KORGがハンディ・タイプの多重録音ツールを発表

KORGSound On Sound
多重録音したトラックは一つ一つ個別にキープ。つまりオーバーダビング・スタイルでマルチトラック録音が可能

KORG Sound On Sound:31,500円


KORGから個性的なハンディ・レコーダーが登場した。ステレオ・コンデンサー・マイクを内蔵し、無制限にサウンドをオーバーダビングしていけるというユニークなものだ。

しかも、いわゆるルーパーに付いているような、音をどんどん重ねていくだけのオーバーダビング機能ではない。本体内には、すべてのオーバーダビング後のトラックに加え、重ねたトラックもソロでキープ。例えば、50回オーバーダビングを繰り返したとしたら、50個のトラックが用意されるのだ。つまり、変則的なマルチトラック・レコーディングを行っているような感覚。当然、これらのトラックはコンピューターへエキスポートして、好きに編集したり、ミックス・ダウンすることができる。

ということは、思い付いたメロディを吹き込むというような記録的なレコーダーではなく、もっとクリエイティブにハーモニーを重ねたり、思い付いたギター・リフを入れるというような多角的な曲作りが可能となる。先述したステレオ・コンデンサー・マイクの内蔵に加え、入力端子としてギター・イン(フォーン)、ライン・イン(ステレオ・ミニ)、マイク・イン(ステレオ・ミニ/プラグイン・パワー対応)も用意されているので、多様なソースを入力できるだろう。

また同社独自のモデリング・テクノロジーREMSを用いたアンプ・シミュレーターやエフェクトなど100種類のプログラムのほか、50種類×4バリエーションのリズム音源も収録。好きなリズムを選んでテンポを設定すれば、それを土台に楽器や声をオーバーダビングしていけるという設計だ。ちなみに、レコーディングは16ビット/44.1kHzのWAVに設定されているので、サウンド・クオリティ的にもそん色はない。

本体はACアダプターのほか、単三電池×2本で駆動。片手で持てるサイズで、重量も140g(電池やMicroSDカードを除く)なので、取り回しも良い。本体のディスプレイはタッチ・パネル式なのも現代的で、録音レベルや曲の再生位置、さらには内蔵エフェクトの中の「TOUCH」プログラムをコントロールすることもできる。この辺はKaoss Padを生み出したKORGらしいところとも言えるだろう。ハンディ・レコーダー市場に新風を巻き込むこのSound On Sound、発売は12月中旬を予定している。


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コルグ


KORG
Sound On Sound
31,500円
■録音フォーマット/WAV(BWF準拠、16ビット/44.1kHz) ■録音時間/使用メモリー・カードに依存:1GB当たり約100分(16ビット、新規ソングへの初回録音時)、1ソングの最長連続録音時間6時間 ■使用可能カード/MicroSD(512MB〜 2GB)、MicroSDHC(4GB〜16GB) ■ディスプレイ/タッチ・パネル(バックライト付きLCD) ■電源/単三電池×2(アルカリ乾電池またはニッケル水素充電池)、別売ACアダプター(KA191) ■外形寸法/69(W)×135(H)×35(D)mm ■重量/140g(メモリー・カード、電池含まず) ■電池寿命/録音時:約10 時間(内蔵マイク使用) ※使用電池や使用状況により変化 ■付属品/動作確認用アルカリ乾電池×2