「JBL PROFESSIONAL PRX415M」製品レビュー:フット・モニターとしても使用可能な2ウェイ・パッシブ・スピーカー

JBL PROFESSIONALPRX415M
JBLは言わずと知れた大手音響メーカーで、最高峰のラインアレイ・システムから手軽にシステム構築できるEONシリーズまで、さまざまなラインナップを提供しています。今回紹介するPRX400シリーズは、コスト・パフォーマンスに優れ、いろいろなシチュエーションで活躍してくれそうなスピーカー・ラインナップです。そのラインナップは、2ウェイ・フルレンジのPRX412M、PRX415M、ダブル・ウーファーのPRX425、サブウーファーのPRX418Sとなっており、ライブ・ハウスなどの固定設備から小規模な野外イベントなどの仮設まで、幅広いシーンに対応できそうです。今回は15インチ・モデルのPRX415Mをレビューしていきます。

DuraFlex仕上げによる
耐久性に優れたエンクロージャー


まずラインナップ紹介をしていきましょう。PRX412MとPRX415Mは、高域に1インチ・ドライバー、低域にそれぞれ12/15インチを1発搭載したフルレンジ・スピーカーで、フット・モニターに使用できるように30°のカットが施してあります。PRX425は同じく1インチ・ドライバーと15インチ・ウーファー2発のフルレンジ。最大SPLは13dBを誇ります。PRX418Sは、PRX400シリーズすべてのスピーカーと組み合わせ可能な18インチ・ウーファー1発の構成。周波数レンジは35Hz〜250Hzとなっています。すべてのエンクロージャーは軽量/頑丈な合板で構成され、PRX425でも33.5kgと、使い勝手に優れており、表面仕上げは弾性のある“DuraFlex”と呼ばれる耐久性に優れたコーティングが施されています。入力部は、NEUTRIKのスピコン(4/2ピン)とフォーンのコンボ端子を採用。PRX412M、PRX415Mは、つり下げ用のM10サスペンション・ポイントと、ポールマウント用のソケット(正面と10°下向きの2種類)を装備し、設置に便利です。 

ボーカルの張り出しが気持ち良く
高域の伸びもしっかりある


では実際にPRX415Mを使用してみましょう。こちらは、フライングやポール・マウント、フロア・モニターとしての使用も可能な一番万能なモデルです。パッシブなのでパワー・アンプが必要となります。本来ならAMCRONと相性が良いと思うのですが、あいにく用意できず、今回は他社のパワー・アンプ(定格450W/8Ω)を使用しました。ちなみに、AMCRON XTI2シリーズ、DBX DriveRack PA+には、プリセット・データをインストールでき、PRX400シリーズの性能を最大限に引き出すことができます。まず、箱から出した第一印象は“思ったより大きい……”です。最近はユニット径に対してコンパクトなエンクロージャーを組み合わせることが多いですが、このシリーズは十分なエンクロージャー容量を持たせ、余裕のある“箱鳴り”をさせているものと見受けられます。しかし持ち上げると確かに“軽い”です。ハンドルは側面一カ所にしか付いてないですが、大柄な印象に反して、ハンドル1本で十分移動可能です。鳴らしてみてまず感じたのが音楽的!! 良くも悪くも、音楽としての楽しい部分をよく出してくれるスピーカーです。ボーカルの張り出しが気持ち良く、シンバルなど高域の伸びもしっかりありつつ耳に痛い部分は主張しない。帯域によって若干のピークやディップは感じますが、躍動感ある音です。ボリューム・レベルやEQの操作にリニアについてくる感触は、さすがに基本設計がしっかりしていると感じさせる部分です。先述したように、エンクロージャーがよく鳴っていますが、しっかりチューニングされているようで、不要な響きは抑えられています。ここら辺が“音楽的”な音質を引き出しているように思います。フロア・モニターで使用した場合には、その大きさが目立ちます。角がカットされていますが浅めで、高さもかなりあります。ユニットが近いことと、ボーカルの張り出しがしっかりしているので、音像がはっきりしますが、ステージによっては演者のライブ・パフォーマンスに対して少し邪魔になりそうな予感がしました。 現代のSRスピーカーは“原音に忠実な”モデルが多いと思いますが、PRX400シリーズを試してみたところ方向性が少し違うようです。その方向性については一長一短があり、一概にどちらが良いなんて言えないのですが、シチュエーションに合わせることで能力を発揮すると思います。例えばライブ・ハウスのように、とにかく音楽を楽しむような現場に合いそうです。しかも本機はコスト・パフォーマンスにも優れており、ライブ・ハウスの音響設計をする身としては、実際のライブでも試してみたいと思う、気になる存在でした。 
▲リア・パネルには、4/2ピン・スピコンとフォーンの複合型端子を2系統装備する ▲リア・パネルには、4/2ピン・スピコンとフォーンの複合型端子を2系統装備する
  (サウンド&レコーディング・マガジン 2013年8月号より)
JBL PROFESSIONAL
PRX415M
100,275円
▪スピーカー構成/低域:15インチ・ウーファー、高域:1インチ・ドライバー ▪周波数特性/55Hz~19kHz ▪クロスオーバー周波数/2.2kHz ▪アンプ出力/300W(連続) ▪最大SPL/128dB ▪指向性/90°(水平)×50°(垂直) ▪外形寸法/429(W)×650(H)×457(D)mm ▪重量/21kg