「BIG FISH AUDIO SHOUT」製品レビュー:ダンスをはじめ多ジャンルに活用できるボーカル/ワンショット・フレーズ集

BIG FISH AUDIOSHOUT

『SHOUT』は、ボーカル/ワンショット・フレーズを大量収録したライブラリー。収録形式はWAVとApple Loopsで、容量は1,017MB。録音は男性1名と声質の異なる3名の女性により行われており、4名それぞれのウーアー系のバック・ボーカル・フレーズを収録した“BGV”と、定番声ネタ、英語のワンフレーズ、FXにしやすそうなボイスを収録した“One Shots”の、全部で720種類以上のサンプル集となっている。すべて聴いた印象は、声色、フレーズともに4人のボーカリストそれぞれにカラーがありパンチもある。アーバン・ソウル、ハウス、ヒップホップで使われる定番ネタのほか、フリーソウル感あふれるフレーズや、ロックからEDMまで対応するリフ的なボイスなど、新鮮かつ自由度の高い素材が多い印象。その中で一番好みだったスモーキーで伸びやかな女性の声が収録された“Vocal2”フォルダーから、A♭m、68BPMのフレーズ×13ファイルをごそっと曲中にインポートしてみた。若干の縦軸のエディットとレベルの微調整は必要だったものの、思った以上にフレーズとフレーズが奇麗につながった。試しに男性ボーカルの同じキー、同じテンポの素材をインポートしてみたら、こちらもストレスなくすんなり共存。バキバキに強いアタック感を付けたEDMでもばっちり歌が抜けて使いやすい。メーカーの説明は、アーバン/ポップス/ダンス系となっているが、EDMベースにアレンジ的スパイスをミックスしていけば、ハウス、ヒップホップ、R&Bはもちろん、ホンキートンク調だったり、NU JAZZ、テック・ブラジリアンなんぞでも実験の価値ありだと思う。先に挙げたように、フレーズの幅広さが創作意欲も広げてくれるし、ざっくりインポートしただけで、感覚的にフックやリフがすぐに作れるので、トラックメイキングの即戦力、ボーカル・アレンジの良き相棒として可能性を広げてくれそうだ。

BIG FISH AUDIO
SHOUT
7,896円(為替レートによる価格の変動あり。表記の価格は2013年8月30日現在のもの)
●ダウンロード販売●容量:約1,017MB●DATA FORMAT:WAV、Apple Loops