES出力を追加するモジュラースロットを用意。サーフェスにも8マイク/ライン入力、2AES入力、8ライン出力、 2AES出力を搭載。そのため、標準的なシステムで40chの入力、16chの出力が可能。


各チャンネルはモノラル/ステレオで自由に構成できるため、入力で最大80系統に相当する信号処理が可能。また、MADI入出力にも対応。入力として使用すれば入力ソースとして56ch分の入力が行えるほか、出力として使用すれば56chのダイレクトアウトを行え、高品位なマルチトラックレコーディング環境をシンプルに構成できる。さらにサーフェス、Dラックともに予備電源を標準で搭載。突発的な電源の不具合にも対応する、確実なリダンダント性能を兼ね備えている。


バス系統は16系統のモノラル/ステレオバスに加えLRもしくはLCRで切り替え可能なマスターバス、8×8マトリクスバスを搭載。総計で43系統相当のバス処理能力を獲得し、規模の大きなライブSRからホール、劇場等の固定設備まで余裕を持って対応。さらに2系統のソロバスも装備。ソロバスのインサートポイントはイコライザーまたはプロセッサーの前段/後段で切り替えられるため、モニター用コンソールとしても最適。


圧倒的な信号処理能力を獲得し、SRに不可欠な調整機能を網羅


SD9はDiGiCoのフラグシップモデルSD7で搭載している"ステルス・デジタルプロセッシング"をシステムのコアに採用している。ステルス・デジタルプロセッシングはフローティングポイント演算によるスーパーFPGAをベースに高性能チップ"TigerSHARC"を搭載したコンソールの基幹となるアーキテクチャー。DiGiCoの誇る先進のテクノロジーを凝縮し、極めて高品位な音響性能と圧倒的な処理能力を獲得。全てのチャンネルで4バンド・パラメトリックイコライザー、コンプレッサー、フィルター、ゲート、ディレイを自由に設定できる。また、イコライザーおよびコンプレッサーは各ステレオ4chまでダイナミックイコライザーおよびマルチバンドコンプレッサーに切り替えることができ、入力ソースに合わせた柔軟な調整が可能。さらにFXエフェクター(リバーブ、ディレイなど)を4系統、グラフィックイコライザーを16系統搭載し、オペレーターの感性を十分に引き出す細かな音響調整を実現する。


上位機種を継承した優れた操作性と、先進の拡張機能


SD9は上位機種SD7、SD8で培った極めて柔軟な操作性を獲得している。サーフェス上の15インチ大型タッチスクリーンは1画面で12chのセクションを表示可能。24本のタッチセンサー付きモーターフェーダーや機能ごとに色分けして点灯する電子ラベル、タッチした項目が即座に割り当てられるタッチ&ターン・エンコーダーなど、確実なオペレーションをサポートする高い操作性を実現。また、任意のフェーダーを集約できるカスタムバンク、調整頻度の高い操作を記憶するマクロスイッチなど、他のSDシリーズで高い評価を得た優れた機能を継承。瞬時のオペレーションが必要となるライブSRに最適な機能を多数搭載している。


さらにSD9は大規模なSRシステムやマスタリング環境に対応する柔軟な拡張性を備えている。1台のサーフェスにつき、Dラックは2台まで接続可能。Dラックをペアで接続することで64入力32出力のシステム構成を実現し、大規模なSRシステムにも対応する入出力系統を増設できる。また、Waves社のプラグインテクノロジー"Waves SoundGrid"にも近日対応予定。専用のプロセッシングサーバー"SoundGrid Server"と接続することで高い負荷のかかるエフェクト処理を外部で分散処理。Waves社の定評あるプラグインエフェクトおよびグラフィックイコライザーをシステム内で使用できる。


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