FRESHTONEが2011年にリリースした“ファンク＆ソウル系”サンプル・パック『LOST TAPES VOL.1』の好評を得てリリースされた、続編第二弾。ビンテージ楽器を手練れのミュージシャンがプレイ、その息吹をまるごと1970年代初期のミキサーを経由し、STUDERのアナログ・テープ・レコーダーに閉じ込めたという、まさにマニア垂ぜんのライブラリーだ。
ダウンロード形式で提供される本製品は3.31GBの大容量で、収録形式は使い勝手の良いWAVとREX2ファイルの２種類。その内容は、75〜165と幅広いBPMレンジを持つ150種類の“Full Jams Loop”（40曲相当！）に加え、そこからブラスを省いた“Cutdown Jams”、そして上記Full Jams Loopsから抜き出された1,000種類近くのドラム／パーカッション／ベース／ギター／キーボード／ブラスの各単独フレーズ＋ドラム・フィルで構成されている。また、“Drum Loops”に至っては、楽曲中にポンと放り込んでナチュラルに使える“Raw Drum Loop”と、さらに大胆な音色変化を加えた、“Tweaked Drum Loop”がそれぞれ用意されており、ユーザー目線のこうした配慮がうれしい。
早速使ってみた印象は、“演奏がしっかりしている”ということ。ツボを押さえたプレイが、ぐいぐいと小気味良く楽曲にフィットし、数十年前の、あの空気感をトラックへ即座に付加できる。モダン＆レトロなハイブリッド音像も一瞬にして実現可能なのだ。また、手持ちのプラグインで、テープ・マシン特有のワウ・フラッターの揺れやヒス・ノイズ、または音を大胆に飽和させひずませたサチュレーション効果など、テープ録音の副産物である要素をさらに与え、音像を過剰に演出しても面白いだろう。“故きを温ねて新しきを知る”……テープ・マシン未体験の、若い世代の方々にこそ体感していただきたいサウンドだ。
