Pro Toolsのギター用プラグインが「ハードウェア」として登場

DIGIDESIGNEleven Rack
Pro Tools LE用I/Oとしても駆動し、かけ録りからリアンプまでUSB一本で実現

DIGIDESIGN Eleven Rack 132,300円



アンプ・シミュレーターとして人気を博しているPro Tools用プラグイン・エフェクト、ElevenLEやFreeなどのバリエーションに続き、とうとうコンピューターから抜け出したハードウェア・モデルが登場した。一見すると単なる2Uのアンプ・シミュレーターのようだが、そこはプラグインからの逆移植。ユーザーのニーズを取り入れた現代的な作りとなっている。


まず本機は、Pro Tools HD/LE SoftwareのインストールされたコンピューターとUSB接続することで、オーディオI/Oになる(パッケージにはPro Tools LEをバンドル)。しかも最大24ビット/96kHzで8ch分のレコーディングが可能。本機で作り込んだアンプ/エフェクト処理をかけ録りできるのはもちろん、ダイレクト音とアンプ音を個別に録音することも可能だ。インプットにはギター用のHi-Zフォーン端子に加え、+48Vファンタム電源付きマイク端子も用意しているので、通常のI/Oとして使えるのもうれしい。


次にユニークなのは、Eleven Rackをリアンプ・ツールとして使用できること。汎用的なアンプ・シミュレーターでも実際にワイアリングすればリアンプは行えるが、本機はUSBルー ティングによって、アナログ・ワイアリング無しでPro Toolsと接続できるのが特長。Pro Tools上の任意のトラックを選び、そこから信号のセンド/リターンを行うだけでリアンプ設定は完了だ。もちろんアンプ/エフェクト処理は、 Eleven Rack内蔵のDSPで行うため、コンピューターのCPUに負荷をかけることもない。
Pro Tools側にはEleven Rack用コントロール画面も用意されており、本機の完全コントロールが可能。選択アンプからエフェクトのルーティングまで視覚的に把握できるので、ソフト/ハードの垣根を気にせずに扱えそうだ。


と、ここまでは非常にサンレコ的な視点だが、肝心のアンプ・シミュレーター部分もギタリストを満足させるべく、こだわり抜いている様子。有名ビン テージ/モダン・アンプを模したプログラムが15種類以上用意されており、いわゆるアンプ・シミュレーターの音作りから一歩進んで、"トーン・クローン" によるリアルなサウンドが期待できるという。"リアルなアンプ・サウンドは入力インピーダンスから"という着目点により、アンプ・モデルによってインピー ダンス・マッチングを自動的に行ってくれるユニークなTrue-Z技術も備え、手応えのあるサウンドが期待できそうだ。


また、7種類のキャビネット・モデルや、8種類のマイク・モデル、そして15種類以上のエフェクト・モデルもスタンバイ。スタンドアローンのアンプ・シミュレーターとして、ライブ用としてもガシガシ使っていけるだろう。



Eleven_Rack_back.jpg

▲リア・パネル。FX LOOP SEND/RETURN L/R×2(フォーン)、MAIN OUTPUT L/R(XLR)、LINE INPUT L/R(フォーン)、OUTPUT to AMP 2(フォーン)、MIDI IN&OUT/THRU、ペダル/フット端子、AES/EBU IN&OUT、S/P DIF IN/OUT(コアキシャル)、USB端子をレイアウト。フロントには、ヘッドフォン端子、OUTPUT to AMP 1(フォーン)、GUITAR INPUT(フォーン)がスタンバイする


 


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Eleven Rack
132,300円
■動作確認ができているMacまたはWindowsコンピューター(Pro Tools LE でEleven Rackを使う場合)、またはPro Tools HD 8.0.1以上を実行する、動作確認ができているPro Tools│HDシステム(信号処理用の外部機器としてEleven Rack を使う場合) ※システム必要条件、および、動作を保証するコンピューター、OS、ハード・ディスク、他社の機器について詳しくは、<