「BIG FISH AUDIO ELEVATE」製品レビュー:生バンド系サウンドを手軽に取り入れられる大容量サンプル・ライブラリー

BIG FISH AUDIOELEVATE

ELEVATEは、生のバンド系サウンドを約11GBと大量収録したライブラリー。収録形式はWAV、AIFF、REX2、AppleLoopsで、ドラムのほか、ベース、ギター、キーボード、ピアノ、ボーカルのループ・フレーズがそれぞれテンポ違いでフォルダー分けされていて、ドラムとボーカル以外は、コード進行がファイル名に書かれている。サウンドは、U2やコールドプレイなどのバンドをイメージさせるものがメインで、自分がそういったバンドのエンジニアやプロデューサーになった気分で自由にフレーズを組み合わせたり、サウンド・デザインできる点が特徴的だろう。全フォーマットを試した中で効率よくブラウズできたのは、REX2ファイルを使用しSPECTRASONICS Stylus RMXにインポートする方法。ソフト・シンセ感覚で作業することが可能である。筆者は実際に85BPMのドラム、ピアノ、ベース、ギターの音源をインポートして作業してみた。最初に使用する全ファイルをDAWに取り込みループ化し、ミュートのオン/オフを使って音楽を構築。最近はDJアーティストも含め、海外ではこのスタイルで楽曲制作していることが非常に多いが、ただこの方法だけでは、コード進行がシンプルで、いわゆる洋楽スタイルのみしか作れないので、実際にはサンプルのコード進行の組み合わせを工夫したり、メロディに添ったJポップ的な展開を作るなど、個々の音楽スタイルにうまく当てはめていけるかが本製品を使いこなすポイントだ。またアレンジという長時間の作業に対し、本製品を使えば短時間でハイクオリティのイメージングができることは大きな魅力であり、サウンド・アプローチの参考になることは多い。そしてELEVATEに加えてアルペジエイターやアナログ・シンセ、エフェクターなどを加えていくことでループの単調さを回避し、より魅力的なトラック・メイキングの可能性を広げてくれそうだ。

BIG FISH AUDIO
ELEVATE
13,230円(為替レートによる価格の変動あり。表記の価格は2014年3月3日現在のもの)
●ダウンロード販売●容量:約11.11GB ●DATA FORMAT:WAV、AIFF、Apple Loops、REX2