「Sara Garvey Vocal Sessions」製品レビュー:エレクトロ〜アンビエントまで幅広いジャンルに対応する女性ボーカルの素材集

SAMPLEPHONICSSara Garvey Vocal Sessions

ダブステップやエレクトロ・ハウスなどを得意とし、非常に即戦力となる単音、ループ素材、コンストラクション・キット、そして音質クオリティの高さに定評のあるSAMPLEPHONICSからリリースされたボーカル・ライブラリー。フォーマットはWAV、収録総容量は約215MB。 クセがなく透明感があり、いわゆるオールラウンダーな女性シンガーという印象のサラ・ガーヴェイを起用しており、カバーするジャンルとしては、アンビエント、ハウス全般、エレクトロニカなどのダンス・ミュージックからメロウなR&Bまでと幅広い。収録テンポは80〜120BPMで、6種類のボーカルのみのコンストラクション・キットのほかに、フェイク、アドリブ・フレーズ、さらにはウーアー系コーラスなどが、合計313種類も収録されている。例えば、サンプル素材などで即席に組んだリズム・トラックの上に同サンプルを幾つつか並べてみるだけで、オシャレなカフェで流れているような雰囲気をすぐ作れてしまう。もちろん、楽曲として仕上げる際は、キーを自分で合わせる必要があるが、それぞれのデータのタイトルには、キーやフレーズの種類(アドリブ、ハーモニー、バース)などを表記してくれているのはうれしい仕様だ。しかも収録データのほとんどがドライな状態なので、自分の好きなように加工ができ、汎用性が高い。 筆者はときどき一部分だけ外国人の声でフェイクやシャウトを入れたいときがある。例えばサビ前の1小節ブレイクの部分など、そんなときに本ライブラリーはとても便利だと思う。個人的にはファイルのキーに合わせてANTARES Auto Tuneなどを強めにかけると、より今っぽい雰囲気が出てオススメ。その上でさらに細かくチョップ、スライスして並べ替えるなど工夫していけば、スクリレックスのような特徴的なボーカル・プロダクションも構築可能だと思う。

SAMPLEPHONICS
Sara Garvey Vocal Sessions
4,200円(為替レートによる価格の変動あり。表記の価格は2014年8月8日現在のもの)
●ダウンロード販売●容量:約215MB ●DATA FORMAT:WAV