「ARTURIA Keylab 61」製品レビュー:専用MIDIコントローラーで直感的に操作できるソフト音源の最新版

このところソフトウェアに専用コントローラーを組み合わせ、ハードウェアのみで操作可能なアイテムが流行している。そんな中発表されたARTURIA Keylabシリーズは、ハードウェアのMIDIコントローラー“Keylab”とソフト・シンセ“Analog Lab”をバンドルした、Analog Factoryの後継とも言える製品。お得意のビンテージ・シンセをシミュレートしたソフト音源と、専用MIDIコントローラーをセットにすることで生み出される抜群のマッチングは、サード・パーティ製のコントローラーでは得られない操作感だ。

ARTURIAKeylab 61
このところソフトウェアに専用コントローラーを組み合わせ、ハードウェアのみで操作可能なアイテムが流行している。そんな中発表されたARTURIA Keylabシリーズは、ハードウェアのMIDIコントローラー“Keylab”とソフト・シンセ“Analog Lab”をバンドルした、Analog Factoryの後継とも言える製品。お得意のビンテージ・シンセをシミュレートしたソフト音源と、専用MIDIコントローラーをセットにすることで生み出される抜群のマッチングは、サード・パーティ製のコントローラーでは得られない操作感だ。

薄くスタイリッシュなMIDI鍵盤部
しっかりした作りで弾きやすい


今回筆者が試したのは61鍵モデルだが、ほかに49鍵(50,400円)、25鍵(33,600円)モデルもラインナップされている。Analog Factoryのコントローラーもそうだったが、筆者が一番気に入っているのはその“薄さ”だ。一般的なMIDIキーボードよりも高さが抑えられており、サイドや手前側の造形もスタイリッシュで、机に置いた際にスッキリと見える。鍵盤はベロシティ/アフター・タッチ付き。非常に弾きやすく、ボディが薄い割に鍵盤を押したときのカタカタ音が少なく、作業の邪魔にならない。スライダーやエンコーダー・ノブには適度な重さがあり、操作しやすい。全体的に作りがしっかりしており、ハードウェアとしてとても優秀だ。 

従来のシミュレーションを引き継ぎつつ
インターフェースが改良されたソフト


肝心の音源部=Analog Labだが、MOOG Minimoog、SEQUENTIAL Prophet-5、ROLAND Jupiter-8、YAMAHA CS80などアナログ・シンセの名機を一通りシミュレートしており、各実機の特色/得意分野を的確にとらえたプリセットは、どれも“使える”ものばかり。基本的には従来のシリーズを踏襲した内容となっているが、インターフェースは大きく改善されている。中でも“STUDIO”という右上のウィンドウには、スタジオにシンセが所狭しと並んだグラフィックが表示され、選択したシンセがスポット・ライトで照らされるという演出。肝心のプリセット・ウィンドウもブラウジングがやりやすくなっているでは操作の手順を見てみよう。まず“SOUND”タブで目的の音色を探していく。全部で5,000あるプリセットの中から“TYPE”“CHARACTARISTICS”“INSTRUMENT”でソートして検索が可能だ。例えば“Dark”で“Soft”な“Pad”を選択すれば、43プリセットにまで絞り込むことができる。ここからエディットを加えていくのだが、Keylab上のすべてのノブ/スライダーがソフト上にあり、パラメーターの状態が表示されているので、それを見ながら操作できるのは大きな利点。なお、各ノブ/スライダーには任意のパラメーターをアサイン可能。初心者はハードルが高く感じるかもしれないが、こちらもクリック1つとユーザー・フレンドリーな仕様になっている。こうして目的の音色を作っていくわけだが、ここまでの工程はすべて一度もコンピューターに触れることなく、Keylab上のみで行うことができた。ハードウェア・シンセサイザーの操作感覚に近く、直感的な音作りに大きく寄与している。ほかにAnalog Labには“MULTI”モードも搭載されており、2系統までのシンセをレイヤー/スプリットできる。ここではエフェクトも2系統使用できるので、いわゆるアナログ・シンセの枠を超えた音作りも可能だ。また“LIVE”モードでは“SOUND”“MULTI”モードで作った音色をドラッグ&ドロップで簡単に“SNAPSHOT”ボタンにアサイン可能。ボタン一つで簡単に音色が切り替えられるので、ライブ/制作を問わず便利に使える機能と言える。またKeylabの右上にある16パッドには、単音またはコードをアサインできる。これもクリックして選択するのみと簡単なので、うまく活用すれば、ただ鍵盤を弾くよりもアグレッシブな使い方ができそうだ。 KeylabはこれまでのARTURIAのノウハウが集約されたプロダクトで、ソフト・メーカーならではの気遣いが随所に見受けられる。コンピューターに触れずにほとんどの作業を完結できるところまで、完成度が高まっているように感じた。   (サウンド&レコーディング・マガジン 2014年3月号より)
ARTURIA
Keylab 61
63,000円
【Keylab 61】 ▪外形寸法:878(W)×70(H)×298(D)mm ▪重量:7.3kg 【REQUIREMENTS(Analog Lab)】 ▪Mac:Mac OS X 10.6以降、2GHzのマルチコア・プロセッサー、2GB以上のRAM ▪Windows:Windows 7/8、2GHzのマルチコア・プロセッサー、2GB以上のRAM ▪対応フォーマット:スタンドアローン、VST、RTAS、AAX