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「SOFTUBE Modular」製品レビュー:Eurorackモジュラー・シンセをモデリングで再現するプラグイン

SOFTUBEModular
モジュラー・シンセの人気は衰えるどころか、ますますの盛り上がりを見せており、既に一つのジャンルにまで到達したような感さえある。そんなモジュラー・シンセ界の立役者であるDOEPFER A-100シリーズなどがSOFTUBEの手によってついにソフトウェア化された。実機のA-100を20年来愛用している僕にとっても気になる製品なので、早速レポートしていこう。

DOEPFER A-100を忠実に再現
オリジナル・モジュールやアドオンも充実

SOFTUBE ModularはDOEPFER A-100シリーズやINTELLIJELなどのEurorackモジュールを丸ごとモデリングし、コンピューターの中にモジュラー・シンセを再現してしまおう、というものだ。スタンドアローンはなくプラグイン方式のみとなっており(Mac/Windows対応でVST/Audio Units)、DAW内でソフト音源として起動すると空っぽのEurorackフレームが出現する。中央左側のADDボタンを押すと、いろいろなモジュールが表示され、そこから好きなものをクリックすればラックに追加できる。前述のA-100シリーズだけでなく、購入当初からModularオリジナルの制御系&コントロール系が充実しているのはありがたい。いろいろなことにチャレンジしようとするとCV信号を混ぜたり制御したりパラッたり、シーケンサーから受けたGateをいじる論理回路的なモジュールなどがどんどん必要になってくる。好きな分だけいくらでも使えるのはソフトウェアの大きな強みだ(しかもガリも接触不良も無い!)。

CPUへの負荷はかなり大きい。プリセットが凝っている、というのではなく、オシレーター・モジュールを1つ入れただけでガツンとCPUメーターがはね上がる感じだ。しかしModular FXプラグインでオーディオ・エフェクトとしてフィルターだけ使ったり、ユーティリティ系やDAWからのデータを制御するモジュールを多用する場合はそれほどでもない。これはオシレーター部分でかなり真面目に演算しているということだろう。例えばA-110 VCOから各波形の出力を直接DAWに取り出してみると、実機と同様、すべての波形出力から鳴りっぱなしの音が得られる。と、こんな部分までハードウェアをそのままモデリングしているのが分かる。

また表示サイズも大きい。フルHDのディスプレイでも2段で表示させたら画面が丸ごと埋まってしまうほどなので、使うにはちょっと覚悟が必要だ。でも表示が大きい分、細かい部分は見やすい。文字がつぶれるような部分もなく、心置きなくDAW内モジュラー・シンセ遊びに没頭できるだろう。

モジュール間の連携の挙動も実機と同感覚
ハードウェアのEurorackとも接続可能

音については、オリジナルのA-100シリーズにとても似ている。A-100がどんな音かご存じない方に誤解を恐れず言葉で説明すると、8ビット音源のような工業的なビキビキ感がありつつ、MOOGにもヒケを取らない豊かな低域、という感じだ。具体例を挙げるとTHE MAD CAPSULE MARKETS「TRIBE」(1999年)でイントロから全編にわたって流れているシーケンスが、僕のA-100の音である。この独特な質感がソフトウェアで再現され、しかも4音ポリで使えてしまうという一点だけでも導入する価値はあると思う。

また感心したのがモジュール間の信号のやり取りがリアルだ、というところだ。モジュラー・シンセというとパッチ・ケーブルを抜いたり差したりといった操作がメインに思われるかもしれないが、その後、各モジュールの設定からが音作りの本番とも言える。ここで、双方のレベルを変える(送り出しを下げ、受け側を上げて、とか)だけで、また音が変わってくる。“こういう音を出したい!”とパッチを組んだ後、それぞれのノブで微調整をしてバシッと良いサウンドが得られる瞬間はとてもうれしいものだ。本ソフトでは実機さながらのそういう感覚が味わえる。

そして、DCカップリング(DCオフセットを取らない)入出力を持つオーディオ・インターフェースなら、外部ハードウェアとCV/Gateをやり取りすることも可能だ。既に“モジュラー沼”にハマっている人も、ピッチが正確でDAWと親和性の高いモジュールを追加する感覚で導入するのも良いのではないだろうか。

▲INTELLIGEL製モジュールをモデリングしたアドオン(すべてオープン・プライス)。左からFM合成用のRubicon(市場予想価格4,400円前後)、2chフィルターのKorgasmatron II(市場予想価格4,400円前後)、ウェーブ・シェイパーのμFold II(市場予想価格2,400円前後) ▲INTELLIGEL製モジュールをモデリングしたアドオン(すべてオープン・プライス)。左からFM合成用のRubicon(市場予想価格4,400円前後)、2chフィルターのKorgasmatron II(市場予想価格4,400円前後)、ウェーブ・シェイパーのμFold II(市場予想価格2,400円前後)
▲アナログ・リズム・マシンをモデリングしたソフト、Heartbeat(オープン・プライス:市場予想価格16,500円前後)のユーザーは、Heartbeatのドラム・チャンネルとEQをモジュールとしてModularに立ち上げることが可能 ▲アナログ・リズム・マシンをモデリングしたソフト、Heartbeat(オープン・プライス:市場予想価格16,500円前後)のユーザーは、Heartbeatのドラム・チャンネルとEQをモジュールとしてModularに立ち上げることが可能

Softube|Modular製品ページ
https://www.mi7.co.jp/products/softube/modular/

サウンド&レコーディング・マガジン 2016年10月号より)

SOFTUBE
Modular
オープン・プライス(市場予想価格:9,200円前後)
REQUIREMENTS ▪Mac:OS X 10.8以降、VST2/VST3/Au dio Units/AAX Native対応のホスト・アプリケーション ▪Windows:Windows 7/8/10、VST2/VST3/AAX Native対応のホスト・アプリケーション ▪共通項目:INTEL Core 2 DuoまたはAMD Athlon 64 X2以降のプロセッサー(INTEL Core I5以上を推奨)、1GB以上のRAM、6GB以上のディスク空き容量、解像度1,20 0×800以上のディスプレイ、PACE iLok Licence Manager(iLok USBキーは無くても可)、ブロードバンド・インターネット環境(ダウンロード&登録用)