「INTERNET Ability Pro」製品レビュー:作曲を支援する独自機能を満載したWindows用国産DAWソフト

INTERNETAbility Pro
1980年代半ばから90年代初頭、MIDIシーケンス・ソフトの草創期から発展期にかけては、海外勢に混じって多数の国産ソフトが頑張っていました。21世紀に入りDAWへと音楽制作ソフトウェアがその形態をシフトしていく中、気が付くと国産のソフトウェアはINTERNET Singer Song Writerのみになっていました。その唯一の国産DAWであるSinger Song Writerがオーディオ・エンジンなどをリニューアルして新たにAbilityシリーズとして生まれ変わりました。

64ビット浮動小数点エンジンをはじめ
多数の新機能を装備


まず主なスペックやトピック、特筆すべき機能などを列挙し、順を追って説明していきましょう。なおAbilityはWindows用で、2つのグレードがありますが、今回は上位グレードのAbility Proをチェックしました。ですので、本稿で紹介する機能は基本的にAbility Proのものです。①64/32ビット浮動小数点モードの切り替えが可能な新たなオーディオ・エンジンの搭載②テイクのコンピングに便利なActiveモードとChainモード③ハーモナイズ機能が搭載された“ボーカルエディタ”④フェーダーのプリとポストにそれぞれ8つのインサートが使用できるエフェクト・システム⑤8つまでのエフェクトが使用できるかけ録り用のRec EFFECT⑥選択したトラックのミキサー設定を一画面でまとめて行うことができる“オーディオミキサーインスペクタ”⑦SONNOX製のEqualizer & Filters、Limiter、Reverbや音質補修用に3種類のRestorationがバンドル⑧SpectralをはじめとしたLINPLUG製のVSTインストゥルメントやNATIVE INSTRUMENTS Kontakt 5 Player、Reaktor 5 Player、Guitar Rig Elements Selectionを含むKomplete Elementsがバンドル⑨YAMAHA Vocaloid EditorをReWire接続で扱えるVSTプラグインを収録⑩ピアノロール/スコア/ステップの3種類が用意された“MIDIエディタ”⑪MIDIフレーズRECプール⑫外部のマイク入力やライン入力などから入力した歌声や各種の楽器の音をリアルタイムでMIDIに変換するシングtoスコア機能⑬コード自動判定機能やコード進行データベース、EZアレンジなどのコンポーズ/アレンジ/リミックス支援機能⑭“メディアブラウザ”を搭載し、およそ70ジャンル/3,900種類のオーディオ・データ(Acidファイル)と3,400種類のMIDIデータを収録⑮ホスト/クライアント両方のReWireモードに対応⑯USBメモリーを使ったアクティベーション 

ピッチも操れる“ボーカルエディタ”に
ハーモニー機能を搭載


それではピックアップした幾つかのポイントについて詳細をチェックしましょう。まずはオーディオ関係から。今回のリニューアルの中心となっているのが新たなオーディオ・エンジンの搭載です。DAWの心臓部とも言えるオーディオ・エンジンが64ビット浮動小数点での内部処理が可能となり、また細部をブラッシュ・アップすることで音質の向上が図られました。マルチコアCPUではオーディオ・プロセッシングの並列処理もでき、最大24ビット/192kHzまでのオーディオ・フォーマットに対応しています。処理モードは64/32ビットの切り替えが可能で、マシン・パワーに合わせて選択できます。デフォルトでは32ビットになっているので、高音質を望むユーザーは設定メニューにある“録音/演奏の設定”の“演奏オプション”で64ビットに切り替えましょう。オーディオ・トラックの基本的な機能も大きくブラッシュ・アップされました。一つのトラックに対しバーチャル・オーディオ・トラックで複数のテイクを録音できるのですが、その複数のテイクから最良のものを選択してベスト・テイクを作るコンピングがActiveモードとChainモードによって簡単にできるようになりました(画面①)。
▲画面① Chainモードでトラック・コンピング(複数テイクの良い部分を1つにまとめる作業)。部分ごとに任意のテイクを指定するだけで、1本のつながったテイクとして扱うことができる ▲画面① Chainモードでトラック・コンピング(複数テイクの良い部分を1つにまとめる作業)。部分ごとに任意のテイクを指定するだけで、1本のつながったテイクとして扱うことができる
 複数のトラックから再生したいトラックを指定するのがActiveモード、再生する部分をオーディオ・イベント単位で指定するのがChainモード。一人で歌やギターなどをループ・レコーディングしてOKテイクを作るときなどに必携の機能です。オーディオ関係の機能で一番のトピックと言えるのがボーカルエディタです。オーディオ・トラックに録音されたイベントを選択して右クリックで“ボーカルエディタで開く”を実行すると、設定ダイアログが表示されます。バックグラウンド・ノイズがひどい状態で録音されたものなど特殊なケース以外はデフォルトの設定で問題はありません。オーディオの波形の上にMIDIのピアノロールのように音高がレイヤーで表示される定番のスタイルです(画面②)。
▲画面② ボーカルエディタは、オーディオからピッチを検出し、波形とともにピアノロールとピッチ・カーブを表示。ノートの変更やビブラート・ラインの書き込みなども行える。タイミングや音の長さも調整可能 ▲画面② ボーカルエディタは、オーディオからピッチを検出し、波形とともにピアノロールとピッチ・カーブを表示。ノートの変更やビブラート・ラインの書き込みなども行える。タイミングや音の長さも調整可能
 波形の音程を示している細い線はピッチ・ライン。MIDIノートのようなものはブロックと呼ばれ、ピッチ・ラインを編集しやすいようにまとめたものです。ブロックを分割/結合することも可能。ビブラートの具合などはペンシル・ツールでピッチ・ラインを直接書き直せますし、ブロックを選択して右クリックの“ビブラートの設定”で各パラメーターを設定する方法でも修正できます。ユニークなのが録音されたトラックに自動でハーモニーをつけてくれる“AUTOハーモナイズ”(画面③)。
▲画面③ AUTOハーモナイズでは原音に3声のハーモニーを追加可能。コード・トラックでコード指定しておけば、そのコードに沿ったハモリもできる。1声ごとのオーディオ書き出しにも対応している ▲画面③ AUTOハーモナイズでは原音に3声のハーモニーを追加可能。コード・トラックでコード指定しておけば、そのコードに沿ったハモリもできる。1声ごとのオーディオ書き出しにも対応している
 最大で原音+3声で、ハモり方も事前に指定したコード・トラックに沿ったコード・トーンや、スケール・アプローチを中心にドミナントやクロマチックのアプローチを絡めることもできます。使用する際にはコード・トラックにコードが入力されていることやソングのキー(調)が正しく設定されていること、また元となるトラックのブロックが意図した音程で認識されている必要があります。また各ハーモニーは1声ごとに個別のトラックとして書き出すことが可能です。 

プラグイン・エフェクトのかけ録りや
ポストフェーダー・インサートが可能


Ability Proのミキサーはユニークで、フェーダー&パンの前後に別々のインサート・エフェクトが設けられています。ポストフェーダーでのエフェクト処理は、通常のDAWソフトではバス送りでAUXトラックなどを用意しなければいけませんが、その手間を必要としません。また選択したトラックのトリムやインサート・エフェクト、センドの状態などが一望できる“オーディオミキサーインスペクタ”を搭載(画面④)。そこにかけ録り用に8つまでのエフェクトがインサートできるRec EFFECTスロットも用意されています。
▲画面④ オーディオ・トラックの各チャンネルにある機能を集約した“オ ーディオミキサーインスペクタ”。各8つあるスロットは、左から録音時のかけ録りエフェクト用のRec Effect、フェーダー前でかけるPre Effect、メーターなどに使いやすいポストフェーダー用のPost Effect。一番右端は8系統のセンド ▲画面④ オーディオ・トラックの各チャンネルにある機能を集約した“オーディオミキサーインスペクタ”。各8つあるスロットは、左から録音時のかけ録りエフェクト用のRec Effect、フェーダー前でかけるPre Effect、メーターなどに使いやすいポストフェーダー用のPost Effect。一番右端は8系統のセンド
 バンドルされているプラグインですが、コンプ、EQ、リバーブといった重要なところはSONNOXのエフェクトが用意されています。De-Buzzer、De-Clicker、De-Noiserというノイズを除去したり音質を補修するための3種類のレストレーション・エフェクトもSONNOXで、そのほか自社製のものを合わせると基本的なものからピッチ・コレクト、ボコーダーのような飛び道具系まで一通り用意されています。インストゥルメントに関してはLINPLUGとNATIVE INSTRUMENTSのものが中心(画面⑤)。
▲画面⑤ NATIVE INSTRUMENTSのサンプル・プレイバック型音源、Kontakt 5 Playerが付属。同社の製品ではReaktor  5 PlayerやGuitar Rig 5 Elements Selectionも同梱される。エフェクトではSONNOX製のもののほか、ボコーダーなどオリジナル・プラグインも多数収録 ▲画面⑤ NATIVE INSTRUMENTSのサンプル・プレイバック型音源、Kontakt 5 Playerが付属。同社の製品ではReaktor 5 PlayerやGuitar Rig 5 Elements Selectionも同梱される。エフェクトではSONNOX製のもののほか、ボコーダーなどオリジナル・プラグインも多数収録
 ピアノ、ベース、ドラム、オルガンなど基本的なところや、LINPLUG製品ではドラム・シンセRMV(画面⑥)、サックス専用のSaxlab 2まで幅広く押さえています。
▲画面⑥ アナログ・モデリングとサンプル・プレイバックを組み合わせたLINPLUGのリズム音源RMV。同社製品ではサックス専用のSaxlab2、アナログ・モデリングのAl pha3、サンプル・プレイバック型のCRX4といった、単体製品としても人気のソフト音源が付属している ▲画面⑥ アナログ・モデリングとサンプル・プレイバックを組み合わせたLINPLUGのリズム音源RMV。同社製品ではサックス専用のSaxlab2、アナログ・モデリングのAlpha3、サンプル・プレイバック型のCRX4といった、単体製品としても人気のソフト音源が付属している
 懐かしいROLAND SCシリーズをソフト化したGM/GS音源Hyper Canvasもあります。またYAMAHA Vocaloid 3 EditorをReWire対応のアプリケーションとして扱うVocaloid ReWireも用意されています。 

再生中に弾いた演奏もMIDIでストック
音声からのMIDI変換も可能


さあMIDI周りに目を移しましょう。MIDI編集画面としては定番とも言えるピアノロール/スコア/ステップの3種類が用意されています。ピアノロールとスコア・エディターにはステップ・エディターも右側に表示可能(画面⑦)。
▲画面⑦ ピアノロール・エディターの右側に、ステップ・エディターを同時に表示可能。MIDIキーボードやマウスでの入力だけではなく、テンキーで数値入力してデータを作成していくこともできる ▲画面⑦ ピアノロール・エディターの右側に、ステップ・エディターを同時に表示可能。MIDIキーボードやマウスでの入力だけではなく、テンキーで数値入力してデータを作成していくこともできる
 単独のステップ・エディターの使用頻度はあまり高くないと思いますが、何と言ってもAbility ProのMIDIの最大の特徴はこのステップ・エディター部分にあります。まずは次の音までの長さを表すステップ・タイムと、実際に発音されるゲート・タイムという概念や、休符も独立したデータとして表示されることに少し戸惑うかもしれません。しかし誌面の都合で詳しい説明は割愛させてもらいますが、この表記法とテン・キーを使った数値入力の操作法の利点は“打ち込み”という言葉が似合うテンポのいい作業ができることです。それが今でも職人とも言えるMIDIのヘビー・ユーザーたちが前身であるSinger Song Writerを愛用し続ける理由であると思います。僕も久しぶりにステップ入力で音程をノート・ナンバー(C4=60というヤツです)で入力しEnterキーを打ちまくりましたが、なんというか日本の伝統芸能としての“打ち込み”を思い出した感じで、久々にステップ入力で燃えました。余談ですがその昔、テン・キーで音程やベロシティなどのパラメーター・バリューを入力しEnterキーで次の音符へと進むという動作を、キーボードを素早くリズミカルにたたきながら行うところからMIDIプログラミングは“打ち込み”と呼ばれたのです。少々話が脱線しましたがAbilityにはMIDIの音源機器固有のパラメーターをコントロールするエクスクルーシブ・データを作成するための専用エディターが用意されているところなどにも、MIDI職人たちが愛用していたSinger Song Writerの名残を感じます。話を戻しましょう。MIDIフレーズRECプールはユニークで便利な機能です(画面⑧)。
▲画面⑧ RECボタンを押していなくても、再生中に演奏した内容を自動的にMIDIファイルとしてキープしてくれるMIDIフレーズRECプール機能。録りためたMIDIファイルは、あらかじめ指定された場所に格納されており、更新日時やパート名を参考に探して使用することができる ▲画面⑧ RECボタンを押していなくても、再生中に演奏した内容を自動的にMIDIファイルとしてキープしてくれるMIDIフレーズRECプール機能。録りためたMIDIファイルは、あらかじめ指定された場所に格納されており、更新日時やパート名を参考に探して使用することができる
 これは後述する“メディアブラウザ”のプール・パネルで自動録音ボタンをONにしておけば、ソングの再生中に演奏していたMIDIデータを自動的にファイルとして保存しておく機能です。“録っておけば良かった……”という後悔から解放されます。“シングtoスコア”もSinger Song Writerで話題になった面白い機能。いわゆる鼻歌入力と呼ばれるものです(画面⑨)。
▲画面⑨ 鼻歌などのモノフォニック入力のオーディオをMIDIに変換するシングtoスコア ▲画面⑨ 鼻歌などのモノフォニック入力のオーディオをMIDIに変換するシングtoスコア
 声質や歌い方などで変換精度に差はありますが、慣れるとメモとしての実用性は十分あります。鍵盤がどうしても苦手な人には手軽で良いかもしれません。

解析&入力したコード・ネームを元に
素材をトランスポーズ


また、さまざまな作編曲の支援機能はAbility Proの大きな魅力であり、一番個性を感じる部分です。まずこれらの機能の多くを使う上ではスコアの設定ダイアログに曲の調性(キー)が、コード・トラックにコード進行が入力されていることが重要なポイントになります(画面⑩)。
▲画面⑩ コード・トラック。ボーカルエディタのAUTOハーモナイズや付属のアレンジ・データを、ここに入力したコード進行に従わせることができる。ジャズのマイナス・ワン(カラオケ)などの作成も簡単。この例では使っていないが、分数コードやテンションにも対応する ▲画面⑩ コード・トラック。ボーカルエディタのAUTOハーモナイズや付属のアレンジ・データを、ここに入力したコード進行に従わせることができる。ジャズのマイナス・ワン(カラオケ)などの作成も簡単。この例では使っていないが、分数コードやテンションにも対応する
 しかし現実的にはキーはともかくコード進行などは作りながら考えている人の方が圧倒的に多数です。またコード・ネームを判断するというのは意外と難しく骨の折れる作業でそれを苦手としている人も多く、自分自身が演奏したものが“コード・ネームだと何だっけ?”と悩む人は数多くいると思います。そんな悩みを解消するために、選択したトラックのメロディや和音からコード・ネームを判定するのがコード自動判定機能です。判定の元となるトラックをスコア・エディターで開き、アレンジ・パネル・ボタンをクリックしてアレンジ・モードをオンにし、コード判定ボタンをクリックします。判定する範囲や、メロディのみで判定するのか、選択範囲の全パートから判定するのかなどを設定します。その曲の調(キー)が分かっていない場合は、明るい/暗い(メジャー/マイナー)を選択すれば、調を含めて自動的に判断してくれます。この機能は、メロディの構成音だけではなく、コード進行パターンのデータベースなどから解析し、コードの前後関係なども含めて判定します。なので当該小節だけではなく、イントロ/Aメロ/Bメロなどとセクションごと細かく範囲指定した方が、より正確にコードが判定できる場合がありました。コード進行パターンのデータベースや前後関係を考慮せず、構成音のみで判断するコード生成機能もあり。場合によってはこちらの方が意図した結果に近いこともあったので状況に応じて使い分けが必要です。気に入ったコード進行が見つかったら入力ボタンでコード・トラックへ簡単に入力できます。こうした解析は分数コードに対応していないので、100%満足のいく判定がいつも得られるとは限りませんが、判断のアシストの役割は果たしてくれます。コードが分かっている場合はコード入力ツールで入力が可能。こちらは分数コードやテンションにも対応しています。コード・トラックでコードが指定されるとそれに基づき動作する機能が幾つかあります。例えば、通常のもの以外にキー、コードの変更に合わせてトランスポーズするMIDI PHRASEトラック。1小節のバッキング・パターンやシーケンス・フレ
ーズを作り、それを繰り返せば自動的にコード進行に添って変化してくれます。また、EZアレンジはコード・トラックとマーカー・トラックにI(イントロ)、A 、B 、S(サビ)、E(エンディング)などの頭文字で構成が入力されていれば、あとは音楽のジャンルを選ぶだけで構成に合わせて展開する簡単なバッキングを作ってくれる機能です。あとコード進行に合わせて使用できるスケールを五線や鍵盤、ギターの指板で表示してくれるスケール・ウィンドウや、指定したスタンダードMIDIファイルを分析してメロディを生成してくれる機能などユニークなものもあります。

MIDI&オーディオ・フレーズに加え
コード進行もストック可能


このようにAbility Proはキーやコードが指定されていれば作業効率が大幅にアップします。すぐに制作に取りかかれるように70ジャンル/3,900種類のオーディオ・ループと3,400種類のMIDIフレーズ・データが付属していますが、それらの素材を一元管理するために用意されたのが“メディアブラウザ”です。アレンジ、フレーズ、コード、プールの4つのパネルがあり、オーディオ・ループやMIDIフレーズはフレーズ・パネルに、前述したMIDIフレーズRECプールのファイルはプール・パネルに収納されています。コード・パネルはコード・トラック用のコード進行専用ファイルを収納(画面⑪)。あるコードを手掛かりに、次の候補を表示できるので、“この次はどうしようかな”と迷ったときに重宝します。
▲画面⑪ メディアブラウザのコード・パネル。コード進行のひな形がたくさん用意されており、コード・トラックにインポートが可能 ▲画面⑪ メディアブラウザのコード・パネル。コード進行のひな形がたくさん用意されており、コード・トラックにインポートが可能
 また、便利なのは4リズムやブラス、ストリングスといった各パートがアレンジされた状態でセットとなっているアレンジ・データ(画面⑫)です。
▲画面⑫ メディアブラウザのアレンジ・パネル。アレンジ・データは複数のパートがアレンジされた状態で用意されており、任意のパートだけでも活用可能。デモ作りやアイディアを練る際に、いちいち打ち込まなくても良いため、アイディアを逃さずに作業が継続できる ▲画面⑫ メディアブラウザのアレンジ・パネル。アレンジ・データは複数のパートがアレンジされた状態で用意されており、任意のパートだけでも活用可能。デモ作りやアイディアを練る際に、いちいち打ち込まなくても良いため、アイディアを逃さずに作業が継続できる
 全パートでも一部のパートでも、選択した範囲だけを、ソングのコード進行に合わせた状態で張り付けることもできます。オリジナル・フレーズを作って登録することも可能で、各種データをドラッグ&ドロップするだけでバック・トラックの制作やリミックスなどが行えます。またホスト/クライアント両方のReWireモードに対応しているので、ほかのDAWと共存させることも可能です。 何と言ってもコード進行に重点を置いて作る人にとっては最高の作編曲のアシスト・ツールになるのは間違いありません。オーディオ機能も強化され、唯一の国産DAWとして今後も進化していくことを期待します。  (サウンド&レコーディング・マガジン 2014年8月号より) 
INTERNET
Ability Pro
56,000円 クロスアップグレード/初回限定版:33,000円、通常版:38,000円 アカデミック版:38,000円
▪Windows:Windows Vista/7/8/8.1(32/64ビット)、INTELまたはAMD製デュアル・コア・プロセッサー、2GB以上のメモリー、16GB以上のハード・ディスク空き容量、1,280×800ドット以上のディスプレイ、ASIO対応オーディオI/O推奨、DVD-ROMドライブ、USBメモリー(アクティベーション使用時)