M-AUDIO Fast Track オープン・プライス(市場予想価格:12,600円前後)
●「シンプル」を貫いたUSB2.0接続機
ホーム・レコーディングを中心に親しまれてきたM-AUDIOのオーディオI/Oシリーズに、新たにリニューアルされたFast Trackがラインナップされた。エントリー/モバイルに用に最適な2イン2アウト機だ。
ブラック×シルバーの渋いボディに、最小限の操作子とツマミを配したシンプル設計。フロントにはマイク入力(XLR)とギター入力(フォーン)を用意し、それぞれにクリップ・インジケーターも付いている。また、コンデンサー・マイクの使用時にはリア側のスイッチで+48Vファンタム電源を供給することも可能だ。ヘッドフォン端子ではダイレクト・モニタリングも行え、レイテンシー対策も万全。
トップ・パネルはマイク・ゲイン、ギター・ゲイン、アウトプットの3つが並ぶだけ。リア・パネルの端子も、コンピューター接続用のUSB、そしてRCAピンのステレオ出力のみ。操作性を重視して辿り着いたであろう、この思い切ったデザインはなかなかクールだ。

▲リア・パネルはRCAピンのライン・アウトL/RとUSB端子というシンプルな構成。右側はマイク入力時の+48Vファンタム電源スイッチ
●Pro Tools M-Powered Essential同梱のメリット
まさに無駄をそぎ落としたという印象だが、それだけでは終わらない。最大のトピックは、先頃アナウンスされた「Pro Tools M-Powered Essential Software」が同梱されていることだろう。いわばPro Tools M-Powered Softwareの機能限定版ではあるが、以下のような特徴を持つDAWソフトだ。
- Mac/Windows対応
- 最大16のオーディオ・トラック(モノラル/ステレオ)、最大8のMIDIトラック
- 60種類を超える楽器音を収録したバーチャル・インストゥルメントStructure Essential付属
- リバーブ、ディレイ、EQ、コンプレッション、コーラス、フランジャー、フェーザーといったプラグイン・エフェクト付属
- 3GBを超えるオーディオ・ループ付属
もちろん、本ソフトのオイシイ部分は、「プロが使っているPro Toolsと同じプラットフォーム」という点。しかもそれがI/O付きで実売12,600円前後で手に入れられるというのはトピックだろう。Pro Tools M-Powered Essential Softwareの機能を拡張したい場合は、有償でPro Tools M-Powered Softwareへのアップグレードも用意されている。
なお、Fast Track自体はASIO2/WDM/Core Audio対応のDAWでも使えるので、既に他社製DAWソフトを持っているユーザーも導入可能。製品出荷は9月末から10月上旬を予定しているという。

▲Pro Tools M-Powered Essential Software。トラック制限などはあるが、基本の操作感はPro Tools上位モデルと一緒だ
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Fast Track製品情報
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