「ICONNECTIVITY IConnectMIDI2+」製品レビュー:コンピューターとiOS機をつなぐMIDI&オーディオ・インターフェース

ICONNECTIVITYIConnectMIDI2+
ザザーン、崖の上から“ありがとう〜〜!”と叫びたくなるくらい素晴らしい製品、 IConnect MIDI2+。この製品はAPPLE iPad/iPhoneとコンピューターを、MIDIとオーディオの両方で接続してくれる画期的なデバイスなのです。紹介したくてウズウズしています。早速見ていきます。

反応が早くゆらぎの少ないMIDI伝送
アプリからのオーディオ伝送も可能


この製品は2つのUSBポート、2系統のMIDI入出力を装備しています。簡単に言うと2つのUSBポートはそれぞれMac/WindowsマシンまたはiOSデバイスを接続。さらにMIDI入出力にMIDIキーボードを接続すると3台のデバイスのMIDIデータのやり取りができます。また、IConnectMIDI2+は見かけ上iOSのオーディオ・インターフェースとなってくれます。例えば、私のiPad2のオーディオをIConnectMIDI2+から直接コンピューターに録音できるのです。それではつないでみましょう。まずは、付属の30ピンDockケーブルを使ってPort1とiPad2を接続、Port2にはAPPLE Mac Pro、MIDI IN1にMIDIキーボードを接続。これだけです。付属のPDFマニュアルを見ると、結構なページ数で設定ソフトIConfigの説明などが書いてあります。でも“Q.マニュアルを読む必要がありますか?”“A.読まなくてもほとんどのことができます”とも書いてあります。ラッキー! 読まないでどこまでできるかやってみることにします。本体の電源ボタンを押し、MIDIキーボードを弾くとMIDI 1のインジケーターがちかちか光ります。接続はうまくいっているようです。Mac Proの“Audio MIDI設定”を開くと、MIDI画面には IConnect MIDI2+のアイコンがもう出現していて、4つの入出力を備えるMIDIインターフェースと認識されています。そしてオーディオ設定画面に切り替えると ここにも既にIConnectMIDI2+がリストに追加されています。ここで、私のオーディオ・インターフェースSTENIBERG UR22とIConnectMIDI2+を見かけ上で1つのインターフェースにするために、“オーディオ装置のセット”を作成。セットの名前を“IConnect+UR22”としました。ではDAWソフトであるAPPLE Logic Pro Xを立ち上げて、オーディオ設定でiConnect+UR22を選択。トラックのMIDI入力を見ると、“iCM2USB“というMIDI入力が現われています。試しに鍵盤を弾いてみると、既にiCM2USBにMIDIデータが来ています。普通のMIDIインターフェースと使い勝手に全く違いがありません。iPad2の音を聴きたいですね。iPad2にソフト・シンセのWALDORF Naveを立ち上げて鳴らしてみます。Logic Pro Xでオーディオ・トラックを追加して、入力を“1−2”にすると、来ない?……そうか! “1−2”はUR22なので“3−4”に変えると、来た! この状態で聴くNaveはすごく良い音……そりゃそうだ、アナログを経由していない分シンセの持つそのままの音が出力されているのです。ここでMIDIデータ・アウトをiCM2USB3にアサインすると簡単にNaveの音がMIDI鍵盤で弾けるようになりました。弾いてみると、音の反応がいいなあ……普通にハードのシンセを弾いているようです。反応の速度の実験もしてみました。Naveのハイハット音色を選び、4分音符で打ち込んでLogic Pro Xに録音。波形を見てみるとさすがにソフト・シンセのようにグリッドぴったりとはいきませんが、普通にハード・シンセを録音したときのように少し遅れがありながらも、タイミングのゆらぎは無くぴったり並んでいます。優秀です。 

iPad上の動きをDAWソフトに記録
フィジカル・コントローラー的な使い方も


Mac→iPadのMIDI送信ができるのなら 逆にiPad→Macもできるのかな? NaveのMIDI OUTをONにして、iPadの鍵盤を触ってみると……うおお、すごい! もうLogic Pro Xにデータが来ています。じゃあ、NaveのXYパッドで音色をグリグリさせても覚えるのか?と思いMIDIトラックに記録してみると、見事音色変化のパラメーターも再現できます。ということは、もうこれだけでiPadをフィジカル・コントローラーとしても使えるんだ! すごいですね。もう一つ、PolyChordというiPadアプリでも試してみました。これはキーとコード・ネームを押さえるとコードを鳴らしてくれるのですが、これも完ぺき。Logic Pro XにちゃんとMIDIが来ます。さらにアルペジエイターを使っても、その通りのMIDIデータがLogic Pro Xに送られてきました。 本当にマニュアルを見ないでほとんどできてしまいましたが、IConfigを使えばポートのルーティングや名前の設定、フィルタリングなどさまざまなことができます。iPadの音がMacに送れる上に、iPadでMIDIも使えて、フィジカル・コントローラーにもなるなんて、あまりにも素晴らしくてすぐ注文しちゃいました。ちなみに、iPadのMusicアプリで再生した音楽もちゃんと聴けます。また、今回は試せませんでしたが、USB Port1にはiOSデバイスだけでなく、普通のコンピューターもつなげられます。こちらもさまざまなアイディアで使っていけそうです。お値段も手ごろで申し分ありません。iPadユーザーのマスト・アイテムと言えるでしょう。
 
▲リア・パネル。MIDI IN/OUT×2、iOS給電用電源アダプター(別売り:3,780円)を使用する際のDC入力 ▲リア・パネル。MIDI IN/OUT×2、iOS給電用電源アダプター(別売り:3,780円)を使用する際のDC入力
  (サウンド&レコーディング・マガジン 2014年1月号より)
ICONNECTIVITY
IConnectMIDI2+
9,480円
▪外形寸法:107(W)×40(H)×71(D)mm ▪重量:312g ▪付属品:Dock−USB(B)ケーブル、USB(A−B)ケーブル 【REQUIREMENTS】 ▪Mac:Mac OS 10.0.4以降、USBポート ▪Windows:Windows XP SP3以降、USBポート ▪iOS:iOS 4.2以降、Core MIDI対応アプリ